ホーム » podcasts » Web戦略(競争戦略) » 第558回: 顧客は”新規参入”をどう見ているか?知名度ゼロからのWeb戦略、新規事業で最初に考えるべきこと

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Podcastの概要

今回は知名度がない状態からネットで認知を広げる方法がテーマ。どうしても陥りがちな「Webにきっとあるはず、魔法のテクニック探し」は実際には、今は存在しないも同義です。

とにかくWebで販促していくという方向は、投資できる余力がたくさんある場合のみ。そうではなく、事業の根本にある商品・サービスの魅力を高め、顧客からのフィードバックを得る場としてWebをうまく活用するという使い方を軸とすることをおすすめします。特にローカルはそれがやりやすいです。

このPodcastが解決できるFAQ

Q1. 知名度が全くない状態から、ネットで認知してもらうにはまず何をすればよいですか?
A1. まず、自社が参入する市場の特性を顧客目線で分析することが重要です。新規参入への抵抗感は強いか、他社と比較されやすいかを見極め、自社の強みが活かせる「勝てる場所」を探すことから始めましょう。
Q2. 新規参入が難しい業界(高額商品など)では、どのようなWeb戦略が有効ですか?
A2. 真正面から戦うのではなく、見せ方を変えて別の商品としてアピールするなどの工夫が必要です。また、いきなり全国展開を目指すのではなく、地域に密着したローカルな活動で信頼を築き、地盤を固める戦略が有効な場合があります。
Q3. Web集客を成功させるために、テクニックよりも重要なことは何ですか?
A3. Web上のテクニックよりも、顧客に「選ばれる理由」となる商品・サービスの魅力そのものが重要です。Webは、その魅力を伝えたり、顧客からのフィードバックを得てサービスを改善したりするためのツールとして活用する視点が成功の鍵となります。
Q4. 予算や人員が限られている場合、Webでどうやって認知度を上げていけばよいですか?
A4. 限られたリソースを最大限に活かすため、戦う市場を絞り込むことが不可欠です。例えば、全国対象ではなくローカルに絞ることで競合が減り、Web以外の施策と組み合わせた効果的なアプローチが可能になります。
Q5. 新規事業を始める際、Webはどのように活用するのが最も効果的ですか?
A5. Webを単なる販売チャネルと捉えるのではなく、市場の反応を見るための「フィードバック装置」として活用することが効果的です。サイトのアクセス解析や広告の反応を見ることで、市場に受け入れられるサービス開発に繋げることができます。

配信内容の詳細

今回のテーマ:知名度ゼロからネットで認知を広げる方法

今回は、多くの経営者様やWeb担当者様からいただくご質問にお答えします。それは「知名度がゼロの状態から、どうやってネットで認知してもらえばいいか」というものです。新しく事業を始めたり、特定地域に進出したりする際に、誰もが直面する課題かと思います。この難しい問題について、どのように考えていけばよいかをお話しします。

まず考えるべき2つの戦略的視点

業種業界で細かく分けるときりがありません。そこで、大きく2つの軸で現状を整理することで、次の一歩が見えてきます。

視点1:顧客は「新規参入」をどう見ているか

まず、皆さんの業界のお客様が、新しい会社の参入をどう捉えるかを考えてみましょう。

  • プラスに働く業界:何か新しい風を求めている業界。
  • マイナスに働く業界:実績や継続性が信頼に直結する業界。
  • フラットな業界:特にプラスもマイナスも感じない業界。

特に高額商品やアフターサービスが重要な商材は、長く続けていること自体が信頼になります。住宅や車などが典型例です。もし自社が参入する市場が新規参入に抵抗感の強い場所であれば、見せ方を工夫する必要があります。

視点2:商品はどれだけ「比較検討」されやすいか

もう一つの軸は、比較検討のしやすさです。価格やスペックなど、数値で示せる定量的なサービスは比較されやすく、新規参入でも選ばれる可能性があります。一方で、化粧品のように効果効能を具体的にうたえない定性的な商品は、差別化が難しく、一般的に難易度が高くなります。

これらのお客様側の事情を踏まえ、自社の事業の難易度を客観的に把握することが第一歩です。

Web集客の前に考えるべき「勝てる場所」の見つけ方

難易度を把握し、戦略を立てる

もし自社の戦う市場の難易度が高いと判断した場合、どうすればよいでしょうか。理想を言えば「勝てるところを探す」という視点に切り替えることが望ましいです。マーケティングやセールス全体から考えると、以下の流れが理想的です。

  1. 自社の予算や人員などのリソースで参入すべき市場を特定する。
  2. その市場に向けて商品を開発・最適化する。

この手順を踏まないと、手詰まりになってしまう可能性が高まります。

Webは魔法の杖ではない

Webだから何か特別なテクニックがある、という時代は終わりました。最終的には、商品やサービスの魅力がすべてです。Webはその魅力を増幅させるための手段ですが、実態とのギャップが大きければ、リピーターはつきません。

ランチェスター戦略:小さなNo.1を目指す

理想は、まず勝てる場所を見つけることです。ランチェスター戦略のように「このターゲットの、このニーズに対してはNo.1」という領域を一つでも作ることが重要です。そこから事業を広げていく方が、成功の確率は高まります。

予算がない場合の具体的なアクション

戦う場所を間違えていないか?

「予算がないから」「人がいないから」という状況に陥った時、それは戦う場所を間違えているサインかもしれません。今のリソースで戦える場所に移動することを検討すべきです。どんなにお金をかけても、売れないものは売れません。

ローカル戦略の有効性

予算が限られている場合、全国を対象にするよりもローカル(地域)に絞る方が、現実的な選択肢となります。地域に絞れば、やれることは格段に増えます。

  • 地元のイベントへの協賛やボランティア活動
  • タウン誌への掲載
  • 地域内でのコラボレーション

こうした地道な活動は、特に中高年層以上をターゲットにする場合、非常に有効です。まずローカルで地盤を固め、商品を磨き上げてから全国展開を目指すのは、成功しやすいパターンの一つです。

顧客が求めているのは「選ぶ理由」

お客様は、数ある選択肢の中から「これを選ぶべき理由」を探しています。「自分が納得でき、周りも納得させられる理由を早く提示してほしい」というのが本音に近いでしょう。その理由を明確に提示できれば、新規参入でも十分にチャンスはあります。

新規事業で避けるべきこと

強引な営業がもたらす「デジタルタトゥー」のリスク

数を打てば当たる式の強引な営業手法は、現代では非常にリスクが高いです。断られた相手に悪い印象を与えると、その評判はボディブローのように後から効いてきます。電話番号で検索されれば悪評が残る「デジタルタトゥー」の時代です。短期的な売上のために、長期的な信頼を損なうのは避けるべきです。

Webを「フィードバック装置」として活用する

知名度ゼロから始める場合、Webは最初から大きな成果を求める場所ではありません。むしろ、市場の反応を見るための「フィードバック装置」と考えるのが良いでしょう。

  • サイトのアクセス解析で、どのページが見られているか分析する。
  • 広告のキャッチコピーを複数試して、反応の良いものを見つける。

こうして得たフィードバックを元に、商品やサービスを改善していく場としてWebを活用しましょう。

まとめ:成功の鍵はビジネスモデルそのものにある

知名度ゼロからの認知獲得は、Web上のテクニックだけでは解決できません。成功の鍵は、顧客との距離を縮め、フィードバックを繰り返しながら商品・サービスの質を高めていくプロセスにあります。そしてその大前提として、自社のリソースで戦える市場を見極め、ビジネスモデルを設計することが何よりも重要です。まず自社の戦略を、3C分析やSWOT分析のようなフレームワークで客観的に見直してみてはいかがでしょうか。

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