第565回:AI-SEOだけ行っていませんか?AI検索対策で重要なのは今まで通りの土台強化

Podcastの概要

話題のAI検索対策、焦っていませんか。AI Overviewでの露出も、実はサイトの総合評価が重要です。中小企業が今優先すべき、費用対効果の高いSEOの本質をお伝えします。

Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問

話題のAI検索対策(FAQ作成や構造化データなど)は、すぐにやるべきですか?
サイト全体の品質や評価がまだ高くない場合、それだけを行っても効果は限定的です。まずは良質なコンテンツの作成やサイトの使いやすさの向上など、基本的な施策に取り組むことが先決です。
GoogleのAI Overviewで自社のサイトを表示させるには、どうすればいいですか?
AI Overview単体を狙う特別な施策よりも、サイト全体の評価を高めることが重要です。Googleから評価されるような、ユーザーにとって価値のあるサイト作りが、結果的にAI Overviewでの露出に繋がります。
サイトの評価がまだ高くないのですが、AI時代には何から手をつければ良いですか?
AIを意識しすぎず、従来通りの基本的なSEO対策から始めるのが最も効果的です。ユーザーのニーズに応えるコンテンツを充実させ、サイトの構造を分かりやすく整えるなど、基礎を着実に進めましょう。
ChatGPTのような生成AIへの対策も必要になりますか?
最新のChatGPTは、外部の検索エンジンから情報を引用する傾向を強めています。そのため、Googleで評価されるサイトを作ることが、結果的にChatGPTで引用される可能性を高めることになります。特別な対策は現時点では不要です。
コンテンツを増やしたいのですが、社内の協力が得られず進みません。どうすればいいですか?
コンテンツ作成が進まない問題は、多くの場合、社内の情報共有や協力体制といった組織的な課題に起因します。関係部署との対話を通じて、情報発信の重要性やメリットを共有し、協力体制を築くことから始める必要があります。

AI検索時代、中小企業が本当にやるべきSEOとは

AI検索が本格化する中で、ウェブサイトの活用について、多くの経営者やウェブ担当者の方が新たな課題に直面しているのではないでしょうか。今回は、AI検索時代を見据えたウェブ戦略、特にSEOについて、今本当に取り組むべきことは何かをお話しします。

巷で話題の「AI対策」、その効果と注意点

最近、「AI対策」という言葉をよく耳にするかもしれません。具体的には、以下のような施策が挙げられます。

  • FAQコンテンツを作成する
  • 構造化データを実装する
  • ページの冒頭で、この記事から得られる情報を要約する

これらの施策は、ユーザーにとって分かりやすさを提供する上で、確かに効果的な側面もあります。ページの最初に何が得られるか書いてあれば、読む側としては助かります。

しかし、ここで一つ注意したい点があります。それは、これまでウェブサイトのコンテンツやユーザー体験の向上にあまり取り組んでこなかった場合、「AI対策」さえ行えば一気に状況を逆転できる、と考えてしまうケースです。これは、残念ながら効果的とは言えません。

AI検索とサイト評価の密接な関係

なぜ、小手先の「AI対策」だけでは不十分なのでしょうか。それは、GoogleのAI検索(AI Overviewなど)での露出が、ウェブサイトの根本的な評価と深く結びついているからです。

Googleコアアップデートから見える傾向

最近のGoogleコアアルゴリズムアップデートの動向を見ると、一つの傾向が浮かび上がってきます。それは、アップデートによって検索順位が下がってしまったサイトは、AI Overviewでの露出も同様に減少している、という点です。

これは、AI Overviewが何か特別な基準でコンテンツを選んでいるのではなく、あくまでGoogleの検索エンジン全体の評価に基づいていることを示唆しています。AI Overviewは、Googleがコンテンツを見せるための「表現形態の一つ」に過ぎないのです。

小手先の対策より「サイトの基礎体力」が重要な理由

つまり、AIに引用されたり、AI Overviewに表示されたりするためには、まずGoogleから「品質の高い、価値あるサイトだ」と評価されていることが大前提となります。サイト全体の評価、いわば「サイトの基礎体力」がなければ、いくらAI向けの対策を施しても、結果には結びつきにくいのです。

ですから、AIという言葉に惑わされることなく、まずは自社のサイトがユーザーにとって本当に役立つ情報を提供できているか、使いやすい構造になっているか、といった基本的な部分を見直すことが重要になります。

ChatGPTの動向から考える今後のウェブ戦略

AIと言えば、ChatGPTの存在も無視できません。このChatGPTの進化もまた、基本的なサイト評価の重要性を示しています。

ChatGPT-5は「知識を持つ」から「道具を使う」モデルへ

最新のChatGPT-5は、これまでのモデルとは異なり、膨大な知識を自身の中に蓄えるのではなく、外部のツール(検索など)を使って理論を組み立てる能力を強化しています。実際、利用していると頻繁に外部へ情報を探しに行くようになりました。

では、どこに情報を探しに行くのか。断言はできませんが、現状ではGoogleの検索エンジンである可能性が非常に高いと考えられます。これはつまり、Google上で評価されている情報が、ChatGPTによって引用される可能性も高まるということです。

結論:今、取り組むべき最も費用対効果の高い施策

ここまでお話ししてきたことを踏まえると、AI検索の時代において中小企業が取り組むべき、最もコストパフォーマンスの高い施策が見えてきます。

AIを意識せず、基本的なSEOに立ち返る

現在、ウェブサイトからのアクセスがあまり集まっていないと感じているのであれば、まず取り組むべきは、AIを過度に意識しない、従来通りの基本的なウェブサイト改善です。

  • ユーザーのニーズに応える質の高いコンテンツを提供する
  • サイトの内部構造を整理し、ユーザーが情報を探しやすいようにする
  • サイトの表示速度や操作性を改善する

こうした地道な取り組みでサイト全体の評価を高めることが、結果としてGoogleのAI検索やChatGPTでの露出にも繋がっていきます。遠回りに見えて、これが最も確実な道筋です。

コンテンツ作成の壁は「組織」の壁

「言うは易し」で、質の高いコンテンツを継続的に作るのは簡単ではありません。ウェブ担当者の方が一番感じていることだと思います。この問題の根っこは、技術的なことよりも、むしろ社内の協力体制といった組織論にあるケースが少なくありません。

お客様と接点のある現場から有益な情報を吸い上げ、それをコンテンツとして発信する。この流れがスムーズに機能しているかどうかが、ウェブ活用の成否を分けます。時には、部署間の連携を促し、情報発信の重要性を社内全体で共有するような、泥臭い調整も必要になります。

まとめ

AIという新しい言葉が登場すると、つい特別な対策に目が行きがちです。しかし、現状では、まず自社のウェブサイトの基礎を固めることが何よりも重要です。ユーザーと真摯に向き合い、価値ある情報を提供し続けること。その本質は、AIの時代になっても変わりません。

新しい手法に飛びつく前に、まずは自社のウェブサイトの現状を見つめ直し、基本的な改善から着実に進めていくことをお勧めします。

詳細はPodcastをお聞き下さい。

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