配信日:2015年7月22日
みなさんおはようございます、ラウンドナップの中山です。いやはや暑い日が続きます。そのせいか、外でちょっと激しいスマートフォンの使い方をすると、結構熱くなりますね。温度が上がるとCPUがクロックダウンするなどいろいろ面倒ですので、何か冷却機能付きのケースでもあると良いのですが…多少ゴツくてもいいので。
さて、梅雨もあけて7月下旬、子供がいる家庭、特に義務教育の子がいる家庭では慌ただしくなる季節です。消費の傾向も変わりますね。昨月比較だけではなく昨年対比などもしながら、マーケティングのパフォーマンスをチェックしていきたいところです。
はてさて、夏になると徐々にB2Bは反応が落ち着いていきます。やはりお盆などを控えていると、大きなプロジェクトであれば、明けてからかな、という気持ちになるようですし、そうでなくても社内人員が安定しない時期に何か新規にドカンと始めるというのは、他の季節に比べると少ない傾向があります。
なので6月あたりはB2B的には問合せの多い時期であったりします。そこから少しづつ落ちていく傾向があります。(B2Cは業界によります。季節要因が強く働く時期ですね)そしてそうやって問合せや反響が落ちてくると、誰しも焦ります。それが季節性のものかなと思っていても焦ります。しかし、焦ってCVを取りに行こうとするのはリスキーかもしれません。今回はそんな話です。
サイトのパフォーマンスはすぐには変わらない。急ぐなら、カンフル剤が必要だが…
サイトのパフォーマンスというのはよくも悪くも一朝一夕で変わるものではありませんよね。昔行った施策がグンと効果を出し始めることは有りますが、それはあくまで過去に行った結果です。何もせずに突然伸びることはありません。
なので、急いでテコ入れしようと思ったら、カンフル剤を打つしかありません。この時、カンフル剤は2種類あります。1つは集客のカンフル剤、もう1つはサイト内のカンフル剤です。
前者のカンフル剤は、悪いものではありません。
例えば、将来的に自然検索からの流入をメインにして、SEOを中心とした施策を打つ。そしてそれを維持したいと考えている場合にPPC広告を使う。これは理にかなっています。SEOは結果につながるまで時間がかかりますが、PPCは後述するように、すぐに効果が出るからです。
SEOも、CTRの改善のためにタイトルとデスクリプションを変えるなどはかなり速く結果に反映されますが、それでも2週間から1ヶ月程度は見たいところです。さらに、サイト自体のSEO施策を大幅に変更・修正した場合や、新たに新規コンテンツを投入してサイトの品質を上げようとした場合は、それ以上かかります。
弊社の場合は、コンテンツ投入による自然検索流入改善でしたら、ミニマム2ヶ月、目安は半年とお伝えしています。実際は半年かかることは多くはありませんが、長めに考えていた方が良いです。短くなる分にはいいですので。
PPCは即時集客が可能、併用を考える。そしてSEOだって費用はかかることを忘れずに
PPCは、出稿承認から実際の集客までは、速ければ即日です。もちろん出稿できるスキルセットがあることが条件ですが、それさえあれば、すぐにでも集客を始めることができます。
「いやいや、費用がかかるじゃないか、広告なんだから」と思われる人がいるかもしれません。しかしSEOだってお金はかかっています。主として人件費が。
キーワードなどの情報を調べ、コンテンツを書き、校正してWebページにし…という作業に何時間かかるでしょうか。仮にスピーディに1ページ3時間で終わったとします。SEO的に効果を出すならコンテンツ群として10ページは作って内部リンク構造を組み上げたいですね。そうすると30時間です。
もしそれをアルバイトの時給1,000円の人にやらせたら、3万円です。でもアルバイトでこれ全部できたら市場価値はもっと高いですから、実際はその2-3倍程度、時給換算で3,000円くらい簡単にかかります。そうしたら10ページで20時間、6万円です。アフターケアとしての検証まで入れたら、10ページをローンチさせるのに10万円はくだりません。
※実際に運用すると分かりますが、1ページの企画からアップまで3時間というのはかなりのスキルを保った人材が、WordPressなどのCMSを使って仕組み化された中で、何とか出せるかなという数字です。実際は恐らくその倍はかかります。
そう考えると、毎月そうやってコンテンツを作るなら、毎月6万円あるいは10万円程度かかるわけですね。それで回収できるのは3ヶ月から半年先。だとしたら、初期の売上を立てるなら毎月5万円10万円かけて広告出したほうが効率はいいです。SEO=無料ではないことは、必ず押えておいていただきたいです。特に経営者の方は。
それはさておき、集客のカンフル剤として各種広告を使う。これは全くもって正しい方向性です。
「サイト内のパフォーマンスカンフル剤は取り扱い注意
対してサイト内のパフォーマンスカンフル剤は危険度が高いです。つまりはサイトのCVR(コンバージョン率)を上げるために、ドラスティックに変更を加える訳です。
これを行おうとすると、どうしても「無理やり」「直ぐに反応が出やすい」施策に走りがちです。例えばキャンペーンの乱発、無闇な値下げ、セールの定常化(毎月末は絶対やる、など)などです。また、問い合わせを受けてクロージングするスタッフにも圧力がかかれば、どうしても「とりあえず取ってしまえばいいや」という考え方にどうしてもなってしまいます。
しかし、そうなった時にしわ寄せをうけるのは、そのサービスを提供する、あるいはサポートする舞台です。無理やり取ってきた、あるいは値段重視で入ってきた客層というのは、言い方は悪いですがみなさんを対等に見てくれない、業者扱いするようなケースが少なくありません。そのような顧客が増えれば、バックエンドの負担は大きく増加します。よくある営業vs製作のような状況が生まれます。
また、問い合わせコンバージョンを増やすために、問い合わせの敷居を必要以上に下げたり、反応の良いオファーを乱発したりすると、問い合せを受けるチームにしわ寄せが行きます。例えば「サービスを全然理解しないまま電話してくる」「無茶な要求をしてくる」「申し込みにつながらないような質問ばかりされる」といった状態です。
本来は、Webサイトの内容を読んでもらって、ある程度そこで取りたいお客さんだけが残るようにスクリーニングが行われて、見込み度が高い人が電話問い合わせしてくる、そういうステップのマーケティングであるべきです。しかし、CV欲しさに「何でもご相談乗ります」のような形で意味もなく敷居を下げてしまうと、PCの不調の相談や、なんとなくそのうちこういうサービス申し込もうかな、といった見込み度の低いお客様からの相談電話が一気に増えたりします。
また、毎月末にキャンペーンを行うことが常態化すれば、むしろその時期以外で買ったり申し込んだりする人はいなくなります。「どうせ月末には安くなるだろう」という買い控えが起きて、月初などの売上はがくんと落ちます。
こと、サイト内の改善については、急いでも失敗することが多いです。集客を50%アップさせるより、サイトのCVRを50%上げるほうが、なんだか簡単に見えますし変化が見えるのが速いので、サイト内部の改善やキャンペーンをひたすら行っているケースは多々有りますが、それはあくまで一瞬の効果。継続的な売上増にはつながらないと考えるべきです。
なので、深く考えずサイトのCVRをあげようとなにか行うのは、おすすめできません。
きちんとマーケティングロジックを考えた上で、なにか行うべきです。
サイト内のパフォーマンスカンフル剤は危険です。
終わりに
Webマーケティングは結果につながるまでの時間が、徐々に長くなっています。リアルの世界に近づいています(大人気ラーメン店は1日にしてはできないですよね、地道な努力で大人気を達成します)。
それを受け入れず即効性を求めると、特にサイト内要因に関しては危険度が高いです。焦らず、いまは時間がかかる時代だという前提で、粛々とコンテンツ資産を形成しつつ、必要に応じて広告を使うのが良いです。
焦らず着実に前に進んでいく、そんなイメージをぜひ持っていただければと思います。
それでは本日のニュースレターは以上です。
追伸:
WebDesigning誌に寄稿(主として今回は監修)しました。
→ http://book.mynavi.jp/wd/2015/08.html
GoogleSearchConsoleについてなので、よろしければ書店でご覧くださいませ。次々回は私が執筆します。売れると続くそうです(笑)ぜひお手元に。実際面白いですよ!
後、SEMスペシャリスト資格頑張ってテキスト書いています…。今月も来月もひたすら文章を書くことになりそうです。
別に書籍を発行するわけではないのですが…(^_^;)
しかし本は書いてみたいですね。
SEOで有名な鈴木謙一さんのブログ・リニューアルを行いました。
自分から言うのもあれなのですが、SEOで有名な鈴木謙一さんの海外SEOブログ( https://www.suzukikenichi.com/blog/ )のリニューアルを行いました。
表面的にはシンプルになったなぁくらいの印象、後はスマフォ化したんだなくらいの印象かもしれませんが、実は裏では、様々なテクニックというか企みがうごめいております…SEOの。もちろんブラックなことでは有りません。HTMLがわかる方はまずソースなど見て頂き、特に構造化データ等見て頂くと、面白いかもしれません。
ちなみに、サイト製作は月1から2本しか請けられないのですが、コンサルをしていると、どうやってもこれコンセプトレベルから見なおしてサイト入替えが必要だ…と云うケースは多々有ります。
サイトは資産ですので、早めにつくって資産運用していかないと、なかなか軌道に乗りません。
お悩みの方はお問合せフォームなどからご一報くださいませ。( https://roundup-inc.co.jp/ )