トピックス
- GoogleのAIがなぜ低品質サイトを表示してしまうのか、その背景への示唆
- 「FastSearch」とは何か、SEOにどんな影響があるのか
- 検索エンジンのランキングがリンクから「意味的関連性」や「ユーザーデータ」重視へと変化している
- 今後のあなたのウェブサイトで次にやるべきSEOの方向性
目次
AI Overviewsで「低品質サイト」が目立った理由とは?
AIが表示した「スパムサイト」の謎
最近、Googleの AI Overviews に、スパムや質の悪いウェブサイトが表示されるようになった、という問題が注目されています。Ryan Jones氏によると、「ペナルティを受けたサイトさえも表示されてしまった」と報告されています。
なぜこうしたことが起きるのか、の手がかりが先日のGoogleの独禁法訴訟・連邦地裁判決文から見えてきたかも知れません。
キーワード一致から「意味の理解」へ、外部要因やPageRankの意義の低下などの観点で重要です。新しい用語などもでてきたので、是非こちらもご覧下さい。
【SEO面の要点】Google独禁法訴訟・連邦地裁判決文(1436)[NavboostやGLUEなど内部名・役割・ユーザー行動の評価など]
裁判文書にあった:「FastSearch」という検索システム
「FastSearch」って何?
裁判の資料で明らかになった様々な内部の仕組みのうちの1つが、通常の検索とは別の「FastSearch」という仕組み。この仕組みは「RankEmbed」という技術に基づいて、短時間で素早く結果を表示するために使われています。
- 概要:検索グラウンディング専用。RankEmbed由来のシグナルを使って、短く要約された順位付きウェブ結果を素早く返し、Geminiの回答生成に回す
- 用途:生成AIの回答生成におけるグラウンディング提供
また、RankEmbed/RankEmbedBERTとは以下です
- 概要:深層学習を用いた上位ランキングシグナル。約70日間のログデータと品質評価者(Quality Raters)のスコアによる評価スコアを学習している
- 用途:意味的マッチングを向上させ、ロングテールクエリでの効果が高い
そして、裁判の資料によると、FastSearchは通常の検索より速い代わりに、結果の品質は劣ることが明記されています。つまり、スピードを優先したため、質の悪いサイトも表示されやすくなっている可能性があるのです。
引用元:Google Antitrust Case: AI Overviews Use FastSearch, Not Links Search Engine Journal
FastSearchをGoogleが使っている証拠とは?
裁判文書から見える仕組み
裁判文書には、GoogleはAIの回答を作るためにFastSearchを使っていることが明記されています。FastSearchは通常の検索とは違う仕組みで、外部には直接提供されず、Google内部でのみ利用される、なんというか用途をしぼった検索機能のようなものです。
FastSearchが通常検索とは違う仕組みを持つことは、これらの公式文書で確認されています。
引用元:裁判所公式文書
Seventh, Google will not be required to syndicate FastSearch results. Pls.’ RPFJ § VII.A.5. Recall, FastSearch is a technology that rapidly generates limited organic search results for certain use cases, such as grounding of LLMs, and is derived primarily from the RankEmbed model. FOF ¶ 44. Google does not use FastSearch results for its SERP. Rem. Tr. at 3510:8-11 (Reid). And it does not directly syndicate FastSearch results. FOF ¶ 45. Rather, FastSearch results are delivered through Vertex, Google’s cloud-based grounding product.
SEOは「リンク依存」から「意味とユーザー行動」へ
RankEmbedが使う新しい指標とは?
Googleが現在使う「RankEmbed」は、これまでのリンクを重視した評価から、検索する人のクリックや質問の仕方、さらには「意味のつながり」を重視する仕組みに変化しています。リンクが完全に不要になったわけではありませんが、その重要性は相対的に下がっています。
ネクストアクションは?
キーワード一致から「意味の理解」へ
検索エンジンの評価方法は大きく変わりました。昔は「キーワードがどれだけ入っているか」が重要でしたが、今は検索の意図や意味の関連性を理解することが中心になっています。その結果、単なるリンクを増やすSEOよりも、訪問者が本当に知りたい情報を提供するSEOが求められるようになりました。
ユーザー意図の把握、それをどうやってAIに理解してもらえるか、の二段構え
よく言われる以下の様なことは、AIに対して響く、言いかえると「営業で一時受けや受付を突破する」為に有効なのは実感としてもあります。
- ユーザーが求める答えを「簡潔で明確な言葉」でページの冒頭に書く。
- 質問と答えをセットにしたFAQや、実際の使い方や事例を紹介するコンテンツを増やす。
- 見出しや要約をわかりやすくし、検索する人がクリックしたくなるタイトルをつける。
ベースとして、今までのTraditionalなSEOにおける内部要因・外部要因の強さも重要です。ただ、かつてリンク同士の価値をベースにスタートしたPageRankという考え方は、かなりそのプライオリティが落ちているのでしょう。
PageRankは、プライオリティが落ちている
Googleがその方向性で進んでいるということはその方が、ユーザーの満足度が高いということです。
とは言え、電話で1次受け突破しても、商品やサービス、その説明資料がダメダメなら、売れない。記憶に残らない。なので、AIとその先の人間両方に対しての意識を持つ必要がある。
その先の人間に対しては、今までもやってきた企業なら、AI対策が意義ある次のステップになります。しかし言いかえれば、そもそもをやってこなかった場合はAI対策をやったところで、結果は出ないと言うこと。
この辺りを押さえた上で、「テクニカルSEO」の定義を変えていける人材なりパートナーを確保できるかが重要ですね。
中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから