第114回:メルカリの脅威は安さではない、物の動きを加速させたこと

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • メルカリの本当の脅威は安売りではなく、物が人から人へ流れる速度を一気に上げたことだと分かる。
  • 利用が広がった理由は価格だけではなく、スマートフォンで売買が完結する気軽さにあると見えてくる。
  • 小売やメーカーは、中古市場を横目で見るだけでなく、新品で買う理由そのものを作り直す必要があると理解できる。

安さより先に見るべき変化

メルカリの話になると、どうしても「安く買えるから広がった」という考え方・方向性が強くなります。もちろん安いのは事実です。ただ、この回で本当に強調したいのはそこではありません。もっと大きいのは、物が市場を回る速さそのものが変わったことです。

買うだけでなく売る側にも回っている

配信の中でも触れているように、フリマアプリは見ているだけの人だけで成り立っているわけではありません。買うだけではなく、自分でも出品し、また次の物を買う。そうやって一人ひとりが流通のハブになっています。ここが、単なる安売りの場として見るだけでは足りない理由です。

メルカリが広がる本当の理由

なぜここまで広がったのか。私は、安さ以上に「気軽さ」が大きいと思っています。人は理由を聞かれると価格を答えやすいのですが、実際の利用体験を見ていくと、それだけでは説明しきれません。

スマートフォンで完結し、恥ずかしさが小さい

メルカリでは、出品から購入、やり取り、発送までスマートフォン中心で進められます。昔のネットオークションのように、パソコンが前提で、操作にも手間がかかる世界とは違います。さらに、店舗へ持ち込んで値段がつかなかった時の何とも言えない気まずさもありません。売れなければ取り下げればいい。こうした心理的なハードルの低さが、物を動かす頻度を一気に上げています。

一つの商品が満たす需要が増えていく

この変化が怖いのは、一つの商品が満たす人数や満足の総量が増えていくことです。以前なら、新品で買われた後、中古店や古本屋を経て、何段階かで価値が落ちていく流れでした。ところが、今は買った直後にかなり高い価格で次の人へ回せてしまうんですよね。

100の商品が250の価値を生む世界

配信内では、本やコミックのような分かりやすい例が出てきます。100で売れた商品が、以前は全体で160程度の需要を満たしていたものが、メルカリのような場を通ると、70や80で次へ回り、さらに50、20、10と何人もの手を渡って、合計で250近い価値を生むこともある。言い換えると、新品を一つ売っただけで、思っている以上に多くの需要がそこで満たされてしまうわけです。

影響を受けるのは中古店だけではない

この構造を見ると、打撃を受けるのは中古品を扱う店だけではありません。最初に新品を作っているメーカーや小売も、確実に需要を削られます。特に本、ゲーム、ホビー、コミック、アパレル、子ども服のように横流しされやすいものは、その影響が強く出やすいはずです。

新品で買う理由を作れないと食われる

人は一度買った物をずっと使い続けるとは限りません。ある程度使って満足したら次へ流す。その行動がとても簡単になったことで、本来なら新品購入につながっていた需要が、セカンドハンド市場で先に吸収されるようになりました。だからこそ、新品で買うことでしか得られない価値をどう作るかを、早めに考えなければいけません。

物販以外にも広がる可能性がある

さらに怖いのは、こうした流れが物だけで終わらないかもしれない点です。配信でも、メルカリがサービス的なものへ手を伸ばし始めている話が出ています。根本にあるのは、物やサービスが人から人へ移る速度が上がることです。この変化は、業種の表面だけを見ていると見落とします。

自社商品も常に流通する前提で考える

自分たちが売った商品は、販売した瞬間に消費されて終わるのではなく、その後も市場を回る可能性があります。その前提で、ブランドの作り方や商品設計、サポート、価格の考え方を見直す必要があります。うちは新品を売っているから大丈夫、と切り分けるのはかなり危うい考え方・方向性です。

まとめ:脅威は価格ではなく流通速度

メルカリの怖さは、安売りの場が一つ増えたことではありません。スマートフォンで誰でも気軽に売り買いできることで、物が市場を回る速度が急激に上がり、一つの商品が満たす需要の総量まで増えてしまったことにあります。その結果、新品市場の需要が静かに削られていく。小売やメーカーは、価格競争だけでなく、新品で買う意味をどう作るかという視点でこの変化を見ておく必要があります。

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