配信日:2024年5月31日
発行元:ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表取締役 中山陽平
こんにちは、こんばんは、ラウンドナップWebコンサルティングの中山です。
まだ5月にもかかわらず台風一号ということで、季節感が薄い日々です。
テーマ:「1点突破での注意点 from 日経トップリーダー」
それでは今回のメインの話題です。今月の日経トップリーダーの特集の1つが「一点突破」でした。この特集は全体を通じて面白いので、ぜひ中小企業の方は読んで頂くことをお勧めします。
その中でコラム的に、「1点突破で失敗する3つのポイント」という内容がありました。
具体的にはこの3つです。なるほどと思います。
- いきなり1点に絞ってしまう
- 一点の成功が永遠だと思ってしまう
- 経営者の頭が一点に絞れていない
そこで今回は、この3項目について、Web活用の観点から私なりの観点でお伝えできればと思います。
前提:選択と集中は万能ではない
選択と集中は、GEのCEOとして「経営の神様」と呼ばれたジャック・ウェルチ氏が言っていたことで、だいたいバブル崩壊後くらいに広まった言葉です。バブルで膨らみきったので、それを圧縮するためにピッタリでした。
ただこの時代に合ったことで広がった考え方も、当時から疑問の声もありました、例えば「博打とは言わないが、当たり外れが大きい」「近視眼的」などです。結局は使う人次第なのと、あくまで考え方なので使い方次第ということです。
前段でした。
注意点1:いきなり1点に絞ってしまう
Webサイト・ホームページを作る時、「絞れない、絞りたくない」お客さまと「絞っていきたい」お客さまに分かれます。
もちろん、どっちが良いという話ではありません。
大事なのは「調べた、考えた上での決断かどうか」です。
- 載せようとしている商品サービスは、相互にクロスセルが発生する物か、あるいは何らかの価値のシナジーをうむものか?
- 絞り込んだサービスはWeb経由での引き合いが期待できる物か?需要があるか、お客ささまは検索しようとする物か?
- 社内のコンセンサスを得た上で部署間調整をすべきか考慮し、必要なら実行しようとしているか?
今日からこれで行くんだ!とWebサイトを専門化するのは良いのですが、それ以外のサービスを「やっていない」と思われる可能性もあります。会社全体として絞り込んでいくのであれば良いかもしれません。
しかし例えば、キャッシュフローを支えている既存事業が「終わってしまう?」と思われると顧客流出に繋がります。競合もそれをネタにお客さまを奪いに来るかもしれません。
いきなり絞るのではなく、まずは広告LPや、トップページの情報配置などで需要があるかどうかを予測してからでも遅くありません。勘や経験ではなくデータとユーザー目線で絞り込むかどうかの判断をしているかが大事です。
注意点2:一点の成功が永遠だと思ってしまう
選択と集中が難しいのは前述の通り、どうしても短期的視点になりがちだからです。しかし中長期的に見たら、今は採算が取れない、悪いかもしれないが将来性があるものもあるはず。
それを切り捨てると、デイトレーディングのような短期的な舵取りを繰り返す、辛い事態になります。
選択と集中をしたとき、成功したとします。○●専門△△会社、のような形で。
ただ、それが企業をずっと支えていような需要をキープできるかどうかは別の問題です。特に地域商圏中小企業の場合、大手が採算や仕組みの問題で入れなかったところに入ったことで、成功になるケースが多いです。
その場合、他社の参入や大手の参入圧力、さまざまな理由でいきなり競争激化するケースがあります。その市場を独占していける期間は想像よりも短い事が多いのではないかと。すぐ真似されますし。
なので、成果が出たからと言って、そこに安住していると、これはWeb上では特にすぐにひっくり返されます。リアルの商売に比べてコピーや手の内の調査が簡単だからです(なので、可能な限りウェブ上には情報は出したくないのが本音です)
注意点3:経営者の頭が一点に絞れていない
これは言葉選びが難しい所ですが、一点集中したのに集中先をコロコロ変えるのはやめた方が良いという所が大きいかなと思います。
選択と集中を、注意点1で書いたように論理的に選択したらならよいのですが、時々「1つの物に集中するのが得意」という理由で絞り込みたくなるケースがあります。周辺サービスもやれば客単価が上がるのになというケースです。
自分の思考と戦略をまぜこぜにしないことが大事です。小さな会社ほどこれをやりがちです。意思決定が早いからです。しかし、舵取りが速くても、ジグザグその辺を回っているだけでは、目的地にはたどり着きませんよね。
また、経営者がこういう意思決定をしていると、従業員の方は「また社長がなんか言ってる」という気持ちになってしまいますので、肝心なときに組織が一丸となれません。
まとめ
総じて言えば、一点突破はちゃんと考えた上で一点突破を仕掛けようということです。戦略としてはリスクの高い戦略です。
貫通力は上がるが、刺さった後横からの圧力に弱く、折れたら終わりなのが一点突破です。そうならず刺さった先で展開できるように考えなければなりません。私も思いつきでやってみて痛い目を見たことはありますので、自分にも刺さりますが…
ぜひ、元のTOPLEADERの記事もお読み下さい。
では今回は以上です。