ホーム » podcasts » AI(人工知能) » 第552回: AIに選ばれるために。今、中小企業が取り組むべき2つのこと

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内容について

AI検索の普及により、ユーザーの情報探索の仕方が大きく変わっています。
本エピソードでは、企業がこの変化にどう対応すべきかについて取り扱います。色々と話題は多いですが、まずおさえたいのは2点です。

・ゼロクリックサーチの加速でウェブサイトの役割はどう変わる?アクセスはどうなる?

・パーソナライズ検索に対応することが、なぜ必要で重要なのか?

このPodcastが解決できる疑問と回答

AI時代のマーケティングに必要な視点について。これからキャッチアップしたい方に特にお勧めです。是非ご視聴下さい。

Q1. AI検索が普及すると、なぜ自社ウェブサイトへのアクセスが減るのですか?

AIがユーザーの質問に対して、様々なウェブサイトから情報を集約し、要約した答えを検索結果画面で直接提示するようになるためです。これにより、ユーザーは個別のサイトを訪問(クリック)することなく疑問を解決できる「ゼロクリックサーチ」が加速し、結果として各サイトへのアクセス数が減少する傾向になると考えられています。

Q2. アクセスが減るなら、ウェブサイトはもう重要ではなくなるのでしょうか?

いいえ、むしろ重要性は増します。ただし、役割が変化します。これからのウェブサイトは、AIが情報を参照するための「信頼できる公式なデータベース」としての役割が強くなります。自社が「誰に、どのような価値を提供しているのか」を明確かつ構造的に記述しておくことで、AIがユーザーに自社を適切に紹介してくれる可能性が高まります。

Q3. AI時代の検索行動は、これまでとどう変わるのですか?

ユーザーは、より具体的で個人的な状況を説明するような、自然な文章で検索するようになります。例えば「〇〇 比較」のような単語での検索ではなく、「〇〇という状況で困っており、〇〇を重視する場合のおすすめの解決策は?」といった、極めてパーソナライズされた検索行動が一般化すると予測されます。

Q4. パーソナライズされた検索に対応するには、どうすれば良いですか?

「誰にでも合う」といった曖昧な情報発信ではなく、「どのような悩みを持つ、どのような人」に向けたサービスなのかを明確にしたコンテンツを発信することが重要です。ターゲットを絞り、その人たちの具体的な課題に深く応える専門性の高い情報を提供することで、AIがそのコンテンツと関連性の高いユーザーとを適切に結びつけてくれるようになります。

Q5. AI時代に向けて、企業はコンテンツをどのように準備すべきですか?

自社の専門性や提供価値を明確にした上で、それを多様な形式で発信できる能力が求められます。文章だけでなく、ユーザーの好みや状況に応じて、図や画像、動画といった様々な形式(マルチモーダル)で情報を提供できる体制を整えていくことが、AIに評価され、ユーザーに選ばれるためのポイントになります。

#AIマーケティング  #デジタルマーケティング  #SEO対策  #ウェブ戦略  #検索エンジン最適化

タイムスタンプ

0:00 はじめに
0:30 AIによる変化:重要なポイント
1:30 外面的な変化:ウェブサイトへのアクセス減少
3:30 内面的な変化:パーソナライズされた検索
5:30 マルチモーダル化への対応
7:15 今後の企業努力の方向性
9:30 最新情報への対応
11:45 AIの嘘と向き合う
13:45 2つのポイントを押さえよう
15:45 AI関連の情報収集
17:45 検索以外の選択肢
19:45 まとめ

はじめに:AI時代のウェブマーケティング、何から手をつけるべきか

AIの進化が、検索エンジンのあり方を大きく変えようとしています。企業のウェブマーケティング担当者や経営者の方々から、「AIによって何が変わり、私たちはまず何を押さえるべきか」というご質問をいただく機会が増えました。

AIに関する話題は多岐にわたりますが、今回はウェブマーケティングという観点に絞り、企業がまず押さえておくべき本質的な変化についてお話しします。結論から言うと、押さえるべきポイントは「外面的な変化」と「内面的な変化」の2つに集約できます。

変化1:ウェブサイトへの訪問者が減少する(ゼロクリックサーチの加速)

まず押さえるべき外面的な変化は、「自社のウェブサイトを訪れる人が、今後ますます減少していく」という可能性です。AI検索は、ユーザーの質問に対し、検索結果画面上で直接、要約された答えを提示します。これにより、ユーザーは各サイトをクリックして情報を探す必要がなくなります。この「ゼロクリックサーチ」と呼ばれる現象が、AIによってさらに加速するでしょう。

ウェブサイトの役割の変化

では、ウェブサイトは不要になるのでしょうか。そうではありません。むしろ、その重要性は別の形で高まります。これからのウェブサイトは、ユーザーに直接見てもらう場所というよりも、「AIに正確な情報を提供する、信頼性の高いデータベース」としての役割を担うことになります。

Googleも、AIによる回答を生成する際、リンク先のウェブサイトやGoogleビジネスプロフィールの情報を優先的に使用するとしています。つまり、サイトがAIにとっての重要な情報源であることに変わりはありません。しかし、そのサイトには「誰に」「何を」「どのような価値」を提供しているのかが、ポエムのような抽象的な表現ではなく、明確に記述されている必要があります。

アクセス解析の考え方も変わる

この変化に伴い、PV数や滞在時間といった従来の指標の意味合いも変わってきます。サイトに来る人は減るものの、来る人はすでにある程度検討を終え、目的が明確な「決めている人」が多くなる可能性があります。データ上は、突然コンバージョンが発生するように見えるかもしれません。定量的な分析が難しくなることも想定しておく必要があります。

変化2:検索行動が極めて「パーソナライズ」される

もう一つの重要な変化は、ユーザーの内面、つまり検索行動そのものです。人々はAIとの対話に慣れることで、より個人的で具体的な検索を行うようになります。

「状況説明型」の検索へ

これまでの検索は「〇〇 比較」や「〇〇 おすすめ」といった単語の組み合わせが主流でした。しかしこれからは、「今こういう状況で、こういうことをしたい。これとこれは重要視するが、おすすめのツールはないか」といった、自身の状況を詳しく説明するような検索が一般化していくでしょう。

このような変化は、特に比較サイトや一括見積もりサイトのようなビジネスモデルに大きな影響を与える可能性があります。企業が自社サイトで直接、質の高い情報を発信するようになれば、仲介するメディアの価値は相対的に低下するからです。

パーソナライズ化への対応策

この変化に対応するためには、企業側も情報発信のあり方を変えなければなりません。「誰にでもOK」というような曖昧なメッセージでは、AIがどのユーザーと結びつければ良いか判断できません。自社のサービスが「どのような人をターゲットに、どんな価値を提供するのか」という専門性を明確にし、それに合わせたコンテンツを発信することが極めて重要になります。

これからの企業に求められるコンテンツ戦略

これらの変化を踏まえ、企業はどのような能力を身につけるべきでしょうか。

マルチモーダルへの対応

パーソナライズ化には、情報の「形式」も含まれます。ユーザーは、テキストだけでなく、図や画像、動画など、自分が理解しやすい形式で情報を求めるようになります。このような多様な形式(マルチモーダル)でコンテンツを提供できるかどうかが、AIに選ばれるための一つのポイントになります。

コンテンツを自社で発信する能力

結局のところ、これからのウェブマーケティングで重要になるのは、「自社の提供価値を、ターゲットに合わせて、多様な形式で発信する能力」です。これを自社内で企画し、制作・修正できる体制を整えることが、企業の競争力を左右するでしょう。

まとめ:まず、この2点を押さえましょう

AIに関する論点は数多くありますが、事業会社がまず押さえるべきは、以下の2点です。

  1. 自社サイトへの訪問者は減少する可能性に備え、サイトを「AIのためのデータベース」として再構築すること。
  2. 検索行動のパーソナライズ化に対応するため、ターゲットを明確にし、専門性の高いコンテンツを多様な形式で発信できる体制を整えること。

最先端の技術動向に振り回される前に、まずはこの本質的な変化への対応を考えることが重要です。そして、まだAIツールを使ったことがないという方は、ぜひ一度、有料プランでも試してみることをお勧めします。実際に使ってみることで、その性能や可能性を肌で感じ、自社での活用イメージを具体的に持つことができるはずです。

続きはPodcastをご覧下さい。

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