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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
まとめ:このページで分かること
このページでは、AIサーチやゼロクリックサーチが当たり前になっていく中で、ウェブサイトへのアクセスだけに頼らず、「ブランド名 × ポジティブな言葉」で選ばれるために、何をしておくべきかをお伝えします。
- AIサーチ時代に、なぜ「ブランドの評判」がこれまで以上に重要になるのか
- LLM(大規模言語モデル)の中で、会社名をポジティブなワードと結びつけるという考え方
- 自社名で検索したときの現状のイメージを把握する具体的なステップ
- ネガティブな情報への向き合い方と、ストライサンド効果を避けるための考え方
- レビューや第三者サイトを含め、実態の伴うポジティブなコンテンツを増やす方法
特別なテクニックではなく、日々の活動と情報発信の積み重ねで、「定性的にも選ばれる会社」になるための視点を整理していきます。
AIサーチ時代にブランドの評判はどう変わるか
AIサーチとゼロクリックサーチで何が起きるか
ここ数年で、Google検索にしても、ChatGPT・Claude・DeepSeekのようなAIツールにしても、「AIに聞いて調べる」という行動が当たり前になってきました。今の流れが続けば、こうしたAIサーチは検索のメインストリームになっていくでしょう。
同時に、検索結果のページだけで答えが完結してしまい、ユーザーがわざわざサイトまで来ないゼロクリックサーチも、これからさらに増えていくでしょう。そうなると、
- 会社のことを知ってもらうタイミング
- 検討の初期段階での「第一印象」
が、自社サイトではなく、AIサーチや検索結果の要約・レビューなどで決まってしまう場面が増えていきます。
定性的な検索ワードが主役になっていく
今までも、Googleは自然な文章での検索をかなり前からサポートしていましたが、多くの人は習慣的に、まだ「単語検索」をしていることが多いですよね。いわゆるインターネットがまだ不便だった時代の名残りのようなものです。
ただ、ChatGPTのようなチャット形式のAIに慣れてくると、会話調・自然文で検索する人が明らかに増えていくでしょう。
例えば、旅行先を考えるとき、最初から
- 「〇〇県 △△市 露天風呂付き客室 子連れ向け 温泉宿」
のように、条件がカッチリ決まっていることはあまりありません。実際には、
- 家族連れで行きたい
- 海がいいか、山がいいかはまだ決めていない
- 予算はなんとなくこれくらい
- 静かなところがいい
- 行ったことのない場所に行きたい
といった、ぼんやりしたイメージからスタートすることが多いはずです。
今までの検索エンジンでは、「いい感じ 温泉」「静かな 温泉」といったキーワードを入れても、人によって違う「いい感じ」がなかなか拾えないという問題がありました。
ところがAIは、
- 「いい感じって、静かさですか?景色ですか?ご飯ですか?」
- 「何があったら最高と言えますか?」
といった形で、やり取りを重ねながら、ユーザーの「いい感じ」を、
- 静か
- ご飯が美味しい
- スタッフが親切
といった検索しやすい言葉に落とし込んでいけるようになっています。
つまり、これからは「静か」「安心」「親切」「初めてでも分かりやすい」といった、定性的で曖昧な言葉を入り口にした検索が、どんどん増えていくでしょう。
ブランド名をポジティブなワードと結びつける重要性
LLMの中で「どんな言葉とセットで扱われているか」
こうした未来を考えると、自社のブランド名や会社名が、大規模言語モデル(LLM)の中でどんな言葉とセットで扱われているかが、今まで以上に重要になります。
ユーザーがAIに対して、
「株式会社〇〇って実際どうなの?」
と聞いたときに、
- 安心・丁寧・相談しやすい・対応が早い
といった言葉と結びついているのか、
- ブラック・危険・対応が遅い
といった言葉と結びついているのかでは、結果はまったく変わってきます。
SNSの「過去掘り」と同じことが検索にも起こる
今でも、SNSでは過去の投稿が掘り返されて、
- 昔の発言との矛盾
- 昔の問題行動
などが取り上げられ、その結果、キャンセルカルチャー的に強く批判されるケースが増えています。
昔のインタビュー記事や発言を持ち出されて、
- 「昔こんなことを言っていたのに、今は違うことを言っている」
- 「昔は良くないことをしていた」
と叩かれてしまうわけですね。
この流れは、SNSだけの話ではなく、検索やAIサーチの世界にも広がっていくでしょう。
ブランドワードSEOで見られるポイント
自社名で検索されたときに、もし
- 「会社名 ブラック」
- 「会社名 危険」
といった検索候補やコンテンツが目立つようになってしまうと、
- 商品・サービスを検討している見込み客
- 応募を考えている求職者
から早い段階で候補から外されてしまう可能性が高くなります。
今後のSEOでは、
- 一般的なキーワードでの流入
- ブランド名・会社名での検索
のうち、特に後者、つまり「ブランドワードSEO」の重要度が、さらに上がっていくでしょう。
まずは現状把握:自社がネットでどう語られているか
自社名+地域+業種で検索してみる
最初のステップとしてできることは、とてもシンプルです。
- 自社名
- 自社名+地域名
- 自社名+業種名
などで検索をしてみて、
- どんなサイトでどのように言及されているか
- そもそもほとんど言及されていないのか
を確認することです。
ある程度の規模の会社であれば、「評判」「ブラック」といった検索は一定数ありますから、サジェストに出てくること自体は珍しくありません。そこだけで一喜一憂する必要はありませんが、どんな文脈で名前が出ているかは、必ず押さえておきたいところです。
ネガティブな情報への向き合い方
検索結果の中にネガティブな情報が見つかった場合、いくつかパターンがあります。
- 内容が誤解・事実誤認である場合
この場合は、掲載元に対して丁寧に事情を伝え、訂正や削除を依頼することが必要になります。 - 内容は事実だが、すでに改善されている場合
社内で改善を行った上で、「何をどう改善したか」を自社サイトなどでしっかり発信していくことが大事です。 - 過去の経営体制など、現在とは切り離されている場合
例えば、経営陣が総入れ替えになっているようなケースでは、- 当時と今は体制が違うこと
- 今はこういう方針で運営していること
をきちんと説明し、誤解を減らしていく情報発信が必要になります。
いずれにしても、
- 「自分たちが変わるべきなのか」
- 「誤解なので、相手に説明・訂正をお願いすべきなのか」
を見極めながら、一つひとつ対応していくことが重要です。
ポジティブなコンテンツを増やす具体的なやり方
自社サイトだけでなく、第三者サイトやレビューも重要
ネガティブな情報への対応と同時に、ポジティブな情報を増やす活動も欠かせません。
- 地元でのイベントやボランティアなど、地域貢献活動
- セミナーや勉強会の開催
- 外部メディアへの取材協力
などを通じて、第三者のサイトに自社の取り組みが載るようにしていくことは、今後どんどん重要になっていくでしょう。
さらに、自社サイトでのコンテンツとしては、
- お客様の声
- 導入事例・成功事例
といった定番のコンテンツでも、
- どこを評価してもらえたのか
- どんな点を感謝してもらえたのか
を具体的な言葉で書いていくことで、ポジティブなワードとブランド名の結びつきを少しずつ強めていくことができます。
「親切」を分解して具体的な言葉にする
よく、自社の強みとして
- 親切
- 丁寧
- 寄り添う
といった言葉を挙げることがあると思います。ただ、これだけだとかなりボヤっとしているんですよね。
例えば、「親切」をもう一歩具体化してみると、
- 初めての人にも安心してもらえる説明をしている
- たくさん話を聞いてもらえたと感じてもらえる
- 不安に思っていることをその場で一緒に整理している
といった、具体的な場面が出てきます。
こうした具体的な言葉とともに、自社の事例やお客様の声がネット上に増えていくと、検索エンジンやAIも、
「この会社にとっての『親切』は、こういう文脈なんだな」
と、より深く理解しやすくなります。
単に「親切」といった言葉を繰り返すだけでは、検索エンジン側も「この会社は親切らしい」とは判断しません。いろいろな文脈・いろいろな具体例とセットになっていることが大事です。
地域密着型企業が有利なポイントと、ネットオンリーの会社の戦い方
この観点で見ると、地域密着型の企業や、特定の地域を主な商圏としている会社は強みがあります。地域での活動がしやすく、その結果が第三者サイトやニュース、ブログなどに載る機会も作りやすいからです。
一方で、
- ネットオンリーのビジネス
- ECサイト
のような会社は、ただただ安いだけで勝ち続けるのは、現実的にはごく一部に限られます。そうではない会社が、自分たちの価値を伝えていくためには、むしろこういったポジティブなコンテンツづくりに積極的に取り組んでいく必要があるでしょう。
実態の伴わない評判づくりはなぜ危険か
期待と体験のギャップが生む大きなダメージ
ここまで話してくると、
「なるほど、じゃあポジティブな記事やPRをたくさん出せばいいんだな」
と受け取られてしまうかもしれませんが、そこは大きな落とし穴があります。
仮に、ポジティブな情報を一時的に増やすことができて、
- AIサーチや検索結果で、いい感じの評価が並ぶ
- ポジティブなワードと自社名が紐づいているように見える
状態を作れたとしても、実際に体験した内容がそれに伴っていなければ、すぐにバレます。
多くの人は、
- 「良さそうだったのに、実際はそうでもなかった」
という期待ハズレを、とても嫌います。時間を無駄にしたと感じますし、期待した分だけガッカリも大きくなります。
その結果、
- 期待値が高かった分、失望も強くなる
- その落差が、かえって強いネガティブな口コミや評価につながる
という流れになりがちです。
「ストライサンド効果」に要注意
また、ネガティブな情報に対して、
- ひたすら隠そうとする
- とにかく消そうとする
と、かえって注目を集めてしまうことがあります。これは、情報を消そうとすればするほど広まってしまうという現象で、「ストライサンド効果」と呼ばれます。
実態が伴っていない評判づくりは、
- 体験とのギャップによる強い失望
- ストライサンド効果による逆効果
によって、結局は大きなダメージになりやすいのです。
だからこそ、
- まずは自社の中身・実態を整えること
- そのうえで、ちゃんと伝わる形でポジティブな情報を発信していくこと
が前提になります。
継続的なモニタリングと、これからのブランド戦略
モニタリングツールやGoogleアラートの活用
自社名での検索結果を、毎回手動でチェックするのは正直大変です。
そこで、
- ネット上で自社名と一緒にどんなワードが出てきているかを調べるモニタリングツール
- 簡単に始められるものとして、Googleアラート
などを使って、継続的にネット上での言及をチェックする仕組みを持っておくと楽になります。
出てきた良くない情報に対しては、
- 自分たちが変わるのか
- 誤解なので相手に説明して変えてもらうのか
をケースバイケースで判断しながら、少しずつ改善していきましょう。
「定性的にも選ばれる会社」になるという考え方
ここまで見てきたように、これからのブランド戦略・ブランドSEOでは、
- 検索結果で目立てばそれでOK
という発想ではなく、
- 実態のある活動を積み重ね
- その結果として、ポジティブな情報がネット上に増えていく
という順番が、ますます重要になっていきます。
残念ながら、
- 「いいことをやっていれば自然と広まるだろう」
というほど、世の中は親切ではありません。良い取り組みをしていても、意識的に発信していかなければ、なかなか知られないのが現実です。
ショートカットのようなものは基本的にありません。
これから選ばれる会社になるためには、
- 数字などの定量的な面だけでなく
- 安心感・信頼感・親しみやすさといった定性的な面でも選ばれる会社
を目指していく必要があります。
お知らせ・お問い合わせについて
今回の内容について、
- もっと具体的に聞いてみたい
- 自社の場合はどう考えればいいか相談したい
といったご質問があれば、ラウンドナップWebコンサルティングのウェブサイトにあるお問い合わせフォームから、いつでも送ってください。
また、こういったご質問にオンラインで無制限にお答えするコンサルティングサービスなども提供しています。詳しくは、ラウンドナップWebコンサルティングのホームページから、サービス一覧をご覧いただければと思います。
一つひとつの取り組みは地味かもしれませんが、AIサーチ時代に「選ばれる会社」になるための大事な土台になります。ぜひ、できるところからでも始めてみてください。
FAQ:AIサーチ時代のブランドと評判づくり
- Q1. AIサーチやゼロクリックサーチが増えると、自社サイトへのアクセスは減ってしまうのでしょうか?
- アクセスが減るケースは増えていくでしょう。ただし、それ自体を完全に防ぐことはできません。重要なのは、AIサーチや検索結果の要約の中で、自社のブランド名がどんな言葉とセットで扱われているかです。サイトに来る前の段階で、ポジティブな印象を持ってもらえるように、ブランド名とポジティブなワードを結びつける活動を進めていくことが現実的な対策になります。
- Q2. 自社の評判がネットでどう見られているか、最初に何を確認すればいいですか?
- まずは自社名・自社名+地域名・自社名+業種名で検索してみてください。サジェストや検索結果に、どんな言葉と一緒に会社名が出てくるかを確認します。そこで、ポジティブな情報が少ない、あるいはほとんど言及されていないようであれば、まずは現状把握ができた、というところからスタートです。
- Q3. ネガティブな口コミや記事を見つけた場合は、どう対応すべきでしょうか?
- 大きく分けて三つのパターンがあります。誤解や事実誤認であれば、掲載元に事情を説明し、訂正や削除をお願いすることになります。内容が事実であれば、社内で改善に取り組み、その改善内容をきちんと発信していくことが必要です。過去の経営体制など、今とは切り離された事情であれば、その点を説明しつつ、現在の取り組みを積み重ねていく形になります。いずれにしても、無理に隠そうとするとストライサンド効果で逆効果になりやすいので、実態から変えていく意識が重要です。
- Q4. 自社をどんなポジティブなワードと結びつければいいか、うまく言語化できません。
- 「親切」「丁寧」「寄り添う」といった言葉はよく使われますが、それだけだと抽象的です。実際にお客様が「親切だ」と感じるのはどんな場面かを具体的に考えてみてください。例えば「初めての方にも分かるように説明している」「不安をその場で一緒に整理している」「たくさん話を聞いてくれたと感じてもらえている」といった形に分解し、それらを事例やお客様の声の中で表現していくと、ポジティブなワードとブランド名が結びつきやすくなります。
- Q5. オンライン完結型やEC中心のビジネスでも、ブランドの評判づくりはできますか?
- できます。地域密着企業と比べるとやり方は少し違いますが、第三者サイトに取り上げてもらえるような活動や、レビュー・お客様の声を通じた具体的なエピソードの発信など、オンライン中心でもできることは多くあります。ただただ安さだけで勝てる会社はごく一部なので、「自分たちらしい価値」が伝わるコンテンツを増やしていくことが、AIサーチ時代の大事な戦い方になります。
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0:48 AI時代のブランド戦略
2:19 自然言語検索とブランドの関係
4:14 曖昧な言葉での検索への対応
6:03 過去の行動の矛盾とリスク
7:15 大規模言語モデルにおけるポジティブなワードとの結びつき
8:42 今後の活動の方向性
9:46 ブランド名とポジティブなワードの関連性を確認する方法
10:58 誤解と真実への対応
12:05 ポジティブなコンテンツを増やす活動
13:43 実態に基づいた活動の重要性 15:45 まとめ
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