Googleの検索結果に表示される「著者情報」これは重要です。AuthorRankなるものが影で語られるほど重要です。
著者情報を表示させる設定を正しく行うと、自分の作ったコンテンツに対して「44px四方の画像」と「Google+で設定した名前」と「Google+でのフォロワー数」が、表示されるようになります。
こんな感じですね。すでに導入されている方もかなり多いです。
※これは「WEBコンサルティング」での検索結果です。
(余談ですがコンサルティングで検索してもWebコンサルタントがハイライトされますね)
しかし、こうやって顔写真や名前をネット上に出すことは当然リスクも有ります。また、表示させればいいというわけではありません。
むしろ逆効果になってしまうこともあります。
実際、顔写真を設定したと、CTRが下がってしまった例が、ありました。
そこで今回は、その事例と、CTRが下がることを避けるために
- そもそも著者情報を出すことにプラスの価値があるのか
- 出すとしたら、どんなことに、気をつけるべきなのか
- なぜ、そこに気をつけるべきなのか
について、書いていきたいと思います。
※ちなみに、著者情報を出すやりかたについては、たくさんネット上に情報がありますので「著者情報 出し方」などで検索してご覧ください。当サイトでもChatWork無料相談チャットの方で質問を頂いた際に作ったPDFがあります、もしかしたらちょっと古いかもしれませんが、これでも出ると思います(→ PDFはこちらから ※公開終了)
著者情報を出すことは、本当に意味があるのか
著者情報については、そもそも出す意味はあるのか、という点がまず気になるところです。表示させるとどんなメリットがあるのか。これはビジネスを行う上では非常に重要なポイントです。
結論から言ってしまえば、著者情報を表示することは、少なくとも「誘目性」の観点で、大きな効果があると言えます。
Search Engine Journalが検索結果画面(SERPs)に対してlooktrackerというツールでアイトラッキング分析を行い、ヒートマップを作っています。
そして、その結果が明らかに「著者情報が載っていたほうが注目を集められる」という結果だったからです。
そしてアイトラッキングの結果はこちらです。
※スペースの都合上、若干左右を削ってあります。全てのイメージを見たい方は元記事をぜひご覧ください。
この結果を見ると、明らかに著者情報の画像の部分に注目が集まっています。
これはつまり、色彩理論で言うと「誘目性が高い」ということになります。
誘目性とは?そして人間が認知する仕組みとは
※元々デザイナーだったことも有り、一応色彩検定を持っています(2級ですが…)。
その時覚えたことと、心理的な要因をプラスすると…人間が「物」を見て、認知するまでのプロセスは大きく以下3つにわかれると考えています。
1.存在に気づく(誘目性)
2.その存在が何なのか理解できる(明視性)
3.そこに秘められたメッセージを感じる(想起・共起)
今回の場合、著者情報として設定されている画像は確実に「誘目性」を改善します。単純に目を引きますもんね。なので、この段階までを考えると、「とりあえず著者情報として画像を出す事はプラス」なんです。
※「視認性」と「可読性」について
ちなみに似たものに「視認性」があります。これは誘目性が「偶然目に入ったものに気づける」かどうか、についてのものなのに対して「探そうと思って探せるかどうか」というのが、視認性です。今回の場合、別に顔写真を探していたわけではないと思うので、「誘目性」という言葉になります。余談ですが…。
また「明視性」に似たもので「可読性」があります。可読性は文字に対して用いられるもので、こういった写真などは「明視性」と呼ばれます。
明視性と想起・共起のプロセスを忘れると、失敗する
大事なのは、この後です。明視性と想起・共起のプロセスです。
一番最初に少し触れた「失敗した例、CTRが下がってしまった例」は、この中でも「想起・共起」のプロセスで失敗していました。
「明視性」で注意すべきポイント
これはそれほど難しい問題ではありません。
明視性とは、それがなにか分かるかどうかということ。つまり著者情報の場合はそもそもは
・人間の顔であること
・人の顔だと明確にわかること
が大事になります。
Google側でもそういった写真以外は拒否していますよね。顔とはわからない画像だと、Google+に顔写真を設定していても検索結果に著者情報が出てこないケースが有ります。
「そもそもダメ」な物以外にも気をつけるべきポイント
そういった「そもそもダメ」な物以外にも気をつけるべきポイントは有ります。
例えば「ごちゃごちゃした背景の写真は使わない、あるいは切り抜く。表情が読み取れないようなファッションは避ける(深い帽子など、あるいは横顔など)」あくまでビジネスとして活用する際には、という前提です。そうではない場合は自由にやっていただけばいいです。
また、同じ分野のコンペティターにも注目していますか?
できるだけ競合と直感的に差別化できるものをおすすめします。なぜなら、覚えてもらわないと意味が無いからです。
「あっ、この感じの顔写真のサイト前も見たな」と思ってもらえたら勝ちです。ポージングや服装、背景色などいろいろとできることはあるはずです。
検索結果のタイトルにサイト名を入れることは大事です。なぜなら、「あ、またこのサイトだ」と覚えてもらう効果があるからです。それを強固にするのが顔写真です。直感的ですので。
「想起・共起」の段階で気をつけるべきこと
これが一番重要です。
無意識にいろいろな情報を、人間は受け取っています。この「無意識」がクセモノです。
結論から言ってしまうと
- 「人々は、自分が想像している通りの姿で、相手が目の前に現れてくることを期待する」
- 「そうでなかった場合は、不安や不信、疑いが生まれる」
この2点です。
具体的に、目をつぶって想像してみて下さい。
- 有名な野球選手の私服姿をTVなどで見た時「誰だか分からなかった」「なんとなく違和感がある」という経験をされたことはないでしょうか。
- 「病院で診察してくれる医者が、白衣ではなくてTシャツにチノパンだった」らどう感じるでしょうか。
- 保険の相談を頼んだら、セーターにジーンズのお兄ちゃんが来たら、どう思うでしょうか。「本当にこの人、保険の人?」と思わないでしょうか。
- いつも地味だった母親が、急にケバいメイクで訪ねてきたら、追い返したくならないでしょうか(あれ、これなんか違う)
もちろんそれぞれ事情があるのですが、なんとなく違和感を覚えますよね。
この「違和感」が曲者
最初に触れた「顔写真を設定したと、CTRが下がってしまった例」の問題がここでした。
2つの例があります
- 有機野菜の宅配販売をやっていた。今までは畑で作業している時の写真だったが、あまりきれいではないし、もっときっちりとした印象を与えたくて、スーツの写真にした。
- 会計士をしている。もっと親しみやすいイメージを与えたくて、自宅のリビングで家族と一緒に撮った私服の写真を切り抜いて使った
どちらも、お気持ちはわかります。伝えたかったことも分かります。
有機野菜の場合は、業販を狙って行きたかったため、もっとビジネスライクなイメージを出そうとしていました。
会計士の方は、もうバリバリやる年でもなかったため、お客さんとの接し方を変えていきたいと考えていました。
…
しかし、どっちも急速に検索からのCTRが下降しました。
何でかと思って相談を受けてヒアリングをしました。
変えた箇所は先ほどの顔写真のところだけとのこと。ということで、戻したところしばらくしてCTRが改善しました。
…
これが「違和感」です。
仮説
恐らく、「有機野菜の宅配」に関して、一般的に求められるイメージは、昔の写真の方だったのです。有機農法という制約条件の中で、新鮮で美味しい野菜を一生懸命育ててくれている農家さん。だったのです。
また、写真を見ることで、ひと目で「野菜を育てている人だ」「なんとなくいい人そうだ」というイメージが直感的に伝わったのではないかと思います。
会計士さんに関しては、やっぱり一般的に最初に期待するのは「問題を解決してくれる人」そして、大きな企業ならあるほど「この人に相談していることが外に知られても恥ずかしくない人」なんていう需要も有ります。
しかし、家族写真になってしまったことで「あれ、この人定年退職でもして、片手間に仕事をやるような方なのかな」あるいは「そもそも会計士だとは思わなかった」と人々が感じてしまった可能性があるなと考えています。
きっちり検証というのが難しいのですが、経験論的にそう思っています。
まとめ:改めて気をつけるべきこと
著者情報は、Googleのオーガニック検索結果において、こちら側でコントロールできる唯一の画像情報です(ローカルは除き)
これをきちんとコントロールすることがとても大切です。具体的にはクリック率に大きく影響してきます。
従いまして
- 著者情報を出してもいい方は、まずは出すように設定をする
- その写真が、44×44のサイズに縮小されても、明らかに顔写真だとわかる、理想は表情まで分かるものかチェックする
- その写真が、あなたが欲しいお客さんが求めている「あなたの姿」なのかどうか、チェックする
ことをおすすめします。
私も、仕事の5割以上は事務所でコンサルをしていますので、あまりスーツは着ません。訪問コンサルとセミナーの時くらいです。
でも、写真はスーツです。背景も切り抜いて白にし、検索結果に馴染むようにしています。また、昔からの鉄板である「ダークグレーかブラックのスーツに、赤系のネクタイ」という王道を盲目に守っています。
それがプラスになっているのかマイナスになっているのか不明ですが、少なくともWebコンサルタントという、ある種胡散臭く感じられている業種としては、わりと信頼してもらえているのかなと勝手に思っています。違ったらちょっと泣きます。
…
みなさんも、ぜひ一度確認してみてはいかがでしょうか。
この記事がお役に立てば幸いです。
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中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから