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第275回:話題の音声SNS「ClubHouse(クラブハウス)」は中小企業のビジネスに役立つのか?

今回は1月23日のβ版リリースから、多方面で話題になり、更にはマスメディアでも扱われるなど、コロナの影響を考えてもなかなかの取り扱いになっている、音声SNS「クラブハウス(Clubhouse)」について、取り扱います。

・そもそもクラブハウスってなんなのか?
・やっておいたほうが良いのか?流行るのか?
・怪しいんじゃないのか、ステマやインフルエンサーの巣じゃないのか

そして最も重要な、中小企業にとって「ビジネスに役立たせることができるのか」

について、現状2021年2月3日の状況を前提に、私の印象と感覚を30分ほどにまとめてお送りします。

結論から言えば、ビジネスに直結させて使うのは現状難しいでしょうし、それを目指しているSNSでもないです。ただ、事業のを伸ばすための使い方はもちろんあります。

また、巷でネガティブな反応とポジティブな反応が入り混じっている中から見える、今のネット界隈のニュースに対する姿勢についても扱っています。

よろしければ、YouTubeやPodcastでお聞き・御覧ください。

‎Clubhouse: Drop-in audio chat on the App Store

#clubhouse #クラブハウス #Web戦略

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□配信スタンド
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YouTube以外では「ながらぎき」音声を配信しています。Spotifyなどでも配信されています。

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■運営・進行
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp

内容書き起こし

今回は、Clubhouse(クラブハウス)という海外発の音声型のSNSについて。マスメディアでも扱われているなど、久々に見ました。

新型コロナの自粛要請という中で、会話を欲している方が多いなど時勢にあっているせいかはわかりませんが、ワイドショーでも取り上げられていてTwitter黎明期を思い出すところです。

いろいろ役に立つたたない、好き嫌い、使い方などの情報はすでに公開されていますし、今後も増えるでしょう。ただ、私は中小企業のビジネスに使えるか、また彼らを取り巻く世界にどう影響するかという観点でやはり見たいので、その切り口で今回取り扱っています。

簡単にClubHouse(クラブハウス)の概略について

Clubhouseについての話題は、意識してか無意識かわかりませんが、好き嫌いが出発点の情報が多いです。

言い方は悪いかもしれませんが「自分が苦手なものは流行ってほしくない、価値がないに違いない」というような向きも多いと感じています。しかし、面白いSNSであることは確かなので、気持ちをフラットにして「使える使えない」を判断したほうが良いと思います。

サービス自体は、2020年4月にローンチされています。日本では未展開でした。5月にベンチャーキャピタルから投資を受けてグローバルで話題になりました。

日本では今年2021年1月23日にベータ版のリリースが行われ、それが招待制だったので急激に話題になりました。そのフィーバーが今着ている状態ですね。iOS版だけでAndroid版は今はまだありません。

しかし、メルカリやヤフオク、あるいはアプリのレビュー欄で招待希望者がたくさん招待待ちをしているという状態です。招待制というとmixiを思い出しますね…。

特徴としては

  • 音声以外は一切使えない
  • 実名、18歳以上限定
  • 基本的に録音不可(将来機能実装予定の模様)オフレコ前提、外に出したら利用規約違反
  • その場で聞かなければ、もう二度と聞けない。アーカイブ機能はない。見逃し配信などもない。同期型サービスです。
  • 誰でもすぐに多人数で話せるチャットルームを公開ないし自分のフォロー関係ないしクローズドで作れる(誰でもすぐ聞ける公開ZOOM音声会議みたいなもの)
  • その他、余分の機能一切なし

というのが基本的な機能です。ものすごいバッサリですね。

サービスの思想として「必要な人と、必要なだけつながることができる、また、ノイズ少なく新しい発見を探せる」というようなものがある印象です。なので、Twitterばりにフォロアー/フォロー数をまずは増やそうとすると、なんかノイズだらけでつまらなくなります。

そして原状としては

  • すでに芸能人や有名人も参加しており、また、業界の中でなかなか表に出ない人も出てくるなどして、盛り上がっている
  • いろいろな業界の中の普通では聞けないような話を、いろいろなルームで聞ける
  • 基本はリスナーで良いので(話すことを強要されない)安心していろいろルームブラウジングできる、ソーシャルラジオ局状態

な感じで、ハマる人はドハマリ、文字が好きな人ははまらないというような感じですね。

収益化できるかは微妙

現状収益化はできないです。収益化する手段がないからです。

公式には数カ月以内に収益化、サブスクリプションであったりチップ制や投げ銭、チケットが実装されるようですが詳細は不明です。

招待性が終わって全開放になり、分かりやすい課金UIが実装されたら、今までにリーチできなかったような層に対して課金の可能性はあるかなと思います。

「完全同期型」SNSという特殊な場

とにかく特徴的で、好き嫌いがあるのがこの「同期型」というところなんです。録画や録音のないTVやラジオです。井戸端会議ですねまさに。

Twitterの音声版というのは外れていると思います。Twitterって見返せる、興味が湧いた人の発言をどんどん何年前でも追える。そして、別に発言した瞬間にTwitterにログインしている必要はない。要は「非同期型」ツールです。コンテンツは今、暗黙の前提で非同期型です。PodcastもYouTubeも基本的には全部そうです。

ホームページもそうです。深夜だろうが会社に誰もいなかろうが、お客さん対応をしてくれるわけで、同じ瞬間にホームページで待ち構えてないと行けないわけではないんですよ。

そしてそれがネットの暗黙の一つの価値だったわけです。営業マーケという面でも業務効率化という面でも、

営業マーケで言えば「資産として積み上がるコンテンツ」が大前提。昔の自分が今の自分を救う。

業務効率化で言えば、一番わかりやすいところで言うと電話とチャットの違いに代表される奴ですね。電話が強制的に相手の時間を奪うという同期型のコミュニケーションであることに対してチャットとかメールが、新しいカタチとして出てきました。

今の時代的に考えると、何かすごく不思議なものが現れたというのが正直なところです。

とはいえ世の中は同期型コミュニケーションが基本だった

ただ、私自身も先入観にとらわれていましたけれども、別にこういうのは全然ありだよねと思います。

もともと同期型のコミュニケーションが普通ですよね、チャットやMailが特殊なんです。今まではネット時代において最適化を大前提として、これが良いという形で非同期型が推されてきていました。

ただ、それにも関わらず残っている同期型のコミュニケーションについては、少なくともSNSという場の提供という面ではどこも拾ってこなかったんですよね。なので、いわゆるネットギークみたいな人、昔風の言葉でいうとアルファなんとかみたいな人以外の、一般の人、一般の芸能人有名人が、結構楽しく参加してるんだと思うんです。

将来的にみんな文字ベースでコミュニケートしたいわけではないじゃないですか。何でもかんでもデータ化されてアーカイブにしてほしいわけではないじゃないですか。いちいちアプリなりを立ち上げて参加者招待して会話するような、ステップの多い世界を基本としたいわけではないと思うんです。

クラブハウス、ものすごいそのへん、リアルな井戸端会議参加をエミュレートできていると感じています。

後「話してみたら全然印象が変わった」が起きるんですよね。そして、例えば文字系コンテンツやYouTube動画などでは当然行われていた、編集という過程がないので、もう「その人の本当の地力」が丸見えになるんです。

口がうまい人が勝つみたいなことを言う人もいますね。そういう怖さはもちろんあります。ただ、多くのケースでは逆にバレるんじゃないかなという印象です。

いわゆるコンテンツマーケティングには、そのままははまらない

ビジネスに役立つっていうところが気になると思うんですけど、極端に言うとですね、企業としての活用は難しいと思ってください。

個人と個人が繋がるツールです。粒の大きさが「人」です。

企業と企業が繋がるとか企業と個人が繋がるようなものではないですね。広告塔みたいな人が話すのはありだと思いますよ。何とか株式会社の広報のトップの人などが、間接的に自分たちのサービスについての印象作りをしていくなどは実現可能性があると思います。

ただ、今のいわゆるコンテンツ資産を積み上げる型のマーケティングにはめ込むには工夫が必要です。

Web マーケティングって大事なのってやっぱりコンテンツ、活動がコンテンツとして積み上がっていくかなんですよね。

過去の自分が今の自分を楽にするっていう言葉があります。うちだったらこうやって音声を毎回配信していったり、ビデオ配信していますが、ボランティアではないわけです。それが勝手に集客してくれたり見込み客の育成をしてくれるのです。

お客さんの通り道に、自分たちのコンテンツを配置して、その中でお客さんが育ってくれて、自分たちがとマッチするようなお客さんが勝手に目の前に現れてくる。その仕組みに分かりやすくは、はまらないですね。Twitterだったらタイムライン、対応のアーカイブ、Facebookならページなりで、積み上げられたわけですが、クラブハウスはそれがない。

ただ、積み上がるのは「信用」「信頼」「つながり」です。

(これを利用することが重要で、むしろ今後マーケティングってこういう方向性にシフトしないと、どこもかしこもレッドオーシャン化して、閉塞感が漂っているコンテンツ周りを見ていると感じるのですが)

その雑感はさておき、それを構築するにはとても良い場所です。それをマーケティングの仕組みに取り入れるという方向が良いと思います。なので、エグゼクティブ層なり、その会社の顔となる人が時間を割くことになるでしょうね。物販とか、店主なり社長の魅力で売ってたりしますよね、そういうところにはすごい合うと思いますね、後は客商売。

いわゆるB2Bなどは、それを活用できる形にしないと厳しいでしょう。大企業はタイアップとかやめて、自社で誰かひねり出したほうが良いと思います。自社の商品やサービスへの愛がないと、絶対バレます。

すごく面白いと思いますが、考えて取り組む必要がありますね。そんなツールだと思って下さい。安易に飛び込まないほうがいいですし、今の段階で企業の活用王道などは見えてないと思います。

なので、だったら普通に音声だったら、ポッドキャストをやった方がいいと思いますし、普通にホームページで音声を配信してもいいでしょう。動画だった YouTubeですね。他の音声プラットフォームは微妙ですが。

よくある声「怪しい人しかいない、駄目だこれ」に対しての雑感

あと、よく見かけるのですが「怪しい人多い」「ル○ワール状態だ」という声です。確かに、目立ちますよね。

ただ、それは別にClubhouseのせいではないですね。

怪しい人って言うと、ネット上であまり評判が良くなかったり、情報商材でいろいろやった人とか、その他「ちょっとどうなんだろうね」みたいに言われてる人飛びついてきているというか、やってますよね。

そういう人が目立つ理由は、新しいサービスに対しての初動が早いからです。本能的に速い。また、先行者利益にかなり敏感なところがあります。

最初に入っていろいろ行動した方が、例えばその見栄えがするフォロワー数の多さみたいなのも獲得できます。また、やっていることを公表すれば既存ファンが入ってきますし、もしこれが当たれば、予言者的なレベルが上がります。なので、とりあえずやるんですよ彼らは。

また、目立つような行動に長けているので、自然に目に入ってくるんです。

邪推する人は、インフルエンサーを優先的に招待してるんじゃないかとか、どっかの代理店が入ってるだろう、などと言いますが、私の感覚値としては、無いと思います。相関関係はあるんでしょう、という感じです。

また、収益化の目処がつかなければ、1ヶ月ぐらいでいなくなっちゃうんじゃないかと思います。特にバックの仕組みが薄い人は。手厚く組まれている人は露出増やすだけで売上作れるので、残るかもしれません。収益化無理にやらずに。

ただ、ただ、これは皆さん気をつけていただきたいんですけども、やっぱりですね参加者が限られていてしかも音声っていうですね、絶妙なところなんですよね。

ただ、音声の持つ危険性は押さえておくべき

あの映像より音声の方が、これ過去のポッドキャストで喋っているんですけれども、音声は本能的な部分に問いかけ、アクセスしやすいんです。

映像って情報量が多いんでちょっと引いてみるんですよね。また、映像は加工できない部分も大きいので騙しが聞きづらいところがあります。

ただ音声は、野球中継はラジオだよねという層が一定あったように(私もですが)、その内容から想像を自然と創発させるんですよね。自分の中で作られた印象は、なかなか否定できません。また、声と音だけですから、要素が少ないためいろいろやりやすい。

なのでこれは、日本だけではなくて、海外でも危惧されていることなのですが…

急進的な集団を作るのに、信者ビジネスに、向いてるツールじゃないかと。そのように注意喚起がされているんです。

皆さん、クラブハウス始めるっていうことであればなるべくいろんなところに顔を出してですね、いろんな人の意見を聞くみたいなことをした方がいいと思います。

この人の話聞きたいからここに行くっていうよりは、これはクラブハウスの方の思想でもあるんですけども、ディスカバリーしようと。

自分たち自分が今まで知らなかったことを発見すると、そこに対してディスカバリーする先の繋がったら面白い人みたいな人をどんどんフォローしていって自分の世界を広げていく。

そんな感じでやっていった方がいいと思うんで、誰か特定の人の話だけを聞きたいからクラブハウスに行く、というのは現状あんまりよくないんじゃないかなと思います。

芸能人の方結構入ってきてるんで、その人たちの話を聞きたいが入り口で良いと思います。ただ、そこからさらに芸能人の方の周辺の人たちをフォローして、その人たちが何か話してるとこがあったら聞きに行ってみるとか。

そういうことをすると、多分普通ではたどり着くことができない生の声をたくさん聞くことができる。そういう使い方がいいと思うんですよね。私もそんな感じでやっています。

聞いたことない人の話とか、普通だったらそんなに見えないような、ちっちゃなお店の人…だけどもすごい興味深いご経験をなさっている人の話とか、あとビジネスとかも普通なかなか接することができない業界の人の悩みとか、いろんなものを聞くことができる。

終わりに

ということで今回クラブハウスっていうものをですねザクザクと説明させてもらったんですけど私としてはラジオ文化好きなんで、聞いてるだけで全然楽しいんで、すごく好きです。

普段聞けないような業界の話とか聞けて、あと幸い私は仕事しながらイヤホンで音を聞くっていうこと等に対して別に会社として問題ない状況にありますし、また話すにしても、またタイミングが合えば話す会話に参加することはできると思うんで、いいんですけどもできない人もいますよね。なので無理にやることはないと思っています。

招待制が解除されてから入っても十分いいんじゃないかなと思います。

繰り返しますがビジネスに使うのはちょっと難しいです。

もしよろしければ、Clubhouseで、また私のフルネーム(中山陽平)あるいはIDのb_goneで検索をしていただくと、中山陽平出てくると思うのでフォローしていただければうれしいです。トークも誘って下さい。

では、最後までお聞きいただきましてありがとうございました。

ラウンドナップ・Webコンサルティングの中山がお送りしました。また次回もよろしくおねがいします。


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中山 陽平

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