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[質問箱]ウェブ系資格・認定は実際に意味がある?発注者・受注者両面から正直に考えるウェブ業界の「資格」への付き合い方について

ウェブ資格は民間資格がたくさんあります。その中で、情報処理などのいわゆるIT系は除き(分からないため)、いわゆるWebマーケティングに関わる資格や認定について、その意義や価値を、現場から正直な感想としてお伝えします。

また、依頼する側の発注者は資格所持ということをアピールされた際にどう捉えるべきか、また、資格取得や認定を検討している方は、それが自分に意義がある形にできるのか、について、フリーランスを経て法人化した自分の経験も含めてお伝えしています。

※特定の資格に対する意見などではありません(念のため)

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書き起こし

今回は、Web の業界に関する様々な資格に対しての考え方、向き合い方についてお話します。

皆さんがWeb の会社に依頼する際、資格云々について言われたときに、それをどう考えれば良いかというところもありますね。または、Web 関係の方であれば、自分のスキルアップであったり、あるいは社員やスタッフのスキルアップのために資格というものがどうなのか、というところですね。

逆に、事業会社の方々が、これからWebに関してがんばっていきたいから、資格を取るというのはどうなんですかね?というところも聞かれます。

それについて「こういうふうにしていったらいいんじゃないですか」ということを、今回お伝えします。非常に難しい問題です。

システム系の資格とWeb系の資格は違うと思います

まず、Web と IT を分けて考えていただきたいです。今回はWeb系の話です。

IT というかシステムですね。システム系の資格って独特ですし、例えば情報処理関係で言うと国家資格ですから、これに関しては別枠ですし、私はよくわからないので、そこは詳しい方に聞いてください。かなり違う世界だと思います。

それはちゃんとした歴史があるということもありますし、システム関係で言うと知っているっていうこと自体が価値になることもあります。足切りという意味で様々な資格があったりもするので、そういう 観点で、例えば情報処理系の資格がどうなのかは考えないといけません。

あとはそれぞれのベンダーさんごとにいろんな資格があります。シスコとかAmazon AWSとか、そういったものに関してさまざまな資格がありますので、それに関してはちょっとわからないです。

これからお話する内容は、システム系の話ではなくて、いわゆるマーケティングとかセールス、ブランディング、そういうWeb の資格ですね。システムというよりは販促を中心とした世界に関して、さまざまな資格やサーティフィケーション、認定みたいなものがあります。

これについてどういうふうに考えていけばいいのかなというのが、今回は動画の趣旨になります。

資格を取ると仕事が増える・・・?

私も資格をもっています。例えば google アナリティクスの最初のサーティフィケーションが始まった時、おそらく日本で相当早い段階で、オンラインの試験を受けて合格しています。当時は英語しかなかったですね。

何故、試験を受けたかというと、お正月の前後くらいに発表されて、その時私、インフルエンザにかかっていて、何もすることがなかったんです。

インフルエンザのなかで、なぜか集中力がでてweb テストを受けてなんとか受かりました(笑)

そのあたりにAdwordsとかGoogle系の資格がどんどん増えていったわけなんですけど、それらも取ってきましたし、それ以外にも、名前は出さないですけれども、資格によっては、一番上のレベルを取得したりしています。

ただ現在、その資格について、名刺や自分の略歴には書いていることもありますが、ホームページのどこかにそのサーティフィケーションを受けているよみたいなことを出しているかというと、一切、出していないんですね。

それがその答えです。あんまり自分・自社の営業に対してのインパクトが無かったんです。

資格を取ること自体に、そんなに大きな意味はないと考えることをおすすめします。

資格を取った瞬間に、

  • 何らかの業務が取れる
  • 資格を持っている人っていうのは一定のこういうレベル感があるだろう

と相手企業に感じてもらうことを期待しない方が良いです。

それによって何かのレベル感を測ったりとか、あるいは自分のレベルが世間に保障されるっていうような考え方を持つのは、やめたほうがいいです。

通用しないからです。

企業側はその資格があることすら知らない

昔は、そこそこの規模の企業で、いわゆる web の資格についても知っているような方々は、「あぁ、そういう資格持ってるんだったら、こんな感じのはカバーできてるのかな」という風に解釈してくれました。

でもあまりに取っている人が増えてしまったり、上の母体のところが実はそんなにケアをしていなかったりとか、いろんな事情があって、私もいわゆる大企業に直で入るということはうちのターゲットとずれるのでほとんどないんですけど、話を伺ったりすると、基礎体力として取ることはあっても、それによって決めることはまず考えられてないよね、っていう言い方をされます。

うちのメインのお客さんである中小企業の方々に至っては、知らないです。有名な、Web 系の資格って言ったらこれだよね、っていうようなレベル感の物って全然ないんですね。

資格としての認知や周知の活動が全く徹底されていないので、それによって採用を決めるっていうことが、基本的にないですね。

私が上までいった資格、すでにその資格を私は捨てているんですけれども、それであっても、「はぁそうなんですか」というような反応でした。

企業は資格より経験を重視する

とにかくお伝えしたいのは、それによってスキルアップをしたいとか、あるいは社員教育をしたい、会社としての競争力をつけたいという考え方は、結果として成功に終わらないのでやめたほうがいいです。

それが何人いようと、それで決めようかっていう企業は今ほぼないという風に考えてもらった方が良いです。

説明するときに、「こういう資格を持っているからこうなんです」と説明したら、「あぁそうなんだ」ってわかってもらえるところを狙うしかないですね。

基本的に、ビジネスに関して「これだけ勉強しました」といってそれに対して「じゃあやらせてみようか」って思うような人は、特に中小企業には、なかなかいないですね。

叩き上げとか、現場の経験とか、実務経験とかを重視するので、「勉強しました」というとことに価値をあまり置かないですしね。

実際に現場に出てどう動けるかとか、生々しい様々な経験の方が絶対に活きてきます。教科書読んで勉強して何かわかったのか、というと、あまり聞かないなというのが正直なところです。

ですので、まずそういう考え方を持っているとしたら、それを捨てたほうがいいです。それがスタート地点ですね。

資格との上手なつきあい方

じゃあ、そういうふうにディスって終わりなのかというとそういうわけではなくて、資格とがそれに関してどういう風に接していけばいいのかということですね。

私は資格には価値はあると思っています。どういう価値でしょうか。

webの世界っていうのは、あまりにも範囲が広いんですね。 web っていうものをとっぱらってしまったらリアルの営業とかマーケティングとかPRとか、全部含んでくるわけですね。

それに関して最初の一歩を踏み出す、あるいは自分の知らない部分や足りない部分を知る
ために全体を見回していく、知っていくあるいは自分の知らない分野に関して、どうやって最初の勉強方法を築いていこうかっていうところ。それはとても難しい問題です。

ある程度自分の中では分かってきて、このへんを把握していけば次のステップに進めるんだなとか、レベルアップに繋がるんだなってことがわかってくると、どんどん加速していくんですけど、何でも0から1にするのが難しいんですね。

そこに関して、特に歴史ある資格や、Googleの資格であれば自分たちのプロダクトですから、こういうところを押さえておいた方がいいですよっていうことを、ちゃんと取り揃えてくれているわけです。

そうするとそこをまず勉強して、よくわからないこともあるし、これがどう役に立つのか
分からないけれども、まずそこから行ってみようかっていうことで、薄く広く知ることができます。

そういう自分のスキルアップの一つの手段として使う。

結果として、即座に案件云々っていうことではなくて、自分のスキルアップとかこれからのキャリアパスを考えたときに、じゃあまずこの資格を教材としてやってみて、その上で次の世界に行くわけです。

何か知れば新しい世界が見えてくるので、そこでじゃあ次に何をするかというのを決めて
いこうと。そんな感じで教材として捉えてもらうのがいいですね。

スキルアップのきっかけとして資格を活かす

恐らくこういう考え方は Webの世界だけではないと思います。

別にWeb のいろんなところがダメだと言いたいとか、そういう趣旨の動画ではなくて、弁護士さんやお医者さんなどを除けば、あまねくほとんどの教養系の資格で同じなのではないでしょうか。

なので、「Web系の資格を取ったほうがいいんでしょうか、取らない方がいいんでしょうか」って言われたら、私としては、「教科書なりカリキュラムを見て、自分が知らないことがあるなと感じて、それに関して知ってみたいなと思うんだったら、教材としてやってみたらいかがですか?ただそれ以上の事は、あまり期待しない方が良いですよ」と回答をしています。

また、フリーランスの方なんかはそうですけれども「これ取ったら仕事くるようになりますか?」って言ったら、「まずそれはないです」と回答します。

ただ、特に google 系の資格なんかそうなんですけど、知ってなきゃいけない知識が詰め込まれているので、学習効率は非常にいいです。

そういう観点で、スキルアップして、わかりやすい実績を作るきっかけにしていく、という方向がいいですね。

資格をアピールしてくる会社を採用するべき?

逆に、それを営業されている会社さんが、「こういうところをアピールポイントとして紹介してきてるんだけど、これのなかでどこがいいでしょうか」っていうような質問も、うちのコンサルティングの中では受けています。

その場合にも、資格を持っていること自体を押してくる会社は基本的にやめたほうがいいですとお伝えしています。

なぜかというと、まともな会社であれば、それによって自分たちが何ができるかっていう、その先のことをちゃんとアピールしてくるはずなんです。

資格を持っていること自体をアピールしてくる時点で、ビジネス的に微妙だなぁっていう
ところがあるんですよね。

ということで、資格に関しては、資格そのものに対して何か強い武器を持ったみたいな考え方をするのは、やめましょう。

自分が成長していく、あるいは相手の会社を見極める一つの材料として使っていく。そういう形で触れていくと幸せになれるんじゃないでしょうか。

どこがどうだっていう話はすべてではないですし、動画自体を見ているタイミングも皆さん違うと思います。その時その時でどんな資格が世の中にあるのか、既存の資格がどういう進化を遂げているのかわからないので、一般論として、こういう考え方をしてもらえばいいと思います。

将来、もしかしたらデジタルマーケティングの世界に何か公的な資格ができるかもしれないです。それによって何が変わってくるかわかりませんけど、それはその時その時に、同じような考え方でやっていっていただければいいですね。

ということで、聞く人によっては煮え切らない話かもしれないですけれども、資格は勉強する教材としてとらえてみてください。

コミュニケーションの手段としても

あとは、資格にしても、ある団体やグループに入るにしても、そこの中の人とコミュニケーションを取りたいとか知り合いになりたいとかそういう場合は早道ではあるので、そういう戦略的な人脈の構築のために入るのはありかなと考えます。それもまたひとつの付加価値ですね。

例えばその協会のトップの人をすごく尊敬していて、その考え方に触れてみたいという時の早道としては、その人が理事をしているんだったらそこに入ってみてもいいでしょう。

資格は、期待しすぎずうまく使う。そう考えてみてください。

資格は本当にピンキリで、ちゃんとやっているけれども認知されていないというところがあれば、これって資格ビジネスだよねっていうようなところもありますので・・・まぁ、自分の過程として使っていただくといいんじゃないかなと思います。

それでは本日の配信は以上です。


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中山 陽平

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