インバウンド・マーケティングを推進するHubSpotブログに、面白い記事がありました。「ニュースジャッキング完全ガイド」というものです。
ニュースジャッキングという言葉は馴染みのない言葉かなと思います。私は初耳でした。
”ジャッキング”という単語が付いているため、グレーなテクニックのイメージが漂ってきますね。
しかしこれ、実際に読んでみるとこれは「フレッシュネスさ、速報性を重視した有効なインバウンド・マーケティング手段」です。また、様々に応用可能なやり方でもあります。
そこで、その内容とやり方を書いて行きたいと思います。
元記事はこちらです。
▼The Inbound Marketer’s Complete Guide to Newsjacking
1.あらためてニュースジャッキングとは?
改めて「NewsJacking」という言葉についてです。
Jackingという言葉が入っているので、何かハイジャックのような悪い方法を彷彿とさせますが、
読んでみるとニュースジャッキングと呼ばれるものは
- マスメディアが中心となって流すニュースをチェックし
- 合わせて付加価値のある情報を即座に出していき
- トラフィックを集めていく
という、至極まっとうなやり方です。
インパクトを与えるために「ニュースジャッキング」という言葉を使っただけですね。
※一年前に書いたテクニック論とも異なります。
▼Googleニュースに掲載されるには?その条件と方法 | WEB戦略情報総合ポータル
2.ニュースジャッキングの例
元記事にあるニュースジャッキングの事例をご紹介します。
ポイントは、これが直接関係のないニュースに対してのものだった、というところです。
last year Kate Winslet was staying with Sir Richard Branson at a private retreat in the British Virgin Islands when lightning struck the home, setting it on fire. Branson’s elderly mother was in the home, and Winslet carried her out of the fire to safety.
(昨年のことだった。イギリスのバージン諸島にある自前のプライベートハウスに、ケイト・ウィンスレット氏はリチャード・ブランソン氏と宿泊していた。その時、家に雷が直撃して火災になった。高齢であるブランソン氏の母親も家にいたので、ウィンスレット氏は彼女を安全のためになんとか火から運び出した。)この話は大変話題になりニュースになった。
The London Fire Brigade who, within a few hours of the story’s release, wrote a story for their website in which they offered Winslet a chance to train with their firefighters at their local training center.
(その時、ロンドン消防隊は動いた。そのニュースが報じられた数時間後、消防隊のサイトに、ウィンスレット氏に近くのトレーニングセンターで無償で隊員と一緒にトレーニングしないかというオファーをした記事を載せた)
その結果、ロンドン消防隊のサイトはたくさんのアクセスが集まったそうです。
ロンドン消防隊は別にニュースジャッキングを仕様としたわけではないと思いますが、ニュースが持つ勢いに乗り、さらにそこに話題になる付加価値を乗せられた、そして何より一番だった(二番煎じではない)ことが、大切なポイントと思われます。
3.ニュースジャッキングを行うときのコツ
3.1.ニュースジャッキングで最も大切なポイントは「反応スピード」
ニュースは一般的に寿命が短いので、どれだけ早く食いつけるかが勝負です。
また特に大事なのが「一番になること」です。これは私の経験からも同意です。
あえて付け加えるとすれば「一番になって」「しかも周知されること」。
遅れて記事を出した有名サイトがなぜか「一番」として扱われてしまった苦い経験をお持ちの方は少なくないのではないかと思います。
それが大手の強さなので、しかたがないのですが、とにかく「一番だと分かってもらうこと」までが遠足ですね。
3.2.ホットなトピックスをすぐに知ることが出来るように
そのために、急上昇している話題について自動的に気づける仕組みを入れることを記事では薦めています。
特にTwitterがすすめられています。元記事はHubSpotの記事なのでHubSpotのモニタリングツールがさりげなくすすめられていますが、安くても月200ドルするので気軽に使うには現実的ではありません。
Twitterのトレンド欄やGoogleアラート、急上昇ワードを定期的にチェックするか、あるいは「この人達はもともとニュースへの反応が速い」というリストをTwitterで作成して、そのリストを定期的にチェックするなどがいいのではないかと思います。
そもそも最新記事をひたすら追ってニュースジャッキングを続けるという集客方法は、四六時中気が抜けないので、それくらいの手の抜き型でないと、継続して出来ないかなとも思います。
3.3.必ず一次情報を確認する
これはとても大事なことです。
例えばGoogle Knowledge Graphの事を元記事では例にあげて
if we had written a blog post explaining the Google Knowledge Graph based off of just one news outlet’s understanding of the change, we could easily pass along incorrect information, or at the very least not present the entire scope of the story.
もし私たちがGoogle Knowledge Graphについて、たった1つのニュースサイトの記事を下に記事を書いた場合、そこが間違っていれば、どうしようもない、また、間違っていなくても、少なくとも記事の全体像を提示できているとは言いがたいのではないか)
ニュースジャッキングをする、一番になるということは、あなたが誰かの情報源になる可能性が極めて高いということ。
特にニュースは初期の段階ではいまある情報をみな信じるしか無いので、責任重大です。
そのためには、すでにフィルタリングがかかっている二次情報ではなく、もともとの一次情報をかならず参照するようにすることが大切ですね。
3.4.ただの速報ではなく一味加えること
ただ速報を上げても意味がありません、それはニュースサイトが行うことですよね。
そうではなく、それに加えて独自の見解やプラスアルファの情報を載せていかないと発信している意味がありません。
外国の情報を翻訳する場合なら、読めない人に送り届けるという付加価値が勝手につきます。
ただ、とは言えシンプルな翻訳では、個人で情報発信している意味はあまりないのです。
また、人々がマスメディア意外の情報源に期待しているのは、そういった部分なのです。
3.5.拡散はやはりSNS
情報の拡散速度はやはりSNSが最強のようです。
なので、SNSでどうすれば拡散しやすいかは常日頃研究しておくべきですし、情報拡散を手伝ってくれるパートナーを得ておくことは更に重要だと述べられています。
終わりに
マスメディアを中心に出されるニュースに対して、その検証という意味でもニュースに対しての記事がたくさんアップされることは非常に有益なことです。
また、そこにアクセスが集まること、さらにGoogleが新鮮な記事に色を付けてくれることは、Googleとしてもそれを勝ちのある行為だと認めていると考えて良いのです。
ただ、見る人が増えれば増えるほどその発信者責任は重くなっていきます。最悪名誉毀損という自体にもなりうります。
そこにきちんと留意しながら、ニュースに対しての記事を発信していくことは、発信者側も受け手側にも非常に利益のあることです。
中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから