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今回の内容について
今回は、2020年1月コアアルゴリズムアップデート( January 2020 Core Update)の話題をきっかけに、Googleアルゴリズムに対して中小・小規模事業者の方々がどう考えれば良いかについて(具体的な下落対策などの内容はありません)
そして、これからSEOを始めたい…でもなかなかどこからどうすれば…と悩んでいる方へ、最初の一歩の踏み出し方のパラダイムが変わっているという話をお伝えします。
詳しくはPodcast / YouTube動画配信をご覧下さい。
詳しくは、この動画か、iTunes/Googleの音声ポッドキャストをお聞き下さい。
YouTubeで動画形式で配信しています
YouTubeにて動画にて配信しています。内容自体は同じです。お好きな方をご覧下さい。
エピソード詳細
昨晩Googleのコアアップデートが行われ、Twitterを中心に話題になっています。もちろんそれを生業にしている方は分かっていると思いますが、これからそれについてどう捉えるべきか、そして新しくSEOをこれから始める方がどう初めて行けば良いのかをお伝えします。
Later today, we are releasing a broad core algorithm update, as we do several times per year. It is called the January 2020 Core Update. Our guidance about such updates remains as we’ve covered before. Please see this blog post for more about that:https://t.co/e5ZQUA3RC6
— Google SearchLiaison (@searchliaison) January 13, 2020
なぜかというと、SEOを始める敷居が昔に比べてどんどん上がってきているからです。これから社内に専門的な人材がいるわけでもなく、大きな予算をかけられるわけでもなく、がっつり協力会社を探す状況でもないというような・・・つまり多くの中小企業・小規模事業者の方が今からどう始めるかをお伝えしたいと思います。
2020年1月コアアルゴリズムアップデートの概要
今回のコアアップデートの概要を簡単に説明します。Googleは順位や、特定の入力されたキーワードに対してどのページを表示するかということを、中にあるアルゴリズムというAIが決めています。順位を決定する、どのページを表示するかという仕組みがアルゴリズムです。
そのアルゴリズムは定期的にメンテナンスされているわけではなく、常に変化していて、どんどん良くなっています。その中で日々変えている細かいアルゴリズムの変更以外にも、時々大きめのアップデートをかけることがあり、それがコアアップデートと呼ばれるものです。
アルゴリズムの中でも何層にも分かれているようですが、その中で中心にある「コア」に変更を入れるということで、大きな変動が生まれます。
アルゴリズム変更というのは、どういう要素をどう重み付けするかということの積み重ねで、何がどうなっているのかはGoogleの人も把握できません。AIが機械学習をくり返してできあがっているものです。その大きめのコアアップデートが年に3,4回ほどあります。
何か急にレギュレーションが変わるという話ではなくて、あくまでGoogleが、良いサイトが上に上がるようなアルゴリズムを作る流れの中で、アルゴリズムを洗練させていく中で大きめの変更を入れるということです。
基本的には、何か特別な対策が必要になるわけではありません。「コアアップデート対策!」なんていうセミナーも見かけることはありますが、それは怪しいと思っていただければと思います。
コアアップデートを受けてすべきこと
既にSEOをやっている方は、1週間ほど様子を見て自社サイトの順位や競合がどう変わったかという3C的な観点で検索結果を捉えて、次起こすべきアクションを考えていけば良いかと思います。
自分たちはキープできているけれど周りがとても変わってきたとか、それによって競争環境が変わって、お客様に対してどういう切り口で、検索結果で売り、アピール、キャッチコピー、コピーライティングを変える必要が出てくるかどうかという点が一番気になるところです。
大幅に落ちてしまった場合は、逆にどういうサイトが上に上がるようになったのかを見て、そこから対策を打っていきます。しかしそこまで医療関係以外でそこまで大きく動くことはありませんので、競合がどう変わったのかを気にするケースのほうが多いです。
Googleが大きめに変更をしたということは、ユーザーがキーワードに対して求めることが変わってきたということの現れです。つまりGoogleよりもお客様のほうが変わってきたということなので、ユーザー中心主義的に考えると、それに対して自分たちが提供していくものも変えていくべきです。
アルゴリズム変更や様々なGoogleの変化を見つめる
そういう観点でコアアップデートも含めて、アルゴリズム変更や様々なGoogleの変化を見つめるようにしています。Googleがそのクエリに対して普通の検索結果を出すのか、それとも画像の結果を上に出すのか、画像の中でもさらに絞り込み条件が付いたものを出すのか、それともショッピングなのか、地図なのか。
それはユーザーが求めているだろうものが機械学習で分かったので、それに対しての結果を持ってきているわけです。Googleを疑ってGoogleの裏をかこうと考えるのではなくて、Googleは基本的にはユーザーの気持ちを代弁していると捉えて、それにたいして自社ができることを考えていくのが、SEOの基本的な取り組み方だと思います。そのほうが成果が出ます。
Googleの裏をかくとか、Googleに逆らうなどはナンセンス
SEOを考える時に特にTwitterなんかではGoogleの裏をかくとか、Googleに逆らうとか、「こういうテクニックを使ったら上がった!」という話題が盛り上がりますが、あまりこれは気にしすぎないほうが良いです。後から見ると明らかに変なものもたくさんあるので、振り回されて終わってしまいます。
普通のSEO業務をしている方や社内で仕事をしている方は、いちいちTwitterでつぶやけません。では誰がTwitterで発言しているかというと、個人系のプレーヤーか自由奔放な社長さん、個人事業主です。後者はフォローする価値もあるかもしれませんが、前者のいわゆるアフィリエイト系だと非常に観測範囲が狭い中で自分が上がった下がったという話や、推測や憶測、自分の周りだけで判断した発言が多いので、あまりそこを気にしすぎる必要はありません。
とはいえ世の中にはまだまだ、「自分たちでSEOをやってみたいけど分からない」という方が多いと思います。昔なら簡単に第一歩が踏み出せました。例えばGoogleアナリティクスでキーワードごとのアクセス数が取れたりした時代であれば、どういうキーワードで来た人はコンバージョンしやすくて、どういうキーワードできた人はダメだということが分かりました。
しかしだんだんプライバシー保護の観点からそれがまずいということになり、分からなくなってしまいました。googleアナリティクスで特殊なツールを使わない限りは、ほとんど流入キーワードは出てきません。いまだに項目としてはありますが。
サーチコンソールのほうではちゃんとデータが取れます。こちらに関しては、昔は非常に短い期間しか取れなかったものが、今は25カ月取られるようになってきてかなり良くなってきています。とは言えそこからgoogleアナリティクスにつなぎこむことができません。どのキーワードで来た人がコンバージョンするとか、再訪するとか、短期的にも中期的にも分析することは難しいです。
SEOの始め方<自社だけが手に入れられる情報を活用する>
ではSEOをどう始めたら良いのでしょうか。昔は計画を立てて、きっとこれくらいのリターンが来るだろうからこのくらいの予算をかけてこうしていこう、と決めました。そしてその答え合わせをしていく感じでした。
しかし今は最初のデータが、通り一遍のツールで取れるようなデータで戦っても、まず勝てません。例えばキーワードツールで検索数の多いキーワードは分かりますが、それはどこの会社もそのツールを使ってずっとやってきているので、取りつくされてしまっているのです。そこに後から入って勝とうとしても、よほどその地域で競合が少なくない限りは、ほぼ穴はありません。
皆同じキーワードツールを使っているわけですからね。様々なサードパーティー系のツールも、基本的にはそういうデータを基にしています。あまり資金力や人材がない中小企業が、先に大きな会社や強力なパートナーを持っている会社がいるところに後から入ろうとすると、成果が出るまでに相当な時間がかかります。
SEOは無料という暗黒の歴史
SEOはそもそも、あまりお金をかけなくても果ては無料でお客様が来る仕組と言われ続けてきた暗黒の歴史があります。(人件費を考えると全くもって無料ではないのですが。)言い方は悪いですが、とりあえずやってみることです。既にビジネスをやっている方は得です。お客様から直接「どういうキーワードで検索したか」を聞けるとベストです。
そうではなくても普段やり取りをする中で、どういうことを知りたくて、どういう情報には興味がないのか、よくされる質問等のストックができていることでしょう。ネット上でも同じ情報を出していくのです。まずは出してみて、データを取ってください。
Googleアナリティクスは入れていないとデータが取れませんから、まず先に入れて解析できるようにしましょう。そしてWEB云々はいったん置いておいて、まず一度お客様が求めているだろうものをコンテンツ化して、それを出していきます。そうするとフィードバックが返ってきます。
「これはそんなに順位が高くないのにクリック率が高いから、ニーズがある」
「これはオフラインでは反響があるけれど、WEB上では興味を示されない」
「これに反響があるなら、他にもこれが求められるのではないか」
「Googleアナリティクスを見ると、どうやらこの業界はこういう要素が重視されるようだ」
→例えば会社案内を見る人が多ければ、長いお付き合いのための信頼性を重視されていると推測できるので、その部分をブラッシュアップしていく
このようにどんどん広げていくことができます。その最初の一歩を、外から手に入れられるデータを手にしてやっていこうとすると、絶対限界が来てしまいます。なぜなら、皆が通ってきた道だからです。自社内にだけある様々なものを一度WEB上に出してみて、そのフィードバックを解析結果で受け取り、そこから次の一手を考えていきましょう。
今は検索エンジン以外にもSNSやオフラインも重要なので全てそういう方針でやっていくのが、一番効率が良いと思います。いわゆる正統派のやり方でやってもなかなかゴールにたどり着けません。まずは何かを出してみましょう。
始めから費用対効果ばかりを気にしない
そこで気をつけるべきは、あまりもったいない精神でいるといけないということです。SEOにこれから力を入れようという会社は、販促に予算をかけられない場合が多いと思うので難しいところではありますが、最初は無駄を許容する考え方にしておかないと前に進めません。
後から思えば無駄なことがあった、しかしこの部分は当たりだった、というかたちになります。なので、最初は投資対効果が合うようにしてからやろうと考えず、全部しくじっても何かが得られれば良いくらいの気持ちで始めましょう。そしてデータを取って、そこから徐々に損益分岐点を越えられるように伸ばしていけば良いのです。
これはどちらかというと、経営者や部門の採算を握っている方に対するメッセージです。最初からそんなにうまくはいきません。その先できちんと損益分岐点を越えられるようにするために考えて、一歩ずつ失敗を積み重ねていきます。そうすると徐々に無理・無駄・ムラが減っていって、筋肉質なマーケティングが行えるようになっていきます。
最初にもったいない、無駄を作らないように、お金を払うからにはリターンをとばかり考えていると、萎縮して何もできなくなってしまいます。それでは前には進めません。