Webの活用を進めるに当たって、合意形成は非常に大きな問題です。特に会社にその文化が無い状態で前に進めるためには。そう考えるとWebの主担当者の最重要スキルは社内掌握力かもしれません。
そして合意形成のために重要なツールとなるのが「会議・MTG」ではないでしょうか。
しかし、日々の業務で「会議を多く行っているのに前に進めない」と感じることはないでしょうか。時間をかけて集まっても、結論が出なかったり、同じ話題を繰り返したりして、業務効率が下がり、モチベーションも低下してしまうことも。
そこで今回は、Web担当者の方におさえて頂きたい、少し視点を変えるだけで、会議の効率を大きく改善できるポイントについてです。私がコンサルティングを行う中で得られたノウハウの1つでもあります。
本記事が、会議をより良いものに変えるためのヒントになれば幸いです。
会議がうまくいかない本当の理由
まず、なぜ会議が非効率になってしまうのか、その根本的な原因はなんでしょうか。いろいろありますが…私はこの2つが大きいと思っています。
1.事前準備不足が生む非効率
多くの会議で見られる問題の一つに、参加者の事前準備不足があります。会議の目的や議題が明確でないまま集まり、その場で情報を共有しようとすると、どうしても時間がかかってしまいます。
また、資料が事前に配布されていない、もしくは読まれていない場合も、理解を深めるために余計な説明が必要となり、会議が長引く原因となります。(私もギリギリになる事があるので反省しきりなのですが…)
2.組織全体の気持ちの問題
もう一つの原因は、参加者の気持ちの持ちようににあります。
会議を「ただ集まる場」と捉え、明確な目的や成果を求めない風潮があると、無駄な会議が増えてしまいます。さらに、会議を通じて自分の意見を主張することだけが目的になってしまうと、建設的な議論が難しくなります。爪痕を残す場ではない。
柏崎市の「会議改善に関するガイドライン」とは?
新潟県柏崎市が公開した「会議改善に関するガイドライン」は、こうした問題を解決するための具体的な方法を示しています。このガイドラインには、効率的な会議運営のための基本的なポイントが盛り込まれています。
このドキュメントでは「“会議はすべての業務の土台となるもの”」として、様々な観点での気づきと対処法をまとめてくれています。とても有用なので是非こちらも後ほどご覧下さい。
会議改善に関するガイドラインを策定しました/柏崎市公式ホームページ
https://www.city.kashiwazaki.lg.jp/soshikiichiran/sogokikakubu/jinjika/1/3/42125.html
ガイドラインをざっくりまとめるとこの5項目です。
- 会議はすべての業務の土台となるものである
- 会議の目的を明確にすることの重要性
- 事前に議題や資料を共有することを推奨
- 時間管理の徹底
- 参加者の役割を明確にすることが重要
その上でなにをすればよいか?
しかし、ガイドラインを読んだだけで組織が変わるわけではありません。
実際に改善を進めるためには、組織全体の意識改革と具体的な行動がともなっていないといけませんよね。ではどうすればいいのか。
私なりに、この柏崎市のガイドラインを踏まえて、ここを抑えておけば良いという内容をまとめました。
1.会議前のタスクを明確にする方法
会議を開催する前に、各参加者が何を準備すべきかを明確にするにはどうしたらいいでしょうか。
やはり、議題ごとに必要な資料やデータ、検討事項をリストアップし、それを事前に共有する事は重要です。これにより、参加者全員が同じ情報を持ち、会議の場でスムーズに議論を進めることができるからです。
- アジェンダ(議題)の事前配布
- 必要な資料やデータの共有
- 各自の役割や発言ポイントの確認
しかし、事前に配れば良いかというとそんなことはないです。
配られたところで受け取った人が会議の時間までにアクションを起こさなければ、具体的には読んで考えて、必要なら事前にアクションをしてもらわなければいけないからです。
2.タスク完了が会議開催の条件
なので「当日までに会議開催までに必要なアクションを済ませておく」という条件付けをすることをお勧めします。またそれ以外にも、やるべきアクションをバイネームでタスクリスト化しておくと良いです。
さらに「事前準備が完了していない場合は会議を開催しない」というルールを設けることで、無駄な会議を防ぐことができます。これにより、参加者は責任を持って準備を行い、会議自体の生産性が向上する入り口がひらけます。
- 準備状況の確認リストを作成
- 事前タスクの完了を必須条件とする
- 必要に応じて会議の延期を検討
初期は、強力なリーダーシップが必要…
組織を変えるためには、良くも悪くもリーダーシップが欠かせません。経営者やマネージャーが率先して新しいルールを導入し、その重要性を従業員に伝えることで、組織全体の意識改革が進みます。
どんなにスキルがあっても、会社での立ち位置が強くなければ、なかなか会議を変えていくことは難しいでしょう。会議ってそもそも面倒な存在で、アリバイ的に使われるからなおさらです…。
- リーダー自らが模範となる行動を取る
- 新しい取り組みの意義を明確に伝える
- 従業員からのフィードバックを大切にする
ベタですが大事です。
会議の効率化がもたらす効果は大きい
会議の効率化は、組織全体にさまざまな良い影響をもたらします。
事前準備の徹底や時間管理の意識が高まるっていき、それを水平展開していくことで、他の業務にも良い影響を与えます。会議はある意味ラスボスなので、そこが崩せればこちらもいけるはず。
例えば、タスクの概念が浸透したら、個人のタスク管理を導入出来れば、業務の進捗状況を把握しやすくなります。一概には言えませんが、生産性も上がる可能性があります(これ、必ず上がるとは言えないのが難しい所ですが)
また、ホームページの活用にも波及するかもしれません。コンテンツ作成や更新は計画性が必要です。行き当たりばったりに好きなときに更新では、なかなかサイト全体の情報の質が上がりません。
また、アクセス解析などのデータをもとに改善を行うサイクルが定着すれば、Web戦略全体の強化につながります。この辺りは、あなたの腕の見せ所です。
読んで頂いた方への次の一歩のご提案
まずは、次回の会議から以下の取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。
- 会議の目的と目標を明確に設定する
- 事前に必要な資料や情報を共有する
- 会議時間を適切に設定し、時間内に結論を出す努力をする
- 会議終了後に決定事項と次のアクションを確認する
これらの小さな一歩が、組織全体の大きな変革につながるかもしれません。否、きっと繋がります!根気よくやることが大事です。
やっぱり、当事者でなければ自分の今のやり方・あり方を変えるのは嫌なのです。そこを分かった上で、トライして頂ければと思います。コンフォートゾーンにいるだけでは、生き残っていけないので。
おわりに
無駄な会議を減らし、効率的な会議を実現することは、中小企業の成長にとって重要な要素です。時間とリソースを有効活用することで、新たなビジネスチャンスを生み出す余裕も生まれます。
会議改善の鍵は、会議そのものではなく、組織全体の意識改革とリーダーシップにあります。本記事が、その一助となれば幸いです。
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中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから