ホームページから成約や問合せを得るためには、どうしたらいいのでしょうか?
これには様々な答えがあります。また、改善すべき点はケース・バイ・ケースです。ある事例の改善策がそのまま自社に通用するかというと、そうでもないことが多いです。
とは言え、基本的な部分は共通していることが多いのも事実。
例えるなら、短距離選手がタイムを上げるためには、何はなくともまず筋力づくりと走り方の矯正を行うことが必要なのと同じ。「この辺りはどんなサイトでも押さえるべきだよね」というポイントがあります。
今回はそこに関する4つの項目をご紹介します。項目のネタ元は「5 Website Mistakes Costing You Conversions — socialmouths」から。押さえるべきポイントが上手くまとまっている記事です。
記事の内容自体は、日本にそのまま持ってくるのもなという点や、あるいはかなり一般的な物も多いので、内容についてはこのブログオリジナルで書き下ろしていきます。
「ホームページから成約しない…なぜ?」そんな時まずチェックしたい4項目とその理由です。
まず、4つのポイント
4つのポイントは以下です。
- バリュー・プロポジションが明確ではない、直感的に分からない
- CTA(反応装置・CallToAction)がバラバラかつたくさんある
- ユーザーにとって使いづらい
- 信頼させる要素がない
まずはこの4ポイントを見て、自分のサイトはどうなんだろう?と少し考えてみることを、おすすめします。
バリュー・プロポジションが明確ではない
バリュー・プロポジションというと、なにか難しいイメージになります。実際、うまく日本語に訳せない言葉でもあります。
これは、言い換えると「このサイトはどんなことを私にしてくれるの?」という点が、お客さんに伝わっていないということです。
そうなってしまう理由はたくさんあります。良くあるのは
- キャッチコピー等のメッセージが、分かりづらい。あるいは売り手目線である。
- そもそも、バリュー・プロポジション的なものがどこにも書いていない
- サイト全体でメッセージに一貫性がなくバラバラである
この3つです。
例えば…
一番わかり易いのは、例えば全ページのヘッダー部分に自社の名前と電話番号くらいしか入っていないケースです。
これは、有名な企業なら別です。具体的にはTVCMを全国なり、地域商圏ならその地域でCMなど打っているような企業なら、会社名だけでも行けるかもしれません。
しかし、大概の企業はそうではありません。ただ単にヘッダー部分に会社名だけ入れても、そのサイトがどんなサイトなのか、何をしてくれるサイトなのか全然分かりません。これでは伝わりません。
中学生が3秒で理解できるレベル
よく、中学生が3秒で理解できるレベルにせよ、と言われます。つまり「直感的」で「分かりやすい」事が必要。会社名だけではなく、タグラインとして「私は何をあなたに提供する企業なのか」を書き添えることが必要です。
※タグラインてものすごく大事です
トップページのメインビジュアルも同じ。「デザイン的にきれいにまとめる」ためのスペースではありません。「直感的に」「このサイトが提供する価値を」「相手に響く言葉で」伝えるとても貴重な場所です。
…
その観点で、一度見なおしてみることをおすすめします。また、実際に中学生に見てもらうのもいいですね。さっと見て「なんだこれ?」という顔になったら危険信号です。(そもそも中学生が知らない商売なら仕方ありませんが)
「一貫性がない」ことの恐ろしさ
一貫性がない、というのは、例えば
- あるページでは、自社の一番の強みは◯◯だ、と書いてある
- 社長メッセージでは、うちの会社は△△が自信がある、強みなんだ、と書いてある
といった場合です。サイトを制作するときの制作側の意識合わせが足りなかったのか、あるいはそもそも会社としてその辺りの統一が取れていなかったのか。どちらにしても、メッセージはとにかく「一貫性」が大事です。
作っている方は前提知識があるのでいいですが、お客さんは「素人」です。「素人」ほど、細かいところの差に気づきますし、気にします。違和感があれば、他のサイトに行ってしまうでしょう。
言うことがコロコロ変わるセールスマンみたいなものです。
CTAがバラバラかつたくさんある
CTAとはCallToActionのこと、簡単にいえば「お問合せは今すぐこちらから」であったり「メールマガジンを購読する」といった、相手の動きを呼び起こすボタンなどのことです。なので、アクションを呼ぶ、Call To Actionと呼ばれています。
レスポンスデバイス(反応装置)と呼ばれることもありますが、基本的には同じ意味です。
結論から言いますと、CTAは、そのサイトでお客さんに達成してもらいたいものに対してのみ使うべきです。
例えばそのサイトの目標が問い合わせ誘導なのなら「電話問い合わせ」「フォームからの問合せ」の2つ。これをいかに行わせるか。その為に文言や位置、色やデザインなどを最適化していきます。
…
しかしこのCTAが10種類も15種類もあったらどうでしょうか。
例えそのサイトのコンセプトに魅力を持ったとしても、次に「問合せ」すべきなのかそれとも「購入」すべきなのか、はたまた「会員登録」すべきなのか、その動線が見えてこないと、買い手は逃げてしまいます。
買い手はとてもストレスを嫌います。自分をもてなしてくれる分かりやすいサイトの方が、例えば多少商品が高くても、購買率は高くなることが多いです。
- CTAは、必要な物だけに絞り込んでおく
- CTAが複数ある場合はCTA同士はひとまとまりにする方が分かりやすいことが多い。その上で「◯◯な方はこれ、△△な方はこれ」というように、こちらで選ぶ基準を提示してあげると、分かりやすくなる
この辺りを押さえていただくといいのではないかと思います。
そこら中に「おでん半額」「お弁当2割引き」「おにぎり半額」「パスタ増量中」とベタベタ貼ってあるコンビニで「結局、今は何を推してるんだよ…」と思われた経験はないでしょうか。それと同じです。
ユーザーにとって使いづらい
これはシンプルに「使い勝手の問題」と捉えて頂いてもOKかなと思います。ユーザビリティなどの部分とも重なるところです。
デザイン面、今はスマートフォン対応も大事ですね、その辺りがしっかりしているのは、まず最低条件です。
それ以外にもソフト面での「使いづらさ」がある
ただ、そういった「いわゆる使いやすさ」はきちんと整備されているのに、使いづらいサイトというのはあります。
それは「お客さんの立場になって作られていないサイト」です。
一番多いのは「言葉遣い」です。ターゲットとするお客さんが分かるような言葉になっていないケースです。
例えば
- お客さんが理解できないような専門用語(テクニカルターム)を使う(それでオーソリティを出せていると思ったら大間違いです)
- 前提条件を知っていないと分からないことを、前提条件を書かずに書いてしまう(お客さんは素人)
- お客さんが読んでくれると根拠なく信じている、そのため、読みづらく・長く・改行されていない文章がずらずらと続いている。
こんなことが、結構あります。相手の立場になって見なおしていないと、こうなってしまいます。
お客さんが素人なのなら、本当は、もっともっと噛み砕いて、それこそ中学生でも分かるような文章にする必要があります。なぜなら、言葉が伝わらなければ、そこにコメられたメッセージだって伝わらない、メッセージが伝わらなければ、物も売れないからです。
信頼させる要素がない
意外と忘れられがちなのがこれです。買い手はあなたのことを、全然知らないことがほとんどです。
みなさんは、自分のことをよく知っています。どんなサービスをどのくらいのクオリティで提供しているのか知っています。しかし買い手は違います、一番最初はあなたのことを何も知らないわけです。
全然知らないわけですから、最初は疑ってかかります。疑ってかかられている状態で、物が売れることはまずありませんよね。
それを払しょくするために、例えば
- 会社概要を、ただのカタログ的な内容にするのではなく、企業した時の想い、であったり、過去の歴史などを織り交ぜて、人間臭くする
- 社員の顔が見える会社にする、紹介ページを充実させる
- 過去の客観的実績があれば、それを客観的に見せる
- お客様のアンケートや喜びの声などの「客観的」情報があれば、どんどん載せる
などが、必要になります。
どんな商売もまず「あなたのところはほんとうに大丈夫なの?」から入ります。信頼感コンテンツはとっても大事です。
まとめ
この4つのポイントはぜひとも再度見なおしてみることをお勧めします。
経験上、この辺りを改善するだけでかなり変わります。何もしていないサイトなら、言葉の使い方とメッセージの作り方、そして信頼性をきちんとアピールするだけで、大きく改善することも少なくありません。
人間、例え5個いいところがそのサービスにあっても、気になる1つの穴がそのサービスに空いてしまっていたら、申し込まないものです。リスク回避の方が優先度が高いんです。
その一つの穴のせいで、他のいいところが全部無視されてしまうのでは、とても「もったいない」ですよね。
この記事がお役に立てていれば幸いです。
Photo by Nedster78
中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから