ホーム » podcasts » Web・IT人材育成 » 第538回:Webマーケティング予算の壁…専門家が語る、中小企業のための現実的な乗り越え方

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内容について

本日のポッドキャストでは、企業がウェブマーケティングを始める際に直面する「予算確保の難しさ」についてお話しします。

Webマーケティングの予算確保が難しい理由は、資金不足だけではありません。社内にWeb活用の重要性が浸透していないケースも多いです。今回は、そのような状況で担当者が取るべき行動を深掘りします。社内へのプレゼンを意識した活動、期待値のコントロール、そして伴走してくれるパートナー選びの重要性について、現場の視点からお話しします。

ウェブマーケティングを成功させるための第一歩として、どのようにして会社の目を向けさせるか、そして持続可能な形で成果を出すための方法を具体的に解説します。ぜひ最後までお聞きください。

  • ウェブマーケティングの予算確保が難しい理由とは?
  • 無理に予算を取ることのリスクとは?
  • 予算が少ない場合の効果的な戦略とは?
  • ウェブマーケティングで即座に成果を出す難しさとは?
  • パートナー選びのポイントとは?
  • ウェブマーケティング後発故の逆風とその対策とは?

このPodcastが解決できるFAQ

Q1. Webマーケティングを始めたいのですが、社内で予算の確保が難しいです。どうすれば良いでしょうか。
A1. まずは大きな成果を目指すのではなく、少額の予算や人件費のみで「見える結果」を出すことを目指しましょう。例えば、簡単なWebサイト改善による問い合わせの変化や、特定のキーワードでの検索順位上昇など、Webに詳しくない人にも変化がわかる実績を作ることで、社内の理解と協力を得やすくなります。
Q2. 会社にお金がないわけではないのですが、Webへの投資に理解がありません。どう説得すれば良いですか。
A2. 期待値のコントロールが重要です。大きな成果を約束して多額の予算を要求するのではなく、まずは現実的な目標を立て、ミニマムな予算でスタートすることを提案しましょう。小さな成功体験を積み重ねることで、Web投資への信頼感を徐々に高めていくことが、継続的な活動に繋がります。
Q3. 予算が少ない中で、Web施策を自分中心で進めることになりました。何から手をつければ良いですか。
A3. まず1年後の理想の状態を描き、そこから逆算して今やるべきことを計画しましょう。最初は、アクセス解析のレポート提出や、競合サイトの動向調査といった、地道でも目に見える活動から始めるのがお勧めです。周りを巻き込み、活動の重要性を理解してもらうためのプレゼンだと捉えて進めましょう。
Q4. 予算が限られている場合、Web制作会社やコンサルタントなどのパートナーはどう選べば良いですか。
A4. 指示待ち(パッシブ)ではなく、状況を理解し、積極的に伴走してくれる(アクティブな)パートナーを選びましょう。小さな疑問にも気軽に答えてくれたり、予算内で可能な選択肢を一緒に考えてくれたりする関係性を築けるかどうかが、ミニマムスタートを成功させる鍵となります。
Q5. Webマーケティングは、今から始めても成果は出るのでしょうか。
A5. 成果を出すための難易度は年々上がっていますが、正しい手順で継続すれば成果は出せます。大切なのは、何もしなければ競合との差は開く一方だという現実を認識することです。待っていても状況は好転しないため、できる範囲から地固めを始めることが重要です。

配信内容の詳細

はじめに:Webマーケティングの「予算の壁」という課題

多くの企業、特に中小企業においてWebマーケティングを進める上で最初の壁となるのが「予算の確保」です。今回は、この予算確保が困難な状況をどう乗り越え、持続可能なWeb活用に繋げていくか。その現実的なアプローチについて解説します。

大前提:無理な予算確保は逆効果になる

まず心に留めておきたいのは、無理やり予算を確保することが必ずしも良い結果を生まないという点です。Web施策は継続できなければ意味がありません。一度の失敗が「Webはやはりダメだ」という社内の空気を決定づけ、二度目のチャンスを失うことにもなりかねません。焦りは禁物であり、持続可能な形でスタートすることが最も重要です。これはWeb活用が後発である企業ほど、慎重になるべきポイントです。

予算が確保できない、よくある2つのケース

予算が確保できない状況は、大きく2つのパターンに分けられます。

  • ケース1:本当に会社の資金に余裕がない
    創業期や小規模事業者の方など、事業規模としてWebマーケティングに年間100万円単位の予算を組むこと自体が難しいケースです。
  • ケース2:会社に資金はあるが、Webへの投資に理解がない
    既存の営業手法が確立しており、Webの重要性や効果に懐疑的な雰囲気があるケースです。全体予算から見れば少額でも、よくわからないものには投資したくない、という状況です。

しかし、どちらのケースであっても、最初に取るべきアプローチは共通しています。

解決策:社内理解を得るための「見える結果」を出す

最初の目的は「会社の目をこちらに向けさせる」こと

予算がない状況でまず目指すべきは、大きな売上やコンバージョンではありません。最初の目的は「社内の目をWebに向けさせ、活動の重要性を理解してもらう」ことです。そのために、Webに詳しくない人でも「何か変わった」「やると効果があるんだな」と分かるような、目に見える結果を出すことが重要になります。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • ウェブサイトのデザインを一部変更し、見栄えを良くする
  • 特定のキーワードで検索順位が上がったことを報告する
  • アクセス数が増えたことをグラフで見せる
  • 簡単な改善で、問い合わせが月に1件でも増えたことを共有する

これらは本質的な成果とは少し違うかもしれません。しかし、社内へのプレゼンテーションだと割り切り、まずは味方を増やすための活動と位置づけることが、次の一歩に繋がるのです。

担当者に求められるのは「巻き込む力」

このような状況では、担当者にはWebの専門知識以上に、周りを巻き込む企画力やプレゼン能力が求められます。経営者の方は、デジタルに詳しい人材だけでなく、熱意があり、社内調整が得意な人材を担当に任命することも検討してみましょう。

予算はあるが使えないケースの注意点:期待値のコントロール

社内に資金はあるもののWebへの理解がない、というケースでは、プレゼン次第で予算が取れることもあります。しかし、ここで注意すべきは「期待値のコントロール」です。大きな成果を約束して多額の予算を確保した場合、そのリターンへの期待値も非常に高くなります。Web施策はすぐに結果が出るとは限らず、関係者の協力も不可欠です。高すぎる期待に応えられず失敗すれば、そこでプロジェクトは終わってしまいます。

ここでも、まずはミニマムな予算で始め、現実的な目標を掲げることが賢明です。小さな成功を積み重ね、ROI(投資対効果)が見えてきた段階で、徐々に予算を拡大していくのが安全で確実な進め方です。

知っておくべきWeb業界の厳しい現実

これからWebマーケティングに取り組む上で、知っておくべき厳しい現実もあります。

現状 解説
人件費の高騰 Web業界のコストの大部分は人件費です。業界全体で人材不足と人件費が上昇しており、同じ品質を求めるなら、以前より高いコストがかかるのが実情です。
競争の激化 Webサイトを持つのが当たり前になり、プレイヤーが増え続けています。広告費はオークション形式で高騰し、先行している競合は多くの知見を蓄積しています。
補助金の減少 かつてホームページ制作などで活用できた補助金は、不正などの影響で要件が厳しくなり、使いづらくなっています。補助金を過度に期待するのは難しい状況です。

これらの状況から言えるのは、何もしなければ競合との差は開く一方で、時間は味方してくれないということです。一日でも早く、できることから始める必要があります。

まとめ:今すぐ地固めから始めよう

Webマーケティングの予算確保が難しい場合、ストレートに予算を要求するのではなく、まず予算が取れるような状況を作るための活動から始めましょう。

  1. 地固めをする:自分中心で、目に見える小さな結果を出すことに集中する。
  2. 社内の空気を変える:活動を報告し、Web活用の重要性を少しずつ浸透させる。
  3. 信頼できるパートナーを探す:状況を理解し、伴走してくれる専門家を見つける。

「隠れたお得情報」や、電話で営業してくるような安易な話に惑わされず、地に足のついた一歩を踏み出すことが、未来の成功へと繋がります。

続きはPodcastをご覧下さい。

#ウェブマーケティング #予算確保 #中小企業 #ビジネス戦略 #デジタルマーケティング

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