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はじめに:Googleビジネスプロフィール、何をすれば良いか分からない方へ
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、多くの方が悩みがちなGoogleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の活用法について、ビジネスの現場目線でお話しします。
「設定はしたけれど、その後何をすればいいのか分からない」「本当に効果があるのか疑問」といったご質問をよくいただきます。特に、この分野は営業電話も多く、「MEO(マップエンジンオプティマイゼーション)」という言葉で、不安を煽られるケースも少なくありません。ちなみに、MEOは日本独自の言葉で、国際的には「ローカルSEO」と呼ばれています。
しかし、営業のイメージとは別に、Googleマップがビジネスにとって非常に重要であることは事実です。地域に根差したローカルビジネスはもちろん、そうでないビジネスにとってもその価値は計り知れません。では、具体的に何を目指し、何をすべきなのでしょうか。その答えは、意外な場所にあります。
発想の転換:自分ならどう使うか?から始める
多くの場合、うまくいかない原因は「発信者側の視点」で考えてしまうことにあります。「Googleマップにはこんな機能があるから全部使おう」と意気込んでも、労力がかかるばかりで効果に繋がりにくいのです。
大切なのは、「もし自分が顧客だったら、Googleマップをどう使うか?」という視点から逆算することです。これにより、本当にやるべきことが見えてきます。
1. 顧客の行動を想像する
まずは、ご自身のビジネスとは異なる業種で、顧客として何かを探す場面を想像してみてください。その際、できるだけご自身のサービスと顧客の検討プロセスが近いものを選ぶのがポイントです。
- 即断即決型か、熟慮型か:「今日のお昼ご飯」を探すのと、「不動産の売買」を検討するのとでは、顧客の行動は全く異なります。ご自身のビジネスがどちらに近いかを考えましょう。
- 何をチェックするか:Googleマップで何かを調べるとき、あなたは何をチェックしますか?具体的なサービスメニュー、価格、店舗の営業時間、写真、それとも口コミでしょうか。
2. 見られている情報に絞って充実させる
顧客の行動を想像することで、自分たちのプロフィールで何が重要かが見えてきます。
- 短時間で判断される場合:顧客が多くの情報をじっくり見ないタイプなら、第一印象が全てです。ぱっと目に入る写真やロゴ、キャッチーな説明文を磨き込むことに注力すべきです。
- じっくり比較される場合:高額な商品や専門的なサービスで、顧客が細かく情報を比較検討するなら、提供サービスの詳細や得意分野、専門性が伝わる文章をしっかりと書き込む必要があります。
まずは、このように当たりをつけて、やるべきことの優先順位を決めることが重要です。一番確実なのは、既存のお客様に「私たちのGoogleマップを見て、どこが気になりましたか?」と直接聞いてみることです。多くの場合、事業者が思っているほど細かい部分までは見られていない、という現実に気づかされるはずです。
効果測定の罠:数字に一喜一憂しない
次に、効果測定についてです。Googleビジネスプロフィールには、電話のタップ数やルートの検索数といったデータが表示されますが、これらの数字が直接的なビジネスの成果とどう結びつくかは、正直なところ分かりにくい部分です。
もちろん、地元のビジネスでルート検索が全くないなど、極端な異常を検知するためには役立ちます。しかし、「数字が2倍になったから、問い合わせも2倍になる」という単純な話ではありません。
ですから、ここの数字にこだわりすぎる必要はありません。「長期的に見て露出が増えているか」「少しずつ反応が増えているか」といった大きな流れを掴む程度に留め、ウェブサイトへのアクセス解析などと組み合わせて総合的に判断するのが良いでしょう。
最重要項目:信頼を築く「口コミ」の集め方
ここまで様々な要素について触れてきましたが、Googleビジネスプロフィールにおいて最も重要なのは、やはり「口コミ」です。皆さんも、何かを選ぶときには口コミを参考にすることが多いのではないでしょうか。
しかし、重要なのは「口コミは自然には集まらない」と認識することです。仕組みとして能動的に集めていく必要があります。その際に、絶対に守らなければならないのがGoogleのガイドラインです。
やってはいけない口コミ施策(ガイドライン違反)
信頼を失い、長期的に見て大きなマイナスになりかねないため、以下の行為は絶対に避けましょう。
- 対価の提供:「レビューを書いてくれたら割引」「クオカードをプレゼント」といった行為は禁止されています。対価を受け取ったユーザーは、本心でなくても良い評価を書きがちになるためです。万が一、レビュー内に「クオカードをもらったので書きました」などと書かれてしまえば、それまでの信頼は一瞬で崩れ去ります。
- レビューゲート:アンケートなどを実施し、高評価だった人にだけGoogleマップへの投稿を依頼し、低評価だった人には別のフォームへ誘導する、といった「良い口コミだけを選別する」行為もガイドライン違反です。
これらの違反は、競合他社からの通報に繋がることもあります。ルールを守っている競合から見れば、不公正な手段はすぐに分かります。正々堂々と、サービスの質で勝負しましょう。
正しい口コミの集め方
ガイドラインを守った上で、口コミを集めることは全く問題ありません。むしろ、積極的に行うべきです。
- お願いする仕組みを作る:サービス提供後やフォローアップのプロセスに、「よろしければ、率直なご意見を口コミとしてお寄せいただけませんか?」とお願いする工程を組み込みましょう。
- 書き方をサポートする:お客様の中には「書きたいけれど、どう書けばいいか分からない」という方も多くいます。書き方の手順を案内したり、「他のお客様のために、どのような点が良かったか具体的に書いていただけると参考になります」といったテンプレートを提示したりするのも有効です。
- サービス改善に繋げる:いただいた口コミには、良い点も悪い点も真摯に受け止め、丁寧に返信しましょう。そして、その内容を実際のサービス改善に活かす姿勢を見せることが、次のお客様からの信頼に繋がります。
口コミの数がゼロから20件に増えるだけでも、お客様の印象は大きく変わります。競合の状況にもよりますが、まずはこのあたりを目指して、仕組みを作ることが大切です。
口コミの内容が検索結果を変える
また、口コミの中に書かれた具体的なサービス名や地名、感想などのキーワードは、Googleマップ上の検索結果にも影響を与えます。お客様に具体的な内容を書いてもらうことで、より幅広いキーワードで自分たちのビジネスが表示される可能性が高まるのです。
一歩先へ:ウェブサイトとの連携
最後に、少し未来の話をします。海外では、GoogleマップのFAQ(よくある質問)セクションが、AIによるチャット形式で質問に答えられる機能に進化しつつあります。そのAIが回答の根拠として最も重視するのが、リンクされているウェブサイトの内容です。
つまり、ウェブサイトにお客様が知りたい情報を先回りして掲載しておくことが、将来的にGoogleマップ上での評価にも繋がってくる可能性が高いのです。Googleビジネスプロフィールの充実は、ウェブサイト本体のコンテンツ強化と表裏一体であると言えます。
まとめ:まずは「顧客視点」で体感することから
これまで何もしてこなかったという方は、まずご自身が顧客として、様々なビジネスをGoogleマップで調べてみてください。何を見て、どう感じるか。その「体感」こそが、最初の一歩です。
- 顧客視点で体感する:自分なら何を見るか、どこを重要視するかを考え、自分たちのプロフィールに反映させる。
- 口コミを集める仕組みを作る:ガイドラインを遵守し、ビジネスのプロセスの中に口コミをお願いする工程を組み込む。
- サービスの質を磨き続ける:結局のところ、良い口コミは良いサービスからしか生まれません。いただいた声を真摯に受け止め、改善を続けることが最も重要です。
Googleビジネスプロフィールは、すぐに劇的な効果が出るものではありません。しかし、お客様との重要な接点として、地道に育てていく価値は十分にあります。まずはこの記事でお伝えした「顧客視点での見直し」から始めてみてはいかがでしょうか。
解決できる疑問と回答
- Googleマップのビジネスプロフィールは、なぜ重要なのですか?
- 地域のお客様に選ばれる・信頼されるための第一歩です。正しい運用で集客や信頼が向上します。
- 口コミは本当に集めた方が良いのでしょうか?
- はい、口コミは信頼性や集客力向上に非常に効果的。ガイドラインを守って継続的に集めましょう。
- どの情報を重点的にビジネスプロフィールへ載せるべきですか?
- お客様が最も気にする「営業時間」「写真」「サービス内容」など、実際の利用行動を想定して優先しましょう。
- 口コミ収集の際にやってはいけないことは?
- 対価を渡す・高評価のみ誘導するなどはガイドライン違反です。正しい方法で依頼しましょう。
- ビジネスプロフィールの効果測定は何を見れば良いですか?
- 電話タップ数・ルート検索数などでおおまかな反応を見ましょう。細かくこだわりすぎる必要はありません。
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