ホーム » podcasts » コンテンツ作成 » 第514回:情報過多の時代を勝ち抜く為の手法”擬似的パーソナライゼーション”

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内容について

本日のテーマはウェブマーケティングやデジタルマーケティングについてです。顧客は膨大な情報の中から自分に必要な情報を素早く見つけ出したいと考えるようになっています。しかし現実的にそれが難しいことも体感しています。

ユーザーの行動は、コロナ禍を経て大きく変化しました。じっくり比較検討するのではなく、信頼できると感じた先へすぐに相談する傾向が強まっています。このスピード感に対応するには、個々のユーザーに最適化された情報提供が鍵となります。

とは言え売り手側としてはメッセージを伝えたい、その時ポイントとなる要素の1つが「パーソナライズされたユーザーエクスペリエンス」 現状の技術では、完全なパーソナライゼーションは難しいが、広告やチャットボットなどの活用によって擬似的なパーソナライゼーションを実現する方向に向かうことが重要です。

現時点ではまだまだ技術発展が追いついていませんが、一部ではコンテンツをパーソナライズして出す仕組みなども出始めています。また、広告のクリエイティブはこの辺りは既に実装されています。

TOPICS

  1. マーケティングの手法の変化について

  2. 顧客のニーズの変化とパーソナライズされたユーザーエクスペリエンスの重要性

  3. パーソナライゼーションの擬似的実現について

  4. チャットボットのアプローチとAI化の進め方

  5. ワンツーワンマーケティング実現のための技術

  6. マーケティング手法の変遷と今後の展望

このPodcastが解決できる内容

Q1: なぜ最近、Webサイトの成果が上がりにくくなったのでしょうか。
A1: 一概には言えませんが、顧客が処理しきれないほどの情報に囲まれていると言う変化に対応できていないかもしれません。自分に直接関係のない情報を避け、よりパーソナライズされた、分かりやすい情報提供を求める傾向が強まっています。従来の画一的な情報発信では、顧客の注意を引くことが難しくなっています。
Q2: 顧客が求めている「パーソナライゼーション」とは具体的に何ですか。
A2: 顧客一人ひとりの状況や関心に合わせて、表示する情報やメッセージを最適化することです。例えば、訪問者の閲覧履歴に応じて推奨コンテンツを変えたり、チャットで質問に即座に答えたりするなど、まるで一対一で接客されているかのような体験を指します。
Q3: 中小企業でもすぐに始められるパーソナライゼーション施策はありますか。
A3: 「チャットボット」の導入が現実的な第一歩です。特に、あらかじめ対話の流れを決めておく「シナリオ型」は、比較的安価に導入できます。顧客がどのような情報を求めているのかを知る貴重なデータ蓄積にも繋がり、将来的なAI活用への布石となります。
Q4: チャットボットにはAI型とシナリオ型がありますが、どちらから始めるべきですか。
A4: まずは「シナリオ型」から始めることが推奨されます。自社で顧客との対話フローを考えるプロセスそのものが、顧客理解を深め、ナレッジを蓄積するために非常に重要だからです。この蓄積がなければ、AI型を導入しても効果的なチューニングは困難です。
Q5: 今後、Webマーケティングで成功するために最も重要なことは何ですか。
A5: 「擬似的なワン・トゥー・ワン・マーケティング」をいかにデジタル上で実現できるか、という視点です。新しいツールを試したり、顧客の行動を分析して対話フローを考えたりと、試行錯誤を続けることが重要です。その積み重ねが、将来の大きな差に繋がります。

配信内容の詳細

Webマーケティングは「ひとめぐり」して原点回帰へ

Webマーケティング、あるいはマーケティング全般の潮流が、一周回って原点に戻りつつあるように感じられます。かつてマスマーケティングが主流だった時代から、より個々に寄り添う形へと進化してきました。

現代の多くのマーケティングツールは、見込み客を育成し、最終的なアクションに繋げるファネル型の考え方を前提としています。これはマスの中から、自社に合う顧客をいかに効率的に見つけるかという思想に基づいています。

しかし、この流れが再び変化し、かつての訪問営業のように、最初から「一対一」で考えるマーケティングへと進みつつあります。この背景には、顧客の大きな変化が存在します。

顧客が求める「究極のパーソナライゼーション」

情報過多によるユーザー行動の変化

現代の顧客は、あまりにも多くの情報に囲まれています。そのため、自分に直接関係のない情報や、意思決定に不要な要素は、むしろ見たくないと感じるようになっています。

この傾向は、特にコロナ禍の前後で顕著になりました。ユーザーの行動は以下のように変化しています。

  • 以前の行動: 複数のサイトをじっくり比較検討し、最後に確信を得るために問い合わせる。
  • 現在の行動: 主要な候補を見つけたら、すぐに問い合わせる。あるいは資料請求で判断する。

これは、膨大な情報から必要なものを探す作業を、顧客が「やりたくない仕事」だと感じていることの表れです。つまり、企業側が最適な情報を提供するという体験(UX)が求められています。

旧来手法の限界とこれからのウェブサイト

このような顧客の変化に対し、従来の画一的なコンテンツマーケティング手法は無力に近くなっています。今後3年から5年で目指すべきは「究極のパーソナライゼーション」です。

理想は、人間が直接行うような接客対応を、ウェブサイトの全ての訪問者に対して行うことです。しかし、現在の技術では、これを完全に実現するのは困難です。

パーソナライゼーションを実現する具体的なアプローチ

先行する広告分野のAI活用

広告(Ad)の分野では、AI活用によるパーソナライゼーションが最も進んでいます。例えばGoogleのP-MAXなどは、機械学習を用いています。

説明文、画像、リンク先などを訪問者に合わせて組み合わせ、最適な広告を自動で生成します。ランディングページ先も自動的に最適な物を指定してくれます。このように、広告は「個」への対応を重視してかなり昔から走り出しています。

コンテンツ分野での現状と、今から始められること

一方、SEOなどが主戦場となるコンテンツ分野では、パーソナライゼーションはまだ発展途上です。しかし、顧客がそれを求めている以上、この流れは加速するでしょう。

そこで、今からでも始められる有効な手段として「チャットボット」の活用が挙げられます。

チャットボットの種類 特徴と推奨する理由
シナリオ型 あらかじめ設定した対話の流れに沿って案内する。まずはここから始めることを推奨。顧客の思考プロセスを整理し、対話のナレッジを蓄積することが重要。
AI型 AIが文脈を理解して自動で回答する。効果的に使うには、シナリオ型で蓄積したデータに基づくファインチューニングが不可欠。

チャットボットは、まだ多くのユーザーに使われているとは言えません。しかし、探す手間を省ける利便性が一度体験されれば、普及は加速する可能性があります。

3年後、5年後を見据えた準備の重要性

パラダイムシフトへの備え

これからのマーケティングは、一つのコンテンツで多くの人を導くモデルから、多様なコンテンツを個々の顧客に最適に組み合わせて導くモデルへと移行します。これは大きなパラダイムシフトです。

この変化に備えるため、今から準備を始めることが極めて重要です。

  1. 顧客の思考フローを整理する: 顧客がどのような疑問を持ち、どういう順序で情報を求めるのかをフローチャートなどにまとめる。
  2. 小さな試行錯誤を続ける: 安価なツールでも良いので、パーソナライゼーションに繋がりそうな施策を試してみる。
  3. 審美眼を養う: 普段から試行錯誤を重ねることで、本当に優れたツールや手法が登場した際に、即座にその価値を判断し、導入できるようになる。

「良いものが出たらやろう」という姿勢では、いざその時が来ても動けません。今から顧客と向き合い、対話のデータを蓄積していくことが、未来の競争優位性に直結します。

続きはPodcastでお聞き下さい。

#コンテンツマーケティング
#ユーザーエクスペリエンス(UX)
#デジタルマーケティング

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