世界中のホームページの情報を集め、その情報を「検索結果」という形で出力する。しかもそれを「利用者が使いやすく・有益なもの」するために、Googleは複雑なアルゴリズムを日々進化させています。
そのため、Googleの「アルゴリズム(algorithm)」はとても複雑になっています。
しかし、おおまかな姿を把握しておくことは、SEOに直接携わらない人でも大事なことです。情報の良し悪しや成否の判断ができることは、誰にとってもメリットが有るはず。なぜなら、検索エンジン経由でのアクセスはほぼすべてのサイトで重要だからです。
そこで今回は、このアルゴリズムの全体イメージを図解した記事をご紹介します。
例えば「ハミングバード(Hummingbird)になったというけれども、ペンギンやパンダはもうなくなったの?統合されたの?」「手動ペナルティはペンギン・アップデートなの?」といった疑問をきれいに解消できるようになります。
今回はそんな話題です。
記事はこちら。▶A [Poorly] Illustrated Guide to Google’s Algorithm – Moz : https://moz.com/blog/a-poorly-illustrated-guide-to-googles-algorithm
最終的な姿
最終的にはこのような感じになります。(画像は引用です。日本語は当サイトで追加しました)
ハミングバードは、青い部分の改変でした。真ん中のところにイラストも入っています。このど真ん中が今までのページランクアルゴリズムからハミングバードになったんですね。
カフェインアップデートはインフラのアップデートでしたが、今回のようなアルゴリズムの大きな変化は過去初めてと言われています。
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ではここからは、この頭が出来る過程について追いかけていきます。
※SEOを専門とする人にとっては、もしかしたら細かいところで突っ込みや解釈の違いはあるかもしれません。しかし、どんなことでも、最初はまず大きく把握しなければ。
以下、図のみは全て元のブログ記事からの引用です。
1.最もシンプルな形
まずは最もシンプルな形からスタートです。
クローラがWEBを巡回して集めた情報を元に、Googleは「インデックス」を作ります。このインデックス自体はただのリストです。
そしてそのインデックスに対して、
- リンクの貼られ方(狭い意味でのバックリンク)
- 地域情報
- Google+やAuthorShipなどのソーシャル情報
- 最近のトピックであるナレッジグラフの情報
- などなど
を、検索結果に出すものの絞り込みと、検索順位を決定するための「メタ情報的なもの」として加えます。
検索順位の決定要因になっているものもあれば、そうでないものもあります。特に、エンティティなどは、絞り込みの部分ですね。ソーシャルについては不明な部分が多いので、ここは曖昧にしておきます。
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それをもとに、アルゴリズムが「検索順位」や「どんな検索結果を出すのか(ローカル情報を入れる入れないなど)」を決めます。
また、アルゴリズムは「関連性のあるサイト(Relevance)」に絞り込んだ上で「順位(ranking)」を決めます。
なのでGoogleにきちんとサイトテーマを伝えることが大事だったりしてきます。この段階でフィルタリングされたらどうしようもないので。
これが基本となる仕組みです。
2.いろいろと検索結果にはオマケがついてくる
では、これだけで検索結果が決まるかというとそういうわけでもありません。
検索したキーワード(クエリ)によっては、
- 画像検索結果がくっついてくる(バーティカル・Vertical)※Verticalは画像検索のみではありません、詳しくはこちら
- Google+ローカル(Googleプレイス)など地域情報がくっついてくる(ローカル・Local)
- Google+1の情報やAuthorShip情報がついてくる(SOCIAL)
ということがあります。これによって見た目上のランキングが変わります。リランキングされます。ローカルは最も分かりやすいかもしれません。
ローカル情報が大事となれば、最大7つくらいローカル情報が入り込んできます(7-pack)。1ページ目に表示されていたサイトが多数2ページ目に押し出されてしまったりします。
こういった情報の挿入を「順位変動」と捉えるべきかどうかは、意見の別れるところですが、少なくとも利用者目線では順位は変わっています。なので順位変動と捉えるべきかと思っています。
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ちなみに、検索結果はとてもたくさんのパターンが有ります。
具体的にどんなものがあるかは、3ヶ月ほど前にまとめましたのでこちらの記事をご覧ください。
3.ここに手動ペナルティや否認ツール、パンダやペンギンの情報が加わる
そしてここに、ペナルティ周りの情報が加わっていきます。
そうすると冒頭の姿になります。
これを見ると、手動ペナルティやリンク否認ツール、パンダ・アップデートやペンギン・アップデートが、今回のハミングバード化には直接関係がないことが分かります。
もちろん、中心となるアルゴリズムが一新されていますので、全体として結果が変わってくる可能性はあります。
ただ「ペンギンは消えた」「パンダはハミングバードに吸収された」といった捉え方は、仕組みを考えると適切ではない、ですよね。
終わりに
おおまかにこういったイメージを持ってもらえると、ズレはないかなと思います。
細かくいえば、いろいろと意見の別れるところもあるかもしれません。もっとこういう要因も大事にスべきだということがあるかもしれません。
しかし、まず大きく把握することが大事です。
どんなSEO情報もノウハウも、この図をまずイメージして捉えてみると
- 本当にやっても大丈夫なのか
- やってみる価値、意味があるのか
- 正しいか正しくないか
がある程度判断できるようになります。また、そもそものサイトの問題点が分かってきます。例えばGoogleのインデックスにきちんと登録されていなのにもかかわらず、ソーシャルの心配をしても仕方ない、など。
怪しいSEO情報に眼をくらまされないためにも、直接SEOに関わらない人であっても、覚えておくといいのです。
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元記事も合わせてご覧ください。一部途中経過を省いておりますので。
▶A [Poorly] Illustrated Guide to Google’s Algorithm – Moz :
https://moz.com/blog/a-poorly-illustrated-guide-to-googles-algorithm
付記:ハミングバード導入の際のネットの声まとめ
Googleが15周年パーティの折に発表した、新アルゴリズムへの移行。
今までのPageRankアルゴリズムからHummingbirdアルゴリズムへ。
いったいハミングバードとはどんなものなのか、いつから変わるのか、SEOはどうすればいいのか、パンダやペンギンはどうなるのか…さまざまな疑問と憶測が舞い飛んでおります。
手元のデータ、お客さんの状況が大きく変わっていないので、私としては、実際のデータ変動のレポート記事などが上がってくるまでは、様子見です。
グーグルも、推奨するSEOの方向性は変わらない、と述べているようです。
具体的には高品質でオリジナルなコンテンツを作っていくのがいい、と述べているようです。従いまして、敢えてという意味も含めて、同じようにしばらく動いていくつもりです。
※実際、そんなに表向きはまだ変わらないのかなと思っていたり。
とは言え、各所の反応は追いかけました。推測も含めて、押さえておくべき情報がひと通り入っているかと思いますので、速報として御覧ください。
Search Engine Landより
まずは定番Search Engine Landから。発表の内容をまとめています。Google側からの回答と考えていいです。
FAQ: All About The New Google “Hummingbird” Algorithm
- ハミングバードという新しい検索アルゴリズムが導入された
- すでにひと月前から導入されている
- PageRankアルゴリズムが死んだわけではない。PageRankアルゴリズムは、Hummingbirdの中で、ページの価値やリンクの価値を知るために、参照される(使われる)
- ペンギンやパンダなどのアップデートは、どうなるのか。変わってくるのか。Googleの回答としては「全く同じではないが、似たような仕組みは入っている(エンジンの話に例えて)」
- 「Conversational Search」を強く進めていく。例えば「What’s the closest place to buy the iPhone 5s to my home?(iPhone 5sを買えるいちばん家から近いところはどこだい?)」といった質問に答えられるようにする。
- SEOは死んだのか?という質問に対しては「NO」だ。今までどおり、高品質でオリジナルなコンテンツを作ってもらうのがいい。各種シグナルも引き続き重要だ。
- 「エンティティ・サーチ(Entity Search)」なんだ
Search Engine Watchより
「Search Engine Watch」Danny Goodwin氏の記事です。氏の推測や意見です。
- Googleは静かに大きな検索エンジンのコア部分を変更した
- 全世界の90%の検索者に影響が出るという(ということは、日本もですな)
- より複雑なクエリ(キーワード・キーフレーズ)に対応するために変えたとのことだ
- 実際にHummingbirdがどう動くか、いろいろと質問が会場からはあったようだが、具体的な答えは無かった模様だ
Forbesより
Forbesの記事より。イベントの後にGoogleで自然言語に関するプロジェクトのエンジニアをやっているScott Huffman氏に聞いた際の、氏の答えが紹介されています。
Meet Hummingbird: Google Just Revamped Search To Answer Your Long Questions Better – Forbes
- Hummingbirdという新しいalgorithmにした大きな原因の一つは、自然言語に対して強くなる必要があったことだ
- なぜなら、スマートフォンでの音声検索などが広まってきたからだ。それに対応できるようにGoogleはならなければならなかった。
- 自然言語に寄る検索が増えて、よりいろいろな言葉(terms)が検索に使われるようになった時、Googleはどう対応するのか。それは「コンテキスト」の理解がポイントだ。
- コンテキスト(文脈)をGoogleが理解できるようになれば、クエリが複雑になっても、Googleは正しく検索社の意図を把握し、適切な答えを返すことができるだろう
そのためにナレッジグラフもある、ということです。ナレッジグラフをぐりぐりと進めてきたのはこのための布石だったと考えて良さそうです。「検索エンジンは、検索者と自然な会話ができるようになる」ともScott氏は言ったそうです。
SEO by The Sea より
SEO by The SeaといえばGoogleのパテント(特許)ですが、今回も、この特許がHummingbirdでは?という記事がアップされています。
The Google Hummingbird Patent? :
特許の内容は、イマイチよく分からなかったのですが、同義語や共起語が重要だということになりそうです。
各変動チェックサイトの動向
Moz(SEOmoz)のMOZCAST天気予報も特に大きな変動はないような…。8月28日より前だったら、分かりませんが。
ディーボさんのnamazも特に8月末〜9月頭に変動なし
精錬雨読さんも、データの転載は致しませんが特に異常値はないような。
…
多方面からの続報を待ちたいと思います。
中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから