第501回: 「Webに社内が興味を持ってくれない…どうしたら?」をぎょうざの満洲の記事から考える

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は「Webに社内が興味を持ってくれない…どうしたら?」というご相談を、ぎょうざの満洲の話から考えていきます。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

社内がWebやデジタルに前向きになってくれないときは、まず「一度体験してもらう」ことが近道になりやすいです。最初は完璧な施策を狙うより、数字で変化が見える小さな取り組みから始めて、社内の空気を少しずつ変えていきます。

また、反対が出やすいテーマでも前に進めるために、一部で試して、手応えが出たら広げるという進め方がおすすめです。この記事では、その考え方を自社のWeb施策に置き換えるヒントまで整理します。

テーマ1:社内が動かないときに起きていること

「新しいことを始めたい」「今やっていることをもっと強化したい」と思っていても、周りの反応が鈍いことはよくあります。

担当者の立場なら、上の理解が得られず予算や人がつかない、協力が得られないという形で表れます。

上の立場でも、「変わらなければ」と思っていても社内の空気が追いつかず、部署間の対立に発展してしまうことがあります。

風呂敷を広げすぎても大変なので、今回はWebやデジタルの領域に絞って整理します。

最初にやるべきは「体験」と「実感」を早くつくること

小規模な会社ほど、まず一度やってみて、変化を体験することが大切です。

机上の理解より先に、現場も経営陣も実感として分かる変化を早めに持ってくる、という考え方です。

理想は、商談率や売上のように誰もが納得しやすい結果が出ることです。ただ、初期段階ではそこに届かないことも多いので、その場合は次の段階につなげる前提で、まず分かりやすい指標で変化を見せるところから始めます。

最初の指標は「分かりやすさ」を優先してよい

たとえば、アクセス数が増えたら、多くの人が直感的に理解できます。一方で、直帰率や回遊のような指標は重要ではあるものの、最初から社内全体で同じ温度感で理解するのは簡単ではありません。

だからこそ、最初は「Webで何かをやると、数字がこう動く」という実感を作ることを優先してよいと思います。ここで最初のきっかけができると、その後の取り組みを進める土台が整っていきます。

テーマ2:ぎょうざの満洲に学ぶ「変化を受け入れる進め方」

今回取り上げたいのは、ぎょうざの満洲が「健康」を前に出す方向へ舵を切っていった話です。中華料理は「こういうものだ」という自己イメージが強いジャンルですし、現場のこだわりも深いはずです。

それでも、油や肉の脂身などを見直し、健康に配慮した方向へ大きく変えていった結果として、餃子の売上が3割伸びたという経験が語られていました。頭の中で想像していた「お客さんはこうだろう」が、実際にやってみると外れることがあるという点が、とても印象に残りました。

反対があっても前に進める「1割ルール」

ただ、変化をさらに進めようとすると、反発が出やすくなるのも自然なことです。無理に壊そうとすると社内が二極化してしまうこともありますし、大塚家具で起きた創業者・大塚勝久氏と長女・大塚久美子氏による経営方針の対立(いわゆる「お家騒動」)のように、組織が揺れてしまうケースもあります(参考:大塚家具 – Wikipedia)。

そこでヒントになるのが、満洲にあるという「1割ルール」です。合意形成が難しいときでも、まずは全店ではなく一部の店舗で試してよいという枠をあらかじめ持っておくことで、固定化した考え方から抜け出す入口を作れます。

小さく試し、声を拾い、相談しながら広げる

例として出ていたのが玄米の導入です。「町中華」のイメージからすると玄米は異質に感じる人もいますし、社内でも反対は多かったそうです。

それでも一部店舗で試したところ、利用する人が増え、「ここではやっていないのか」という声も出てきた。そこから2年かけて、現場と相談しながら広げていくという進め方を取った、という流れが紹介されていました。

デジタル施策に置き換えると、どう進めるか

ここまでの話を社内のWeb・デジタルに置き換えると、ポイントはかなりはっきりします。小さく試して、数字で変化を示し、手応えが出たら広げる。この繰り返しです。

そのとき「なんとなく良くなりました」では社内は動きません。数字で説明できる材料を用意して、体験と実感を積み上げていく必要があります。

最初に見る数字の例

最初から全部を完璧に追いかける必要はありません。段階に応じて、見せ方を少しずつ変えていくだけでも、社内の反応は変わってきます。

  • まずは変化が伝わりやすい数字(例:アクセス数など)
  • 次に、質の理解につながる数字(例:直帰率(サイトを見てすぐ離脱する割合)、回遊(サイト内でページを見て回ること)など)
  • 最終的に、事業に近い数字(例:商談率、売上など)

テイクアウト4割の話に見る「お客さんとのズレを消す姿勢」

もう一つ、満洲の話で印象に残るのが、テイクアウトが売上の4割を占めているという点です。コロナ禍でテイクアウトを始めた飲食店は多いものの、コロナ後に激減して続けるか迷うケースもあります。

一方で満洲は、テイクアウトが追い風になったという話でした。さらに、持ち帰ったものの「うまく焼けない」という声が多かったため、焼き方をパッケージに丁寧に書くなどの工夫を重ねたという流れが紹介されていました。

小さな会社ほど、回転を上げやすい

今の世の中は、昔に比べると価値観が変わりやすいと感じます。だからこそ、計画・実行・評価・改善(PDCA)に加えて、観察→判断→決定→行動(OODA(ウーダ)ループ)のように、状況を見ながら回転を上げていく感覚が重要になります。

人数が増えるほど動きは重くなりがちですが、小規模な会社ほど回転を上げやすいのは強みです。1割ルールのような「試してよい枠」を意識的に作り、社内の変化を前に進めていくことをおすすめします。

最後に

社内がWebやデジタルに興味を持ってくれないときは、説明で押し切るよりも、まず小さく試して、変化を体験してもらうところから始めるのが有効です。一度体験が入ると、社内の会話が変わり、次の一歩が出やすくなります。

私のほうでも、外部のセカンドオピニオンやユーザーテスト(お客さんの反応を確かめる取り組み)などを踏まえて、来期どこを試すかを一緒に整理する形のご相談をお受けしています。無理のない進め方を組み立てたいときは、必要に応じて声をかけてください。

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よくある質問(FAQ)

社内がWebに興味を示さないとき、最初に何をすればよいですか?

まずは「一度体験してもらう」ことを優先します。難しい説明よりも、小さな施策でもいいので数字が動く変化を作り、「やるとこう変わる」という実感を社内に持ってもらうところから始めます。

売上や商談につながる施策がまだ打てない段階では、何を示せばよいですか?

最初から売上に直結しなくても問題ありません。アクセス数のように分かりやすい指標で変化を示し、次の段階で直帰率や回遊などの理解に進めていく、という順番にすると社内の納得が得やすくなります。

「1割ルール」は、Web施策ではどう活用できますか?

合意形成が難しいテーマほど、いきなり全社展開せず、対象を一部に絞って試します。小さく試して結果と気づきを集め、相談しながら広げていくことで、反発が強いテーマでも前に進めやすくなります。

「なんとなく良くなった」では広がらないのはなぜですか?

社内で協力や予算を得るには、再現性のある説明が必要になります。「数字でこう動いた」という材料があると、次の判断がしやすくなり、取り組みが継続しやすくなります。

お客さんの声は、どうやって施策に反映すればよいですか?

お客さんの感じ方と、提供側の想定のズレを小さくしていくことが大切です。試した施策の結果だけでなく、現場で拾える声や反応を継続的に集め、差分を埋める改善を重ねていきます。

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