第503回: HTML構造はSEOにほぼ無関係、だがAI検索時代では重要

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 今回はSEOの話として、「HTML構造はランキングにほぼ影響しない」と言われる一方で、AI時代にはむしろ重要性が増すのではないか、という点を整理します。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

HTMLを正しく書くことが、すぐに順位を押し上げるような話ではありません。

けれども、検索結果の見え方や、AIによる要約・引用のされ方まで含めて考えると、基本のマークアップを整えておく意義はじわじわ増しています。

この回では、HTML構造の扱いについて「誤解されやすいポイント」をほどきながら、どこまでを“最低限”として押さえるべきかをまとめます。

  • 「HTML構造はSEOに無関係」と言われる背景と、本来の意図
  • ランキング以外で起きる変化(タイトル・スニペット等)との関係
  • AI時代に向けて、誤解を減らすためのマークアップの考え方

「HTML構造はSEOにほぼ無関係」と言われる理由

SEOの文脈で、HTMLの正しさ(バリデーターで満点かどうか)が話題になることがあります。

20年ほど前から制作をしている方だと、HTMLバリデーターでチェックする習慣があった、という方もいらっしゃると思います。

ここで混ざりやすいのが、「HTMLが正しい=順位が上がる」という期待です。

実際、HTMLが完全にバリッドだからといって、それだけで何か有利になるわけではないわけです

ただし、この話を「HTMLは適当に書いてよい」と受け取ってしまうと、少し危ういと思っています。

過去にあった“歪み”が、誤解の出発点になっている

この話の背景として、昔は「H1が重要だ」と言われ続けた時期がありました。

そうすると一部では、何でもかんでもH1でくくる、といった極端なやり方がテクニックとして広がりました。当然構造としてはおかしいですよね、全部見だし1なんて。

こうした“ランキング操作”の発想が広がると、HTMLが本来持つ役割(意味づけ)とは別の目的で、構造そのものが壊れていきます。

その反動として、「SEO目的でHTML構造をいじるのは意味がないから、やめましょう」というメッセージが前に出てきた、という流れだと私は捉えています。 これはコンテンツでも同じで、ランキング操作を目的とした作り方ではなく、ユーザーにとって役に立つものを作るべきだ、という話と地続きです。

結論:バリデーター満点は不要。でも基本の構造は整えたほうがよい

まず結論から言うと、私は「ある程度はきちんと作っておいたほうがよい」という立場です。

ここで言う「きちんと」は、バリデーターで100点を狙う、といった話ではありません。本文はp、見出しは見出し、箇条書きはリスト、といった“最低限の意味づけ”を揃える、という話です。

そして、この「最低限」が効いてくるのは、順位そのものというより、検索結果の見え方や情報の取り出され方です。実際、見出し(h要素)やタイトル(title要素)などを整えると、スニペットやサイトリンクの出方が変わることがあります。つまり、検索エンジンがそこを見ていない、ということはないはずです。

最低限、揃えておきたいマークアップ

「divで全部作っても見た目が整っていればよい」と考えたくなる気持ちは分かります。

ただ、AIによる要約や抽出まで含めて考えるなら、要素の意味が分かる形にしておくほうが安全です。 私が“最低限”として揃えたほうがよいと思うのは、次のあたりです。

文章・見出し・引用の基本

  • 本文はp(段落)で区切り、見出しはh2/h3…の階層でそろえる
  • 箇条書きは、順序付きリスト(ol)/順序なしリスト(ul)を使う
  • 引用はblockquoteを使い、引用であることが分かる形にする

ページの区切りを“意味”で伝える

最近は、メインコンテンツをmainでくくる、ヘッダーはheader、フッターはfooter、サイドはaside、といった“意味のある要素”が揃っています。 このあたりまで整えておくと、「どこが主コンテンツなのか」「どこが補助情報なのか」が伝わりやすくなります。

表組みは、表として伝える

表を表として伝えるなら、thとtdを使い分ける、必要に応じてthead/tbodyなどでまとまりを分ける、といった基本を押さえるのがよいと思います。 表を見た目だけで作ってしまうと、情報の取り違えが起きやすくなります。

AI時代に“誤解されない努力”が必要になる

これから情報量はさらに増えます。AIがページの一部を拾って要約したり、複数ページの情報を組み合わせて文章を作ったりする場面も増えるでしょう。

そのとき、ページの構造が雑だと、AIが「どれが見出しで、どれが注釈で、どれが価格の表なのか」を取り違えやすくなります。

私が特に気になるのは、価格や提供内容など、誤解がそのまま不満につながりやすい情報です。

もしAI生成の部分で、安いプランの価格と上位プランの内容が混ざったような見え方をしてしまったら、ページに来た方は期待と現実の差でがっかりしてしまいます。 その意味で、私たち側も「正しく拾われるための下準備」をしておく必要がある、と感じています。

「HTML構造はランキングに関係ない」の読み取り方

 ここでポイントだと思うのは、話の文脈が「HTMLをランキング操作のためにいじるな」という方向にあることです。

さらに、その説明として「もしネット上のサイトが全部同じ構造だったら、すごくつまらないよね」という趣旨の言い方も出てきます。

これは、ヘッダーがあって、その下にメニューがあって、右にサイドバーがあって……といった“レイアウトの型”を、SEOの正解として固定したくない、という話として読むのが自然だと思います。つまり、サイドバーの有無のような大枠の配置で、SEOの良し悪しが決まるわけではない、ということです。

ここから「だから、HTMLは適当に書いてよい」と結論づけるのは、少し飛びすぎではないでしょうか。見出し、段落、リスト、表といった基本の意味づけは、むしろ丁寧にしておいたほうが、取り出しやすさの面で堅いと思います。

CSSはどう考えるか

CSSについては、HTMLほど神経質にならなくてよい、という感覚があります。もちろん、見出しが見出しに見える、本文が本文に見える、といった視覚的な分かりやすさは大切です。

ただ、CSSをきれいに分割して整形する、といった“整え方そのもの”をSEOのために優先する必要は、そこまで高くないと感じています。

現実的な落としどころ:ビジュアルエディターを活用しつつ、ソースを見る習慣を持つ

「面倒だな」と感じる場合は、ビジュアルエディターをきちんと使う、というのも一つの方法です。WordPressなどでも、一定の品質でHTMLを出してくれるケースは多いです。

一方で、貼り付け方によってはpがdivに変わったり、不要な要素が増えたりすることもあるので、完全に任せきりにせず、自分たちのサイトのソースがどうなっているかを時々見る習慣があると安心です。

HTMLは、全部を手で書ける必要はありません。

ただ、最低限の構造が分かるだけでも、制作や運用の判断がしやすくなります。 優先順位が最上位というわけではないのですが、「意識として持っておくと後で助かる」領域だと思います。

まとめ

HTMLがバリデーターで満点だから順位が上がる、という話ではありません。

けれども、段落・見出し・リスト・表といった基本の意味づけを整えておくと、検索結果の見え方や、AIが情報を取り出す場面での誤解を減らしやすくなります。

特に、価格や提供内容のように誤解が致命的になりやすい情報ほど、「正しく伝わる下準備」をしておく価値は高いと感じています。

関連リンク

FAQ

HTMLをバリデーターで100点にすると、SEOで有利になりますか?

満点であること自体が、直接ランキングを押し上げる、という話ではありません。 ただし、段落・見出し・リストなどの基本が崩れていると、情報の取り出され方に影響が出ることがあるため、最低限の構造は整えておくほうが安心です。

本文をすべてdivで作っても問題ありませんか?

見た目だけなら成立してしまうこともありますが、段落(p)や見出し(h要素)の意味が失われると、読む側にも検索側にも意図が伝わりにくくなります。 AIが要約や抽出をする場面まで考えると、本文はp、見出しは見出し、といった基本の使い分けをおすすめします。

見出し階層(h2/h3など)を整える意味はありますか?

順位を直接上げるためというより、ページの構造を正しく伝えるために意味があります。 見出しが整っていると、検索結果での情報の出方が変わることもあり、内容の理解にも役立ちます。

AI生成の検索結果で誤解されるのを防ぐには、何を意識すべきですか?

価格や提供内容など、誤解が不満につながりやすい情報ほど、表はth/tdで表として組む、箇条書きはol/ulにする、といった“意味が分かる形”を意識するのが大切です。 AIが拾う場所を人が完全に確認し続けるのは難しいため、誤解が起きにくい土台を作る発想が有効だと思います。

CSSはSEOのために細かく整えるべきでしょうか?

CSSの整形自体をSEO目的で優先する必要は高くない、というのがこの回の結論です。 それよりも、HTML側で段落・見出し・リスト・表などの基本を整え、内容が正しく読み取られる状態を作ることが先だと考えています。

配信スタンド

■Podcast /Webinar への質問は

こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7

運営・進行

株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)

代表取締役・コンサルタント 中山陽平

Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/

[無料週間メルマガ] Webコンサル通信 - 中小企業に活用に役立つヒント・トピックスをお届け
このホームページをフォローする
中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.)