配信日:平成24年9月4日(火)
みなさんこんにちは、WEB戦略ラウンドナップの中山です。
少し涼しくなってきましたね。相変わらずのゲリラ豪雨には辟易しますが、もはや風物詩と思うべきなのかも知れません。
おかげで我が家には、1回しか使わなかったビニール傘がたくさん…困った物です(^_^;)
さて今回ですが「ソーシャルネットワークに関するバイアス」の話です。
スティーブ・ジョブズ氏の死で分かったこと
Appleのスティーブ=ジョブズ氏の死のときに、少しさかのぼります。
ジョブズ氏の死というニュースとその関連情報は凄まじい勢いで広まって行きました。偉大な方でした。それがその勢いを生み出す1つの原因であることは間違いありません。
では、どこで広まっていったかというと、SNSです。
TwitterやFacebookを中心に、創業時のパートナー、ウォズニアック氏の話や、長年のライバルとされたMSのビル=ゲイツ氏の言葉、過去のAppleのCMなどの情報がかけめぐりました。
また、それを補助する形で作成されたブログ記事も。
Twitterで、情報の分類を示すために使われているハッシュタグ。このハッシュタグのトレンドを見るHashtag.orgを見ると、ジョブズ氏への追悼を表す「#RIPSteveJobs」というハッシュタグが恐ろしい伸びを見せていたんですね。
結果、Twitterも落ちましたしね。落ちなかったらもっと伸びていったのかもしれません。
なんでこんなに伸びたのでしょうか。それは、
「普段発言しない人も発言した」ということが大きかったのではないでしょうか。
想像以上に存在するサイレントマジョリティ
ここから押さえておかなければいけないのは
Twitterなどでのトレンド = 世の中の意見
ではない、ということです。それも想像以上に。
印象的な言葉があります。
2,010年の8月にサンフランシスコで行われた、
サーチマーケティングの祭典SES(Search Engine Strategies)
ここでの「Google + Facebook = Success?」というセッション中、サーチマーケティング会社CovarioのCEOであるRussMann氏の言葉。
それは
ソーシャルは「声の大きいマイノリティ」であり、
検索は「声を出さないマジョリティ」である
という言葉。
言い換えると、
SNS上で積極的に発言したり、ブログ記事を流したりしている人は一握りであって、それ以外にたくさんの発言をしない人々がいることを、忘れてはいけない
であり、
検索ユーザは、別に表現をしようとしているわけではない。
なので、何を考えているか、はっきり分からないけれど、正直だ。
ということです。
調査はかならず多方面から行う
ソーシャルネットワークはGoogle+を含め、恐ろしい勢いでユーザを増やしました。
そのためここで市場調査をかけたり、調査をすることは少なくありません。マーケティングリサーチとして特定の単語について検索をして意見を拾っていくのは、それはとても有意義なことです。
SNSだけではなく、Yahoo!知恵袋や教えてGooなどを使うのも、とても有意義で大切なことですし、私も行っています。
ただ、その時に
- 調査対象は、決してマーケットの人々を網羅しているわけではないということ
- 数が多かったとしても、偏っている可能性があるということを忘れないこと
- 必ずそれ以外の手段、できる限り「リアル」な手段で裏取りをしていくこと
これが、とても大切ですよね。
調査結果の記事を読み解くときも同じです。実はn=100などの極めて少数の調査であったり。
…
こういったことを前提におかず、マス的な調査をSNSで行なってしまうと、気がついたら偏った意見に流されてしまい大きな読み違いが、ということに繋がります。
「ネットで得たデータで仮説を立てて、リアルで検証する」「リアルで得たデータで仮説を立てて、ネットで検証する」この両輪を回していくことを、オススメしたいなと思っています。
それでは本日は以上です。
今回のメールマガジンの内容が、あなたのお役に立てば幸いです(^_^)
ではでは、またメールしますね!