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今回の内容について
今回は、予想外という言葉に対するイメージを変えなければならない、という内容です。
予想外・予想以上、この2つは大きく違います。似ている言葉ですが大きく違います。マーケティング的にもとても大事な違いです。
では、それは何でしょうかそしてどう使って行けばよいでしょうか。
詳しくはPodcastをお聞き下さい。
書き起こし・Shownote
目次
概要
台風が関東直撃ですかね。外は朝起きたら大変なことになっています。夜は随分な大きな音の雨で、うちの臆病な犬もかなり怖がっていました。いろいろ被害に遭われた方、場所によっては避難されているる方もいらっしゃると思います。
午前中もダイヤが荒れていたので 気分が悪くなった方もいらっしゃるでしょう。みなさん大丈夫ですかね、ちょっと心配です。ご無理なくやって頂ければと思います。
経営者の方々は、こういうときには無理のないような出勤形態を取れる体制を整えておくといいんじゃないでしょうか。
今日なんか特に、車が動かないとか、高速が止まった関係で下道がパンパンだったらしいんですけど、こういった予想外の出来事は、日頃からたくさん起きています。
この予想外っていうのは、人間にとって非常にストレスなんですよね。
今回はその「予想外」をマーケティング的に捉えるとどうなるのかな?というところをお伝えします。
「予想外」は中小企業向きではない
結構、この「予想外」という言葉に対して、ポジティブな意味づけをしているケースって多いんですね。
モノを売れというときに、「お客さんの予想をはるかに超えるようなものを出してあげよう」とか、「予想をもしていなかったことで驚かせてそれでお客さんを連れてこよう」とか、そういうふうにポジティブな方向性で使われることが多いです。
けれども、基本的にお客さんの「予想外」は、言い換えるとお客さんの頭の中の外にある新規ものです。
それはスケール面でもそうかもしれませんし、商品のカテゴリーっていうところかもしれないんですけれども、この podcast のメインターゲットとしている中小企業の方々は、基本的に避けた方がいいです。
そういう切り口で商品を作ったりサービスを作っていくっていうのは、避けた方が良いです。
これは結構昔から経営、マーケティング周りで言われることではあるんですよね。
いわゆる、誰もが思いつかなかったようなアイディア商品とかそういったものは、中小企業はやってはいけない。これは、私がいくつかの経営者の方々の教材を聞いたり読んだりして書いてあったことです。
それはやっぱりその通りだと思います。
「選ぶのが楽しい」の誤解
なんでかというと、お客さんは、自分がこれを買おう、これにしようという選択を喜んでやっているわけではないからです。
昔であれば、「あれやこれや比較検討してどれがいいかなって悩んでるときが一番楽しいよね」なんて言いましたけど、あくまでそれは、個人の趣味とかそういう話です。
重要な決定をしなければいけないBtoBや、金額が高いものの場合、コンシェルジュ的に、自分にとって一番いいものを提示してもらえるのが、一番嬉しいんですよね。
もちろん何の説明もなく、「あなたにとってはこれが一番良いです」と言われたところで、それは納得ができないですよね。
なんでかっていうと、人間が自分にとって一番良いものだと思うためには、それを納得するプロセスが必要で、納得できる理由と共に提示されないと、それは受け入れられないですよね。
コンシェルジュサービスに電話して、「この商品がいいです」そうパンッと言われたところで「そうなの?」っていうことになってしまうんですよね。
だからそういうサービスは、「こういう条件でこういうことがこうなっているから、これがいいと思いますよ」という形になっていますね。
自分が納得できる理由が見つからない中での選択はストレス
そういうふうに、自分が納得できる理由をちゃんと見つけないと選択ができないです。
もちろん大勢の人々が選択の意思決定に関わるようなケースであれば、そこに対してのプレゼンテーションは、説明稟議書みたいなものがあるわけですから、出来るだけそこをちゃんと、スルスルスルッと通過できるようにしていかなければいけないわけです。
さっきの話の、予想外商品とか、あるいはアイデア商品みたいな新規ものは、そもそもそれがいったいどういうふうに役に立って、既存の何に対して価値を提供して、そして既存商品とどのように比較したらいいのかっていうのが、お客さんとしては全然分からないんですよね。
その時にわかりやすい商品、そのお客さん自身がもともとこういうサービスでこういうものだよねっていう軸の中、お客さんの世界の中で、優れているものとかそういう要素を出しているものがあれば、そっちの方を確実に選んでいきます。
いきなり予想外のものをぶつけて売ろうというのは、中小企業では厳しいです。これは大企業さんの仕事なのです。テレビCMやメディアをたくさん使う、既存の有名人に使ってもらうということを一度にやって、既存の習慣、考え方、雰囲気の形成を一度にできるような会社がやっていい手法です。
それ以外の会社は、自分たちがもしそれをやろうと思っているところを大企業がやろうと思っているなら、そこに先に認知を広げてもらい、その隙間で自分たちの動ける範囲でできる細かい市場を取っていくという戦略のほうが良いですし、一般的です。
まずは顧客の予想範囲内から
とは言え、自社が開発して考えたりして、これは納得してもらえればすごいぞというものに出会うこともあるでしょう。そういうものが世界を変えていくことになる。
中小企業の方々が発想するものは、同じ中小企業の方々に特に役立つケースも多いので、そういうサービスや製品が現れてほしいと、いち中小企業である私も思います。
ではその時にどうすればスムーズに離陸できるのでしょうか。まずお客様の頭の中にある予想範囲内で伝えるところから始めることをお勧めします。例えばとんでもない特徴があったとしたら、まず一度そこは伏せておいて、お客様が納得できるギリギリのラインを攻めて興味をひきます。
そこで興味をひいてお客様が心を開いていく段階、興味を持ってくれる段階になって少しずつはみ出させていきます。お客様が全体量を理解するまでの負荷をフロントに一度に持ってくるのではなく、できるだけお客様が許容できる範囲での最大量を小出しにしていきます。
基本的には新規ものの商品開発でも何でも、まずは既存カテゴリーでやっていかなくては厳しいです。その中で一部の既存客の中でパイロット的に新規ものを使ってもらって、その人たちを巻き込みながら新しいカテゴリーを作っていくという発想はアリです。しかし、基本的には予想外のものは難しいと考えてください。
選択すること=つらいものという前提を持つ
人間が選択すること自体をつらいものだと考えないと、どんなものでもなかなか売れません。今選ぶことはものすごく大変なのです。
選ぶことに対してのストレス値が上がれば上がるほど、今欲しくて探していた人も選択を見送ってしまう傾向があります。
なかなか売れない時、あるいはお客様が検討から問い合わせまでのスパンがだんだん伸びているケースでは、皆さんのサービス商品と似ているものがたくさんあって、どちらが自分に合うのかどんどん判断しづらくなっています。
判断に必要な情報を自分で集めるのが大変になっているというケースが多いです。当然競合他社は先行している会社の見せ方とか、サービスの内容に対して追従してきますし、それを越えるようにしていきます。これはどうしても後発の強みとしてあります。これが増えていくと、どんどんわけが分からなくなっていきます。
お客さんの心の荷を降ろす
もしそういう傾向があるのなら、一度3C分析をしてみましょう。お客様が何で悩んでいるのか、何を検討しているのかという生の声を聞いてみましょう。
また、競合他社がどういう売り方や切り口でものを売っているのかを調べます。これはHPもそうですし、実店舗系の商売ならできれば現地に行ってみて、のぼりや説明資料を比較してみます。
そうすると自分の生活に必要不可欠な商品でない限り、どんどん決定を先延ばしにしてなかなか契約に至らないと気づけると思います。
今はどんなものを調べるにしても、とにかく自分に合う最適なものを見つけることが大変です。これを避けるためにはきちんとペルソナを設定して、フレームワークで分析してと言われます。
もちろんそれもそうですが、それ以上にお客様が選択しやすくするための材料を自分たちでどれくらい用意してあげているかということのほうが、個人的には大事だという印象があります。
選び方のようなコンテンツを作るのはいかにもな感じになってしまいますし、うまいこと自社のことを1位にするのだろうと思われてしまいます。
そうではなく、客観的な情報を元にした、こういう人にはこれが良いですよとか、こういう人は他のところが良いですよというものを出すのが良いと思います。
経営者の方々からはお盆の時期にいろいろなことを考えてご相談をいただくのですが、少なくない割合で
- どうやってこれはお客様に価値を分かってもらうのか?
- 既存のどんな商品と競合になるのか?
- お客様はどういう基準で選んだらいいか直感的に分かるのか?
というところをクリアできていないケースが多いです。クリアできないまま出すとお客様は困惑してしまい、そもそも検討対象に入れないか、対象から除外してしまいます。
特に新しいもの、打ち出しを変えるという場合には、予想外という言葉はネガティブに捉えましょう。
お客様の予想の中でいかに引っ張り上げていくかという流れで、いろいろなキャッチ、コンテンツ、セールストークを組み上げていくと良いでしょう。