未経験のWebマーケティング担当者は採用してもよいものですか?

未経験のWebマーケ担当者を採用するかどうかは、「社会人・営業・接客などの客商売の経験がある未経験」か「対人経験もない未経験」かによって難易度が大きく変わることと、客商売の経験や自分でWeb上で商売した経験があれば採用の可能性が高まる、という考え方が分かります。

自社でWebマーケティング担当者を採用したいのですが、候補者はWebは未経験です。社会人経験や営業・接客経験もほとんどない人もいます。こうした「未経験のWebマーケ担当者」を採用してもよいのか、どんな未経験なら現実的なのかを知りたいです。

未経験からWebマーケティングの仕事が可能かどうかは、「未経験」という言葉の中身によると思います。

まず、社会人として未経験であったり、営業系・接客系・CS(カスタマーサポート)など、お客さんに接する商売の経験もない場合は、正直かなり厳しいと感じています。
技術や知識がどれだけあっても厳しいのは、マーケティングというものが広い意味で結局「客商売」だからです。客商売としての経験がないと、その感覚を身につけるまでにすごく時間がかかってしまいます。生々しい体験がないとなかなか難しいのです。

この「技術だけあれば何とかなる」というイメージの背景には、一時期流行った個人アフィリエイトの印象が残っているのだと思います。
アフィリエイトは、人に会わず自宅で結果を出せて儲けられる、WebマーケティングやSEOを使えば稼げる、といった打ち出しがありました。
しかし実際には、稼げないケースがほとんどで、9割5分くらいはうまくいかなかったわけです。今ではほとんど法人しかやっていない状態になっています。

技術だけで稼げる人というのは、ごく一部の例外で、そういう人は企業に入った方が何倍もお金をもらえるくらいです。
Webマーケティングは本当に客商売なので、マネジメント経験やセールス経験などをまったくやってこなかった人にとっては、やはり厳しい世界だと言えます。

一方で、これまでに仕事はいろいろやってきているけれど「Webはあまりよく分からない」という人であれば、可能性は十分にあります。
営業やマネジメントなど、リアルなお客さんとの経験があれば、その経験に乗っかってWebを覚えていくことができます。自分のフィールドをWebに転換するだけなので、学び方としてはむしろ効率が良いとも言えます。

今のWeb業界自体は厳しく、そもそも人を減らしていく方向にあり、経験者以外はあまり採らず、業務効率化でなんとかしようとしている会社も多いです。
育てる文化があまりない会社も多いため、「Web業界に入ってから育ててもらおう」という考え方はなかなか通りにくく、そうしてくれる会社の枠はかなり狭いのが現実です。

だからといって、「そういう経験がないなら諦めるしかない」というわけではありません。
一つの方向性は、ストレートにWeb担当として採用するのではなく、まず正規の客商売や営業の経験を積んでもらい、その経験をもとに将来的にWebの世界に入っていけるようなキャリアパスを作ることです。

もう一つは、どうしてもそうした仕事に就くのが難しい事情がある場合、本人に自分でWebサイトを何らかの形で立ち上げてもらい、Web上で販売をしたりアクセスを集めたりする経験を積んでもらうやり方です。
そうやって自分で商売してみることで実務経験(実績)をつくり、その上で就職や社内での担当配置の門を叩く、という進み方もあります。

こういった観点から見ると、「未経験のWebマーケティング担当者を採用してもよいか」という問いに対しては、その人の「未経験の中身による」という答えになります。
客商売としてのリアルな経験があるかどうか、その上にWebを乗せていける状態なのかどうかで、難易度はずいぶん変わってくる、という点を押さえておいていただければと思います。