オウンドメディアとは?中小企業がやるべきか?やるとしたら成功するには何が大事か?
今回は「Webinar(ウェビナー)というものについて。言葉としては割と古くからあります。 ネット上にはどうやったらウェビナーを開催できるのか?という情報がたくさん載っています。機材やサービスなども含めてかなり詳しいページがたくさんあります。
しかし、本来最初に押さえなくてはならない「自分たちにとって意味があるのか?」「やる価値はあるのか?」という観点が不足しています。 そこに焦点を絞って経験を元にお伝えしています。
書き起こし
今回のテーマは、オウンドメディアという少しややこしい内容。
まず皆さんに知っていただきたいのは、そもそもオウンドメディアが一体何なのかということ。
オウンドメディアという言葉が結構ぼやっとした言葉で、実際いろいろな規模感のものをひっくるめてオウンドメディアと呼んでいます。
私はだいたい2個に分ければいいかなと思っていて、その2個についいてと、それぞれについてやる価値があるのか、やるとしたらどういうことに気を付けなくてはいけないのかについて、お伝えできればです。
今段階で営業を受けている方や、過去にオウンドメディアサービスを受けていた方、全ての方に一旦見直してもらってこのあたりを押さえておいて下さい。怖いので。
ぜひ最後までお聞きいただければです。
重要な部分しか喋らないので、付随する部分についてはお問合せいただくか、検索をしていただくといいです。
オウンドメディアは新しい武器でも概念でもありません
まずオウンドメディアはどういう意味かというと「オウンド」とは自分たちで所有するという意味なので、自分たちでコントロールできるいろいろな情報発信媒体、情報を伝えるための媒体をのことです。
その上で知っていただきたいのが、オウンドメディアは決してここ最近でもないですが、5年前くらいに誰かが作った強力な武器、特別なものではないこと。
うちもお客さんから相談を受けますが、オウンドメディアを作らないかという営業を受けたときに、あたかも「今までになかった新しい中小企業のための素晴らしいツールができたので、それを一緒に作っていきませんか?」という言い方をされると。
そうすると気になりますよね。
今までになかった、今の時代にマッチした「新しい必殺技」みたいなものができたのではないかと感じてしまう方も多いです。
しかしこれ、別に新しいものではありません。元々ある概念がネットに乗っただけです。
こういう言い方をすると賛否両論あるですが、分かりやすくまとめてしまいます。
ダイレクトマーケティングの世界の延長
皆さんの中でチラシを撒くというときに、毎回セールスのチラシを撒くのではなくて、例えば〇〇通信、〇〇レターとなどを出している方少なくないと思います。
その時、やり方として「3回くらい普通に情報提供、情報発信、お役立ち情報、或いは自分たちの最近の近況報告みたいなものをポスティングしてから4回目くらいで軽いセールのチラシやお知らせを出していくと反応が良くなる」という話を聞いたことがある方多いのではと。
これはダイレクトマーケティングでよく使われる手法です。
いきなり初めから売っていくのではなく、相手との関係構築を何かしらの媒体で行って、その中で自分たちのお客さんになる人をピックアップ、そこに対して個別にアプローチをかけていく。
マスメディア系の広告のように「全員に同じものを出して、反響が返ってきたらそれを刈り取っていく」やり方とはまた違って、個別にアプローチをして、その反応を見ながらダイレクトにお客さんに対して、自分たちの取りたいお客さん、自分たちの商品がお役に立つお客さんと繋がっていくやり方です。
場を作っていくものだと思って下さい
このときに例えば〇○通信、ペラかもしれませんし小冊子かもしれませんが、或いはもっと言えばお客さんと仲良くなっていて、定期的に売り込みをするのではないけれど、いわゆるお土産話みたいなものを持っていって関係を構築していく。
WEBサイトやHPの場がないので分かりづらいのですが、お客さんとの間には関係性という場を作って行くわけですね。
こういう、お客さんに対しての情報提供や、やり取りの場を作っていくことを、WEB上でやりましょうというのが「オウンドメディア」です。
厳密に言うといろいろありますが、端的に理解するならこれでOKです。
例えば「皆さんこういうことを知っていますか?」とか、こういうことをやるといいことがありますよとか、情報提供をしていくことによって信頼を得たり。
自分たちがお役に立てるお客さんに対して常に覚えてもらう、刷り込ませるということによって、いざ何かのニーズが発生したときにお客さんに、「そういえばあんな会社が昔親切な情報を発信してくれた、これなら実際にサービスを受けたときにも親切に対応してくれるのではないか、自分たちに合った会社なのではないか」と思ってもらうとか。
そういうためにHP上で情報発信をしていきましょう、そういう場を作ってどんどん記事を投稿していきましょう、どんどん情報発信していきましょうというのが、端的に中小企業さんが考えるオウンドメディアです。
そういうイメージをまず持ってください。
成功事例として上がるようなメディアは中小・小規模事業者の方々が目指す物ではありません
というと、あまり特別なものではないな、と感じていただけると思います。
さて、オウンドメディアは出た当時を思い出すと、成功事例が、大きなメディア、ニュースサイトのものがオウンドメディアの成功事例として挙げられていました。
100ページ1000ページ、それ以上…そういうものを作って、そこからうまく本当のサービスサイトに人を流したり、ブランディングしていくかたちです。
そういうものが成功事例としてたくさん持ち上げられていました。
もちろんそういうかたちでの成功はあります。ただ、それは大企業や資本のある企業が取ることができるやり方です。
皆さんにオウンドメディアという言葉でイメージして欲しいのは、ダイレクトマーケティングの延長にある、規模感は狭い物です。メディアを作る、作れるなんて、絶対にイメージしてはいけません。やろうとすると、お金がめちゃくちゃかかります。人も雇用しなくてはいけない、或いは外注もたくさん揃えなくてはいけません。
コストは、だいたい3桁万円では足りないです。4桁万円は年間で平気でかかると考えてください。
オウンドメディアと言うより、情報提供を行うくらいの気持ちで十分です
ではもう一つの小規模な情報提供をHPですべきか、というと、やれるなら絶対にやったほうがいいです。
そこをサポートをしてくれる会社さんであればぜひお付き合いをした方が良いです。
もちろん相手にもよりますが。悪い会社だと適当に安い、1記事300、400円で書かせた、内容は当然低品質な記事を1カ月に4本よこしてきて、それだけで月々10万円みたいなケースもあったりします。これは害悪でしかありませんので絶対NG。
そうではなく、打ち合わせをしながら皆さんにやり方・考え方を教えてくれて、添削をしてくれるとか。或いはちゃんとしたライターさんが書いたものに、皆さんがチェックを入れて定期的に行っていくとか。そういうパートナー会社が良いです。
情報を先出ししないと売れなくなる時代です
情報提供は、やったほうが絶対にいいです。
なぜ「できるなら」とつけたかというと、やっぱり大変だからです。動画形式、音声形式、或いは一番一般的な文字の形式がありますが、どれをやるにしてもいろいろな技術が必要になってきます。
動画であればこのように喋る技術も必要になるし、あらかじめいろいろなセッティングをしなくてはいけないし、音声も動画がない状態ですが、マイクや喋る内容のセッティングをしなくてはいけません。文章にしても、文章を書くのは慣れないと大変です。文章塾があるくらいなので、ライティングできる人材を揃えたり、外注先、添削してくれるところを探したり、いろいろな準備が必要です。
そしてそれをある程度継続して行わなくてはいけないと考えると、生半可な気持ちでとりあえず1個行ってみるか、とやることはやめたほうがいいです。
ただやはり今の時代は、いきなり刈り取って売れる時代ではありません。
これは皆さんも実感されている部分もあるです。
やはり消費者としては、買い手側としては、自分たちにとって一番良いとろがどこなのか、一番いいのはどこなのかを、なかなか見つけられないものです。
それでも、自分たちに対してきちんと対応してくれる会社はどこなのか、誠実に対応してくれて、専門知識も持っているところはどこなのか。
そういうことをきちんと把握してから問い合わせなりのアクションを起こしたいんです。
昔のように情報は営業さんに聞くしか分からない、という時代ではありませんよね。情報の非対称性は崩れています。
今はHP上で情報を集めて、その上でここがいいなというところを選んで問い合わせをする時代、なので、検索したとき、HPを見たとき、お客さんが欲しいと思う情報がないという時点で反応が落ちます。
体制を整えた上で、継続できるようにすることが肝心
情報発信自体はやったほうがいいですが、ただその中でやるのは結構大変なので、自分たちでやるなら自分たちでやれる体制を整える。
基本的に最初は、支援してくれる会社さんとうまく組んだほうがいいです。
ポイントとなるのは、基本的には皆さん自身が主体となって行っていかないと、特にお客さんとの接点が多い、人と人との接点が多い中小企業、小規模事業者の方はダメだということです。
大企業になりお客さん側も個人というよりは会社とお付き合いしている感覚だというケースであれば、外に取材をしてもらって記事を書いてもらって出して、というかたちでもいいです。そうではなく急にお客さんが訪ねてくる皮膚感のやり方、或いは路面店で親近感を売りにしているケースであれば、皆さんが関わらないとまず失敗します。
なぜかというと、外の会社さんが皆さんお客さんのことを知ったり、普段のやり取りを知ったりして記事を書けるわけがないからです。
それをやろうと思ったら常駐して、横で覆面で話を聞いていたり、1年間勤めたりということでないといけません、相当のコストアップですよね。
それをやるなら中で情報発信できるネタを拾っていける仕組みを作り、それを最初はつたないかもしれませんが文章にして分かりやすく出した方が良いです。
皆さんが関わることを避けてはいけない
その過程でネックになるのが文章化する、写真をうまく撮るという部分です。
最初はそこの部分の添削だけを、外部に行ってもらうのがいいでしょう
元ネタ自体は皆さんが頑張って出していく。そこに対してうちのコンサル、或いはライティングの添削をしてくれるところ、探せばあります。
分かりやすく皆さんの意図が伝わるようになっているかとか、これでは独りよがりになってるとか、そもそも日本語がおかしいとか、写真はこれでは伝わらないからこういうものを用意したほうがいいとか添削してもらう。
これであれば、そんなにコストがかかりません。
しかも会社として皆さんの中にノウハウが残るので、そちらのほうが絶対に良いです。
とにかく皆さん自身が関わらないと、まずメディア系、企業の中で持っている小さなオウンドメディアは成立しないです。だって想像してみて下さい。〇○通信を出すとき、それをお客さんの肌感覚が分からない、全く外部の人が書いて送ったら反応が取れるか…やっぱり、取れないじゃないですか。
WEBもHPも同じで、中の人が行っているんだという感覚もやはりすごく必要です。
繰り返しになりますが、大事なポイントの1つとしては、皆さんが関わることを避けてはいけないということですね。
今から始めるなら、集客と言うより見込み客育成の段階で使うイメージで
そして、感覚として持っておいていただきたいのは、オウンドメディア情報発信というのは、昔はよく集客の方法として基本的には取り上げられていましたが、今は集客目的は結構厳しく、効率が悪くなっています。なぜかというと皆同じことを行って乱立しているからです。
世の中に同じ会社がいくつあるかというと、山のようにあるわけです。オンリーワンの会社なんてありません。
なので、皆さん自分たちのお客さんが検索しそうなキーワードで検索したときに、ズラッと他社さんのメディアが並んでいるとしたら、一旦そこでコンテンツで集客しようという考え方はストップしたほうがいいです。
たぶんそこで1位とかになっている、ずっとオウンドメディアを運営している会社さんは、相当なお金を投資して人を囲ってやり続けているので、これからもそれが続いていくとしたら勝てないですよね。
そうなっていたら、集客のためにやるとコスパ悪いなと考えたほうがいいです。
では何のためにやるかというと、そこでお客さんを見込み客育成、リード育成をしていくときに使う。
一旦来たお客さんに対してHPの中を巡回してもらって、そういうページを見てもらうとか、或いは来店してくれたお客さんに「うちはこういうページも作っているので見てください」と言ってQRコードが付いた何かを渡す等するとか。
折込チラシ、DM、ポスティング等にそういうものを付加情報として載せてもいいです。いきなり最終的な反応を狙うのではなく、薄い反応を取っていく、いわゆるマイクロコンバージョン。そういうところから始めて、お客さんに徐々に皆さんのことを知ってもらって信頼感を上げて興味を持ってもらい、何かあったときに思いだしてもらえる、見込み客育成の段階で使っていくのです。
あとは一回買ってくれたお客さんを顧客化、ロイヤルカスタマーにしましょう。
もう一度買いたいなとか。或いは前買った商品で、最近そこのメーカーさんは何をしているのかな、あのお店は最近どうしているのかなと。
調べてみたら最近こういうことを行っているんだとか、前買った商品はこういうバックグラウンドがあるんだ、じゃあもう一回関わってみようかな、ここ好きになっちゃったかなとか、そういう風に育成する。
買っていないお客さんに対しては育成をする。一回買ったお客さん、或いは結構お付き合いがある方とはより関係性を深めていき、ファン化、顧客化、ロイヤルカスタマー作成といろいろな呼ばれ方をしますが、一度売れたお客様によりそれを加速させて、関係性をより良くしていく。そういう媒体として使うイメージをもってもらったほうがいいです。
先行者利益はだいぶ取られているので
それ単体でSEOでバンバン集客できるというのは、先行して利益が取りつくされてしまったと言えばいいのでしょうか。最初にやり始めたところは、相当それでうまいこと行って、収益を上げて、それを再投資して、というサイクルに乗っていきましたが、今から始めてそこに追いつくのは厳しい。
それより集客は、自分たちの現状のやり方の延長で行っていって、それを例えば今までなら100人が来たら5人くらいが問い合わせしてくれたなというのを、10人や15人にするためにHPに情報を先出しして提供するエリアを作るのです。
営業さんが、この間お客さんにこういう話をしたらすごく食いついてきたんだよ、という話をネットに載せたりしていって、反応率を上げていく等して使っていくのがいいです。
おさらい
おさらいします。
まずオウンドメディア、最近発明された魔法の杖のすごく強い必殺技では全くありません。昔からあるお客さんとの売り込みではない、お客さんを育てるプロセスがWEBに乗っただけなので、あまり怖がらないでください。
やるべきかやらないべきか。まずイメージを持っていただきたいのは、よくある大きいメディアは皆さんがやるべきことではありません。小規模な何ページ、何十ページ単位の情報提供を行っていくのが、基本的に皆さんがやることです。それをやるかやらないかは、やったほうが絶対にいいです。
ただやるのはいろいろと大変なので、最初は外部の力を借りたほうがいいです。
ただそのときに、皆さんが関わらないのはNGです。皆さんが関わった上でそれをフォローしてくれるところと組んで行っていったほうがいいです。
その上で集客というのは結構今厳しいので、見込み客育成、ロイヤルカスタマー育成に対して使うイメージで始めていくのがいいです。
長めの内容、15分ほどになってしまって恐縮ですが、そのあたりを押さえた上でオウンドメディアや情報発信をとらえ直して下さい。
はっきり言って「オウンドメディア」なんて言う言葉は混乱を呼ぶだけなので「情報提供」くらいで十分です。
何か分かりづらいところやご相談があれば、ラウンドナップコンサルティングにお問合せください。最後までお聞きいただきありがとうございました。
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