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「顧客中心主義」を目指すときの最大の敵は”手段と目的が一体化すること”

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「顧客中心主義」を目指すときの最大の敵は”手段と目的が一体化すること” 顧客中心主義(カスタマーセントリック)という概念があります。

この言葉の意味については、たくさんの方が記事を書かれているので詳細は省略します。

一言でいえば「買い手のことを真ん中に据えて商売を行っていこうね」ということでしょうか。

恐ろしいほどの商品力を持っている企業を除けば、顧客中心主義の姿勢を取ることは、大切というより必須の領域に入っていると考えるべきです。コンテンツ戦略インバウンドマーケティングの大前提でもあります。どうしたら顧客中心主義でビジネスを回すことができるようになるか、は今後生き残るための大切な論点です。

そして、それを考える大前提として押さえておくべきポイントがあります。それは「手段と目的の一体化を避けること」。

こうなってしまうと、一貫性を欠いた混乱とカオス状態のマーケティングに一直線。成功には遠ざかってしまいます。

では、避けるべきこの「一体化」。
具体的にはどういうことでしょうか?何に気をつければ良いのでしょうか。

「うちは顧客中心になっているかな?」「どうやったらカスタマーセントリックになれるだろうか?」という疑問をお持ちの方は、ご覧下さい。

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1,「顧客中心主義」という言葉が持つあいまいさ

顧客中心主義というのは、あまりに大上段過ぎてつかみ所がない。そう感じられたことはないでしょうか。

日本でも「顧客第一主義との違い」などの文脈で、そうじゃないんだよという観点で語られることが多いですね。これは海外でも同様です。

例えば、FutureLabに「Why Your Organisation Is Not Customer-centric even if It Is Customer-centric | Futurelab」 という記事があります。

この記事の中では「カスタマーセントリック、つまり顧客中心主義をしているつもりでしていないことがあるよ」という警鐘が鳴らされています。長めの記事ですが、ぜひ元記事もご覧下さい。

 

この中で、顧客中心主義という言葉が持つあいまいさが語られています。

例えばこの2つの例をご覧下さい。

  1. 買い手の事を考えて、どうしたらターゲットに商品やサービスを売ることができるのかを考える
  2. 買い手の生活が豊かになることを目指して、企業活動を行う

これは「考える際に”モラル”という観点を含むか含まないか」によって起こるズレです。

こういった曖昧さに最も注意すべきだと、FutureLabの記事でも述べられています。

 

これは実際生々しく現場でも起こっている現象です。

トップが「我が社もAmazonのように顧客中心で行くぞ!」と号令をかけたとき、それに対して個々のメンバーが持っているイメージが統一されていない、という経験は私も少なからずあります。

例えば「お客さんの頭の中をもっと知ることができるようにして、うまく商品を売っていくぞ」と「お客さんが欲しいモノを、既存の概念にとらわれずに開発して出していこう!」だと、恐らく議論がかみ合いませんよね。

2,「なんのために顧客中心主義を取るか」を決める

結論から言ってしまえば、この特効薬は「目的を決めること」です。

顧客を中心に据えるのはなぜなのか?それは様々な理由があるはず。

  • アンテナを顧客中心に据えることで、市場の客観的な意見をくみ取り、マーケティングに生かすサイクルを入れるため…顧客中心主義をとる
  • 競合他社との差別化のために、お客さんの生活をお客さんの目線で見て、新たな付加価値をつけた商品を開発するため…顧客中心主義をとる
  • お客さんとのコミュニケーションそれ自体を、自社の付加価値とする。そのための人的リソース配分の基準として…顧客中心主義をとる

などなど、多種多様にあるはずです。

大切なのはとにかく「○○をしたいから、顧客中心主義を取るのか」を具体的に決めること

そしてこの考え方で我が社は行くのだと、意思統一をすることです。異論があればまず議論を尽くすことです。

3,危険なのは「なんとなく顧客中心主義」

恐ろしいのは、個々のメンバーが自分の思う顧客中心主義で突き進んでしまうことです。

方向性が全く異なる議論は何も生み出しません。

同じ方向を向きながら「どうする?」「こんなことがおきてしまった、どうしたらこのまま進んでいける?」と議論するから、目的があるから意義のある議論が生まれます、よね。

四方八方に走り出しながら議論を行えば、行き着く先は派閥化か、事なかれ主義による「落としどころ」探しです。

それは避けたいですね。

例えば

  • お客さんは企業とコミュニケーションをしたがっているはずだ
  • ブランド好きな人は、そのブランドを提供している会社にも興味があるはずだ
  • インタビューをして集めた結果は、買い手の気持ちを反映しているはずだ

など…それは本当でしょうか?

 

業種業態によって異なることはないでしょうか。人によりけりでは無いでしょうか。本当にお客さんは自分の欲しいものを、把握しているのでしょうか。

これらは。特定の有名事例や、思い込みからはじまった「なんとなく顧客中心主義」です。

そしてその「なんとなく顧客中心主義」は、本当にお客さまにとって、うれしいことなのでしょうか。

4,終わりに

カスタマーセントリック以外にも、こういった曖昧な言葉は少なからずあります。

特に、どうしてもソーシャル周りは曖昧な言葉が飛び交いがちです。例えば、エンゲージメントってなんでしょうか?もし決まった定義があったとしても、使う人によってかなりその意味は違ってきます。その言葉を使うのが悪いのではなく、曖昧なまま使うのがよくないんですね。

マーケティングは人間対人間の戦いであり、科学のような世界とは違います。

ロジック・フレームワークも「こういうものだ」という正解や定義などありません。あくまでツールです。正しい姿を決めようと思うこと自体不毛なことです。

とはいえ曖昧なまま使うのではなく、使う人の間では共通認識を作っておくことは必須。

効率よく前に進むためにも、そして本当に「顧客中心主義」を取るためにも、このような点をぜひおさえてみてはいかがでしょうか。

 

この記事がお役に立てれば幸いです。

 

Photo by Mehrad.HM

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