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今回は、2017年4月末に発表された中小企業白書・小規模企業白書について解説します。(前編)
経済産業省が発表している『2017年版中小企業白書・小規模企業白書』は、書籍としても買えるのですが、経済産業省のサイト上で、PDFで見ることができます。
無料で公開していいのかというような情報が詰まっていますので、中小企業・小規模企業の方はもちろん、それをサポートする方もぜひご覧になってみてください。
「2017年版 中小企業白書」「2017年版 小規模企業白書」等で検索していただくと、経済産業省のページが開いて、そこからダウンロードできるようになっています。資料全体のダウンロード先は中小企業庁のほうになります。
全文をダウンロードして見るというのは結構大変です。経済産業省のほうに『要約』という重要な部分がまとめられたものがありますので、まずはこれを見ていただくと良いと思います。
今回は、『要約』の中から、7つ書いてある項目のうちの、一番最初の2つについて解説していきます。
7つの項目を先に読み上げておきますと、
2017年版白書のテーマ:中小企業のライフサイクル
開廃業等による企業数及び従業者数の変化
ライフサイクルと中小企業の生産性の関係
起業・創業
事業の承継・M&A、撤退
新事業展開/売上拡大の取組
人材不足への対応/多様な人材、外部リソース活用の取組
となっています。
それでは、メインテーマである「中小企業のライフサイクル」というところから解説していきましょう。
2017年問題がひきおこす中小企業の危機
事業承継する人がいないという問題は今に始まったことではないですね。この問題についてはメルマガにも書きました。
2016年・2017年は団塊の世代の人がどんどん年齢的に一線から退いていくタイミングになっています。その段階で企業は事業承継やM&Aをしてどこかに引き取ってもらうということが決まっていなければ、倒産または廃業していくしかないという危機を迎えています。
同時に、同じタイミングで新しく就業可能になる人口が減っていることもあって、人材という部分で日本全体が苦労する時期に入っています。
大企業・中堅企業は人材に苦労していない
とはいえ、人材について、すべての企業で足りていないかというとそんなことはありません。
これはもう2017年よりもっと前、5年以上前から傾向としては出ています。募集した求人に対してどれだけ反応するか、自分の会社は人材が足りているかという「人材の充足率」を調べると、大企業はそこそこ大丈夫なんですね。
充足率も120%いっていたりして、足りていないということはない・むしろちょっと余っているかなというぐらいの状況がずっと続いています。
足りていないのは、やはり小規模・中規模の企業です。中堅企業となると、人材としてはそんなに苦労していないというのが実際の状況です。
つまり市場にいる人材というものが、大企業や中堅企業に集まってきていて、なかなか中小のところに降りてこないというのがデータとしてでています。
ここ10年変わらない、小規模企業の人材不足
例えば2005年の3月卒の従業員別・規模別の充足率を見ますと、大企業(従業員数1000人以上)は充足率120%を超えています。100人欲しいといって募集を出したら120人集まる、ということですね。
それに対して従業員数29人以下という小さい企業の充足率は41.8%。約3分の1です。10人欲しã