目次
- 今回のトピックス
・DAIKIN 広告宣伝グループ部長 片山義丈氏の考えること
・自信を持って「愛している」「ファンです」と言えるものが経済活動の中でありますか?
・狙うのは愛されることじゃない、「脳内マップ」に置いてもらうことだ
・これを行うために必要なのが、ミッションやビジョンの策定 - 最新:Podcast /WEBセミナー 第277回
- あとがき
今週のトピックス
みなさんこんにちは、ラウンドナップの中山です。暑い日と涼しい日が交互に来ますね。
さて、今回はものすごく共感する記事があったので、ご紹介します。
DAIKIN 広告宣伝グループ部長 片山義丈氏の考えること
2020年11月19日に開催された「MarkeZine Day 2020 Autumn Kansai」でのDAIKIN 広告宣伝グループ部長 片山義丈氏による公演の内容が一部記事化されています。
「“愛される”が目的のブランディングはダメ」ダイキンが指南する、コロナ禍にも負けないブランドづくり
https://markezine.jp/article/detail/35181
これは、ブランディングについてどうしたら分からない、イメージがわかないという方はぜひ読んで頂くことをオススメします。
とにかくこの記事を通じて知っていただきたいのはこれです。記事から引用します。
片山氏は「愛されるブランドというのは、趣味の自転車といった特定の嗜好品や『iPhone』などの一部のカリスマ的ブランドしか存在しないのではないか」と考えており、自身はダイキンを愛しているものの、社外の人が一般的な企業やその商品を愛するようになるというのはほとんど不可能なことだろうという。
その通りだと思います。本当に…。
巷でよく、愛されマーケティングですとか、愛される企業になるために、といった言葉ってありますよね。
少しトーンダウンして「ファンになってもらう」「好きになってもらう」という言い方もありますね。
このあたり「愛」も「ファン」も「好き」も定義が人によって違うので、分けづらいのですが、方向性としては同じでしょう。
とても怖いと思う界隈です。
自信を持って「愛している」「ファンです」と言えるものが経済活動の中でありますか?
売り手の方は振り返って、自分を買い手と思って考えていただきたいです。
商品やサービスにおいて、自分が「ファンなもの」「愛している」ものはありますか?
自信を持ってすぐに頭に浮かぶものがありますか?
…
少なくとも私は、音楽・スポーツ・地元など、もともと愛やファンという言葉が紐付いているような(言い換えると、単語として成立するような)もの以外は、無いです。
記事の中でカリスマ的ブランドとして、例えばAppleが出てきます。製品としてはiPhoneだったりMacintoshだったり、ですね。
私は出だしがDTPということもあり、Macをずっと使っています。Web制作の観点だとユーザーが多いWindowsの方が、少なくともWeb制作をメインにしていた時代は良いですし楽です。
なので、Windowsに乗り換えるべきでしたが、Bizstationと検証のためにしか使っていませんでした。また、Macはスティーブ・ジョブズが帰ってくる前のギルバート・アメリオ氏の時代から好き。ベージュの時代ですね。PowerPCが出た当時から好き。
スマホは3GからずっとiPhoneです。
これ、多分客観的に見たら相当ファンですよね。
でも、自分がAppleを愛してますか!ファンですか!と言われたら
「うーん、そこまでじゃない」ととっさに答えると思います。
…
頭で考える「愛している」って、良くも悪くも、こういう所が一つの限界なのです。
なので、そこを目指すのはとても不毛なのです。
難易度が高すぎる。それこそ宗教にならないと無理です。
そういう宗教チックなところから「愛され」とか「ファンづくり」とかの話題が出やすいのはそのせいでしょう。
… インフルエンサー界隈などですね。もっと古いところではアルファブロガー界隈。
狙うのは愛されることじゃない、「脳内マップ」に置いてもらうことだ
何が言いたいかというと、「みんなから愛される」ことなんて目指さなくてもよいのです。
何がダメって、愛されることを目指すと、人間は自然と
「360度全方位から好きになってもらわないといけない」
という思考になってしまうからです。
全部にいい顔をできていないとダメに思えてくる。
ネガティブな人がこの世にいたら、なんだか努力が足りない用に思えてくる。
でも実際無理ですよね?
そんな、誰にでも嫌われないものってないわけです。
価値観多様化はもちろんそうですが、利益相反しない物なんてそうそうありません。
…
では何を目指すべきか?それは
「自分たちを、買い手の脳内マップに置いてもらい、適切なタイミングで想起してもらうこと」
です。
脳内マップは私の造語です。
みなさん「○○といえば▲▲」という対応関係を頭の中に持っていますよね。
例えば、私なら「カップアイスなら、スーパーカップのラムレーズン」「市販薬で迷ったら、じもとのあそこのウェルシア」「鰹節はマルトモ」なわけです。
そういう対応関係を持っていて、何かあった時に第一想起されるわけです。
そのように
自分たちのことを知ってもらいたい人に
正しいポジションに記憶してもらい
何かあった時に想起してもらい
不安なく購買行動につなげてもらう
ために行うのがブランディングです。
大事なのは
全員ではなくターゲットにだけでいい
愛じゃなくても良い、○○ならあなた、と思ってもらえればいい
です。極論を言えば、あんまり好きじゃないけれど、あそこなら確実だ、でも良いんです。
これを行うために必要なのが、ミッションやビジョンの策定
で、この中の「誰に」「どのポジションに置いてもらう」事を目指すのか。
それが、ブランディングの第一歩であるミッションやビジョンの話なんです。
これをきっちり決めると言われるのは、コレがブレていると、受け手が混乱してしまうからです。
だから、決めたら社内も社外も全部それにそって動かないといけない。
なんでミッションとかビジョンなんて決めないといけないのですか?と感じる方。
それは、
「お客さんの中に定着するためには、全員の足並みをそろえなくてはいけないから」
「そのためには明文化された物が効果的」
…と、考えて頂くとよいかと思います。
社外向けである以上に社内向けですからね。経営理念もそうですが。
最初にご紹介したDAIKIN社の事例の中ではこう書かれています。
どんなブランドを作ると商品・サービスが売れ、事業活動に貢献できるのかという視点で決めていく。その際に、「Brand Identity(存在価値)」「Brand Purpose(存在意義)」「Brand Personality(人格・個性)」の3つを絶対に決めるべきだという。
納得です。
とても良い記事だと思います。ありがたいです。ぜひ本文をご覧ください。
「“愛される”が目的のブランディングはダメ」ダイキンが指南する、コロナ禍にも負けないブランドづくり
https://markezine.jp/article/detail/35181
個人的には「愛され○○」みたいなものは、全部警戒してかかるようにしています。
怖いです。
みなさまのリスク回避と、次の一手のヒントになれば幸いです。
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今回は、その点について取り扱っています。
引用・参考HP
令和3年度、アフィリエイト広告の適正化に向けた本格的な法執行へ | 広告法務ブログ :: 消費生活アドバイザーによる広告コンプライアンス情報
http://compliance-ad.jp/complianceblog/control/4542/
グーグル、クッキーに代わる閲覧追跡技術を開発・採用しないと明言 – CNET Japan
https://japan.cnet.com/article/35167288/
配信はこちらから
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終わりに
本日はTVでも、いろいろなメディアでも、東日本大震災の話題ですね。正直まだまだしんどいですね、心情としては。
ご存じの方も多いかもしれませんが、私の母方祖父母はあの福島第一原発事故の町、双葉町なのです。
子供の頃原子力発電所の周りの道なんか普通に通ってましたし、一番近い海水浴場にも遊びに行ってました。
というか、町役場が目と鼻の先でした。夏は噴水に入って遊んでましたね。
2007年にはバイクで東北一周して、石巻とかも通ってキャンプしてきてました。あれから4年後にこうなるなんて、ですね。
311きっかけに変わったのは、なんでしょうね、悔いなく生きようということですね。大げさですが。
1日1日に対する考え方が、変わってしまったように思います。
あえて、当時の動画を今日はたくさん見ています。辛いですが、やらないといけないように思うのです。
ではでは、また来週、メールしますね。