第172回:営業の全てがWebサイトで完結すると思い込んでいないか?

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • 多くの商売では、Webサイトだけで営業のすべてを完結させようとすると、かえって非効率になりやすい。
  • Webサイトの本来の役割は、営業や商談を置き換えることより、既存の営業プロセスを強くすることにある。
  • 現場の営業担当は、お客さんの不安や反応という一次情報を最も多く持っている。
  • 営業とWebサイトが情報を往復させる仕組みを作ると、商談の質とスピードが上がっていく。

Webサイト完結思考のずれ

Webサイトを作るとき、「そこから直接どれだけ問い合わせを取れるか」だけを見てしまうことがあります。もちろんECのようにネット上で完結しやすい商売もありますが、多くのBtoBや比較検討の重い商売では、Webサイトだけで全部終わるケースの方がむしろ少数です。

検討の重い商売はリアルが残る

高額商材、家族の意思決定が絡むもの、BtoBの発注、塾や習い事のように相性や説明が重要なものでは、最終判断の前に必ずリアルな接点が入りやすくなります。Webサイトをどれだけ整えても、最後は話を聞く、会ってみる、現場を見るという流れが残るのが普通です。

Webサイトの役割は営業支援

だからこそ、Webサイトを営業の代替物と見るより、営業活動を支える道具として見た方が現実に合います。問い合わせを完全自動化することより、商談率や成約率、客層の質、商談の進む速さを上げる役割に目を向けるべきです。

直接反響だけでは見えない効果

フォーム経由の問い合わせがそれほど増えていなくても、営業先での反応が良くなる、話が早く進む、求めていた客層に寄ってくる、といった変化が起きることがあります。その背景にWebサイトがあるケースは少なくありません。お客さんは、いきなり電話して個人情報を渡す前に、まずWebサイトを見て比較し、安心できるかを確かめています。そこで一定の納得ができているから、リアルの接点が前に進みやすくなるわけです。

現場の営業が最も濃い情報源

Webサイトを強くするうえで、最も大事な情報源は現場です。実際にお客さんと会っている人の手元には、不安、疑問、刺さる言葉、嫌がられる表現など、Webサイト改善に直結する材料が大量にあります。

一次情報をフィードバックする流れ

営業が「こういう説明をすると反応がいい」「この点をみんな不安に思っている」と感じたことをWebサイト側へ返し、その内容をコンテンツに反映する。この循環が回り始めると、Webサイトはただの会社案内ではなくなります。逆に、営業がWebサイトを役に立たないものだと思ってしまうと、この貴重な一次情報が集まらなくなります。

営業とマーケティングを一緒に回す

理想形は、Webサイトが見込み客を連れてきて、営業がそこで得た情報をまたWebサイトへ戻し、次の見込み客の不安解消や訴求改善に生かす形です。営業とマーケティングを別物として分けるのではなく、両方を巻き込んでPDCAを回すことが必要です。

Webサイトはウェブ上の営業スタッフ

Webサイトは魔法の杖でも銀の弾丸でもありません。あくまで、ウェブ上で働く営業スタッフの一人です。だから、現場の営業をなくす方向で考えるより、今いる営業部隊がもっと成果を出せるように補助する方向で考えた方がうまくいきます。そうやって育てていけば、メンテナンスは必要でも、自動的にかなり働いてくれる強い仕組みになっていきます。

まとめ:営業を消すのでなく強くするためのWebサイト

営業の全てがWebサイトで完結すると思い込むと、最初から無理な期待を背負わせることになります。多くの商売でWebサイトが担うべきなのは、営業や商談を消すことではなく、その質と効率を引き上げることです。お客さんが事前に安心し、比較し、納得しやすくなる情報を出し、現場で得た一次情報をまた反映していく。この循環を作れれば、Webサイトは単独で売る装置ではなく、営業全体を底上げする仕組みになります。

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