2006年7月に開始された「Twitter」SNSの走りとも言えるこのサービスは、ソーシャルメディア・マーケティングという文脈の中で、今に至るまでずっと大事な位置を占めてきました。
それから約7年、Twitter上ではさまざまな手法でマーケティング的な活動が行われています。
そんな中「何となく良くなさそう」「何となくよさそう」という経験論的な、あるいは口伝的なノウハウが少なからず流通しています。しかし、それは本当なのでしょうか?何をやるべきで何をやらないべきなのでしょうか。
そこで今回はTwitterマーケティングにおける、やってはいけないことをお伝えできればと思います。
記事はこちら。
▶The 7 Biggest, Counterintuitive Social Media Mistakes You May be Making – The Buffer Blog
1.同じ内容のツイートは、一度しか投稿しない
同じ内容のツイートを何度もすると、いかにも宣伝臭くなって良くない、あるいはしつこくて良くない、だからやめた方がいい、ということはよく聞きます。
また、ベストのタイミングで1度出して、後はせめて言葉を変えてもう一度出すくらいでないと「必死」くさくて嫌だという感想もあるのです。
ただ、これは
- やりすぎが一番ダメ
- 1度だけにこだわるのが次にダメ
- 適度に繰り返すのが、ベストプラクティス
のようです。
これについては、私の世代だと、Macintoshのエバンジェリストとして有名なガイ・カワサキ氏のやり方が例として上がっています。
ガイ・カワサキ氏のやり方
ガイ・カワサキ氏曰く
I repeat my tweets because I don’t assume that all my followers are reading me 24 x 7 x 365.
(私は、同じツイートを繰り返し投稿するよ、なぜなら、私のフォロアーが24時間265日私の投稿をチェックしてくれているとは思っていないからね)
考え方としては「それはそうだよな」という内容です。
実際、FacebookやGoogle+のような、コメントやシェアが行われたら再びメインタイムラインで目立つ場所に帰ってくるような、そういった「重み付け」の仕組みがTwitterには一切ありません。
ただひたすらに「ストリーム」 という名前が示す通り、発言は時系列で流れていきます。
なので、ガイ・カワサキ氏は
- 「8時間ルール」で合計3回投稿している
- 例えば朝3時に投稿したら、次は11時、その次は夜の7時(19時)に同じものを投稿する
というルールで投稿しているそうです。
実際の効果・意味は?
実際、この繰り返し投稿は意味があるのでしょうか。それが以下のグラフです。
ちょっと小さくてわかりづらいのですが、
- 最初の投稿の中のURLをクリックした数:739クリック
- 2回めの投稿の中のURLをクリックした数:718クリック
- 3回めの中のURLをクリックした数:565クリック
と、それぞれしっかり反応を獲得しています。
…
もちろん、フォロー/フォロアー数の状況によっては、もっと少なく無いとマズイかもしれません。自分をフォローしてくれている人のフォロアー数が少なければ、もっと投稿は減らしたほうがいいかもしれません。
ちなみに、平均フォロワー数は317人、フォロー数は325人だそうです。
この辺りはケースバイケースですが、大切なのは
「同じ投稿自体はNGじゃない、自分のフォロアーの状況を考えて複数投稿してもいい、しないと機会損失もありうる」
ということです。
もっと大事なことは、全てのツイートの中のURL、きちんと計測できるようにしているということかもしれませんmンが…。
2.さまざなツールを活用して、いろいろな情報を得ようとする。
ソーシャルメディアに関しては、様々なツールが世に出されています。
これはSNSに限りませんが「目的をもって使わないツールは大概役に立ちません」そして、役に立たないばかりか、好奇心で触ってしまい、時間だけが無慈悲に使われてしまうことになります。
SNSのツールもいろいろですが、必ず先に「目的」「得たいデータ」を考えてから、選定を行うことをお勧めい致します。ちなみに私は純正アプリを除くと、サードパーティ製としては、HootSuiteしか使っていません。
3.できるだけ多くのものを計測しようとする
ソーシャルメディアについては、どんなものを測定したらいいのか、どこまで測定したらいいのかデータを取っておいたほうがいいのかというのは、難しいところです。
全部とっておけばいい気もしますが、膨大です。投稿は千差万別です。
では、どこまで知ればいいかというと、まずはやはり「効果」です。究極的には「SNS活用って、今のやり方で、価値があるの?」と言う回答に答えられるかどうかです。
逆に言えば、それが言えれば十分ということになります。
そのために、
「どうなったら成功かを決め(目標決定)」
「どの数字を追いかければ、その成功不成功、あるいは成功度合いなどが分かるか決める(KPI決定)」
といったことが、必要です。ここで決めたKPIを必要最小限で、定点観測していけばいいはずです。そして1ヶ月に一度、そのKPIが事業の成果に相関しているかをチェックし、いらないものは排除、新たに追加するものは追加…と、どんどんブラッシュアップしていきます。
4.記事などは、書いてすぐ、新鮮なうちに投稿する
一言で言うと「SNSに投稿して公知するまでがコンテンツ作成」です。
誰もいない時間にツイートしても、見てくれる人はいません。翌日の朝には、他の人のツイートで他の人のタイムラインは埋まってしまっています。通勤中の朝7時〜8時ですとか、就業時間の18時過ぎも効果的ですよね。
コンテンツは、描き上げた時にどうしても高揚感があるので「すぐに発表したい!」と思いがちですが、そこは夏休みの読書感想文と同様、ちょっと寝かして最善のタイミングで流す、ということを押さえることをオススメします。
曜日は、米国的には木曜日が一番、継いで金曜日と日曜日
私はメルマガに関してはそれなりに数値をチェックしているのですが、その結論としては月曜日は土日のメール対応等に追われていて、金曜日はなんかやる気ない、なので火曜日〜木曜日がいいかなと思っています。
ただ、SNSはちょっと違うみたいですね。
業種にもよると思いますが、日曜日というのは興味深いですね。
5.文字数は少なめにして、読みやすくする
Twitterは140文字です。ではこれにできるだけ詰め込んだほうがいいかというと、やはりそうでもないようです。とは言え、全然短い場合は別です。
このグラフを見ると、115くらいでひとつ山があります。140ギリギリになると随分荒れるのですが、少なくとも80文字や100文字よりは平均して良いように思います。
結論から言うと、表題にもありますが120文字〜130文字値度がよいですね。
非公式RetWeetされた際に、大概の人が文字数オーバーにならないということも大事です。そうするとやっぱり120文字くらいかもしれません。
※ちなみにFacebookの場合は逆に80語(英語換算)以内がオススメのようです。200文字くらいですかね日本語だと。長い投稿はそれだけで「いいね!」や「コメント」がつきづらいとのこと。重いのかもしれませんね。
6.ハッシュタグはたくさんつけて接点を作る
続いてハッシュタグ。これは結論から言うと、2コくらいがちょうどいいようです。3コ以上付けると、1ないし2個の投稿より21%エンゲージメントが落ちたようです。
実際、ひとつの話題に対して自然と付けられるハッシュタグって2個くらいが限界なような気もするので妥当かなと思います。いかにもハッシュタグでアクセスアップ狙っていますようなものがかいま見えると、そちらの方がNGかもしれません。
自然に、必要な物を2個程度入れるのが、いいのです。
ちなみに入れないのが最も良くないようです。
7.一般的な統計を信じて、自分なりの調査はしない
世の中にはSNSに関する様々な調査結果があります。それはそれで、とても有用なのですが、自分がいる世界が同じような分布を示しているかどうかは別問題です。
類は友を呼ぶではありませんが、集団によって特性はぜんぜん異なるもの。従いまして、例えばホームページに誘導するなどして、できるだけ自分で調査をすることをお勧めいたします。
活動時間帯などは、SNS調査ツールでも分かりますし、使っているPC環境などはサイトに連れて来ればアクセス解析ツールで分かります。自分のお客さんはどんな人なんだろう?というのを、きちんと自分で調べることをオススメします。
まとめ
この7項目が「思い込み」として危険な7つです。
どれも言葉にしてしまうと「そりゃそうだろう」という内容かもしれませんが、いざあまり時間がない中でSNSを活用していこうと思った時に、この7つは簡単に妥協の上で無視されてしまいます。
また、「聞きかじり」や「思い込み」によって、無視されてしまします。
最もいいのは、自分が対面しているお客さんの動きを、いくつかきちんとWATCHすること。それが相手を知るための最初の行動です。
どんどんと相手を知れば、できることはどんどん増えていきますよね。
この記事が、お役に立てば幸いです。
中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから