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「中小企業」と「小規模企業者」を一緒にすることのリスク、”経営者自分でやるべき論”の怖さ

配信日:2023/08/25
発行元:ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表取締役 中山陽平

さて今回は、「中小企業」と「小規模企業者」で実はやるべき事は全然違う、という内容です。
結構この2つってごっちゃになっていると思うんですよね。でも、現場を見ると全然状況は違いますし、対応も違うんです。

小規模企業者の方は中小企業のやり方が合わないこともありますし、逆もあります。自分たちが目指すべきものかを考える時、この差は大事です。

今回の内容を読んで頂くと、巷の情報の中でどれが自分たちと似た環境なのか、その判断がつきやすくなりムリムダが減ります。ぜひお読み下さい。

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「中小企業」と「小規模企業者」をごっちゃにすることのリスク、”経営者自分でやるべき論”の怖さ

そもそも、中小企業と小規模企業者の違いは?

中小企業庁の定義では以下です。売上高の制限もありますが、ここでは区別を知ってもらいたいわけではないので省略します。

  • 「小規模企業者:常時使用する従業員の数が5人(製造業は20人)以下」
  • 「中小企業: 常時使用する従業員の数が100人(製造業は300人、小売りは50人)以下」

出典:https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html

結構、違いますよね。小規模企業者は家族経営などのような本当に小さい会社。フリーランスや一人親方など。

対して中小企業は少なくとも6人、大体経験的には6人超えたら10人〜20人くらまでは行くケースが多いでしょうか。人を増やさないと売上が伸びない分野はもっと多いですね(運輸ですとか)

少しの人数の差で大きく社内の仕組みや指揮系統が変わる

5人以下の小規模企業だと、極論全部の会社業務を1人でやっているケースもあります。今の時代できちゃいますしね。会計とか特に楽になりました。決算も自分でできます。

ただ10〜19人という中小企業のボリュームゾーンの規模になると、それはもう組織です。営業がいて、製造・製作・作業がいて、事務・経理がいて…経営者がいてなど。役割や力学が全然違う。

中小・小規模企業者の場合1人増えるだけでかなり変わります。いわんや5人10人。

また、協力会社や外部スタッフなども実質会社の従業員のような関わりかたをしていたりします、なのでもっと実際は関係者が増えますよね。

なので、ここを一緒にして語られていると、怖いんです。

「中小企業は経営者が自分でやるべき!」が通じるのは小規模企業者まで

インハウス化・内製化の流れの1つの”極論”として

「マーケティングは中小企業は経営者が自分でやるべき」論

があります。

ただこれはフィットする”可能性がある”のは、現実的には小規模企業者までなんです。

5人以内であれば、経営者がやるしかない、あるいは創業者が一番モチベーションがあるケースが多いので、この論は出発点としては良いかもしれません。

将来的に会社を中小企業まで大きくしたいなら、育てながらの方が良いと思いますが、なかなか人も採れないと思うからです。

ただ、それを越えて10人以上になったら、マーケティングは誰かにやらせて、お墨付きを与える存在になるべきです。というか経営者が自分でやるのは無理です。

経営者がやるべき事はそこじゃない

経営者は、その規模になると、組織維持なり、資金周りなり、トップ営業なり、いわゆる経営者としての「やるべきこと」をやらないといけない。現実的に、他のことをやる暇が無くなってきます。時間的にも精神的にも。

2代目社長は現場に出る前に経営の勉強をすべし、と言われますが、それは現場に出たら勉強なんてしている暇が無いからです。

それに、現場に関する知識も営業やアフターケアも十分持ち始める時期です。そうなったら、経営者が自分でやるメリットが無くなっていきます。

経営者は「関わる」だけ

とは言え特に小さい企業にとってマーケティングによって勝手にお客さまが来る仕組みは大事ですから、重点的に「関わる」必要はありますし「共通言語」を持った方が良いです。

でも「自分で手を動かす」のは、ダメです。特命プロジェクト扱いにして、動きやすいように整えてあげることなどがシゴトです。

Webマーケティング(SEO・広告・SNSなどなど…)も同様

もちろんWebについても同じで、中小企業の経営者は自分で手を動かすことを選択してはいけません。

インハウス化・内製化の流れで、経営者に何でもやらせようとする業者がいますが、私は現場でそれがうまくいっている例を見たことがありません。

もし今「やっぱり自分でやらないといけないのかな」と悩んでいる中小企業規模の経営者の方がいたら、そんなことないですとお伝えしたい。

そうではなく、自分も関わりつつ会社の中で動けるチームを作りましょう。

究極的には「良い社内担当者を育てましょう」になります。逃げないように!というケアは必要ですが。

今は、Web制作会社や広告代理店から事業会社に転職したい人が増えているので、意外と人は採れるかもしれません。ただ、スキルでは無く会社に合うかどうかを重視して下さい。スキルがあっても、周りと調和できなければうまくいきません。

巷の中小企業向け情報も、本当に「中小企業」なのか「小規模企業者」なのかチェックを

日本の企業のうち90%以上が中小企業なので、ひとかたまりにされがちですが、その中はかなりバラバラです。「ターゲットは男性」くらいのざっくりさです。

私も「中小企業専門」なんて書いていますが、実質なのでほとんどターゲティングしてないも同然です。ただ、何も書かないとコンサル=中堅企業以上が使う物という印象がやはりあるので、中小企業専門と書いています。言い訳がましいですが本音です。

というわけで、ある程度の規模に行ったら経営者は手を動かしてはいけないですし、動かすことを推奨するような情報はちょっと怖いなという内容でした。

現場と直接やりとりをしていて強く感じる部分です。

みなさまのお役に立てば幸いです。

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