一般的に、そのページを見て起こして欲しいアクションボタンについては、AboveTheFold(ファーストビュー)に入れることが勧められます。
その理由は「ユーザの目に入らず、見過ごされてしまうから」という説明が多いですね。
しかし、それは常に正しい法則なのでしょうか。
どうも、「温まっていないお客さんに対して、重いアクションを提示しても、無視される」ため、むしろ下の方に会ったほうが良いケースも有るようです。
調査結果
その点について、以下の記事に検証結果が掲載されていました。
▼Why Burying Sign Up Buttons Helps Get More Sign Ups by ZURB
以下の画像をご覧下さい、元記事から持ってきたものです。
果たしてどちらがコンバージョンが高いでしょうか?
普通に考えると、上の方にCallToActionがある(アクションに誘導するボタン)があるので、左側のように思えます。 しかし結果としては、右のほうが「350%よかった」という状態でした。
なぜ、下の方にあるのにコンバージョンレートが良かったのか?
それを元記事ではこのように解釈しています。
So in hindsight the answer is obvious…people weren’t clicking “Sign Up” because they were not ready to. They saw the button and did not care enough to click it. I could have made it flashing big-ass and red, but still nobody would have clicked on it.
(結果論になってしまうが、その答えは明らかだ…人々は”サインナップ”をクリックしなかった、それは人々がまだそこまで心の準備ができていなかったからだ。彼らはたしかにそのボタンを見た。だけれど、クリックするほどまだ注意をひく存在じゃなかったんだ。どんなに派手にしても点滅させても、誰もクリックしなかったんだよ。)
The hard fact is that they just don’t care. Or more precisely, they don’t care yet. They’re interested, but they do not know enough to care. We have not given them enough of a reason to care. They are not ready to take that step.
(辛いことに、みな全然ボタンを気にしていなかった。正確には、彼らは「まだ」気にしていなかったんだ。興味は持ったけれど、そこにたどり着くほどまだ十分に興味を持ってもらえてなかった。そういった材料を我々が提供してからでないとダメなんだ)
そして、出した答えは
The right answer is to remove the button altogether and replace it with something that people do want to click. Something they do want to do…the appropriate next step in their lifecycle as a customer.
(答えは、ボタンを排除して、ページの中で、このタイミングできっとアクセス者はクリックしたくなるだろうという場所に移動させることだった)
ボタンをそもそも、下の方に持ってきたんですね。
つまり、「お客さんのマインドフローに沿った形でアクションボタンを設置した」です。 これ、とっても大事です。
お客さんのマインドフローに沿っていくとは?
ページを読む時にも、お客さんは大体同じようなマインドフローを持っています。
例えばランディングページなどの一発ページなら
- 遷移元のリンク文言などをもとに、それに沿ったキャッチコピーを大きく打ち出す
- 自分に関係のあるサービスかどうかわかってもらう
- サポーティブコンテンツとして、成功事例やお客様の声を載せて、信頼度アップ
- さらに特徴を畳み掛けて、惹きつける
- 最後にタイムプレッシャーや特典などをつけて
- アクションボタンを入れて、コンバージョンさせる
と言った流れが基本です。 売れているページを上から読んでいくと、自然とこの流れになります。 ではここで何を申し上げたいかというと、先ほどの表でいうと、少なくとも2までは納得してもらわないと、
- サインアップボタンや「◯◯◯はこちら」がどれだけ目立っていようとも
- あえて買い手側はそれを無視する
ということです。
代替案
しかし、だからといって、ネクストアクションを上に持ってくるのが必ず悪いかというとそういうことではありません。
マインドフロー(お客さんの意思決定プロセス)の階段をすっ飛ばしたものならいいのです。例えば
- このサービスの導入事例はこちら
- この製品が活躍するシーンは?
- まずはオンライン簡単デモをご覧下さい。
などです。これは意思決定プロセスのうちかなり初期の方にあることに対するコンテンツなので、むしろ最初の方に会ったほうがいいですね。
コンテンツの種類としては
- オーソリティコンテンツ(会社概要、実績、代表者の声)
- 比較コンテンツ(他社比較、今の一般的なやり方との比較)
- サポーティブコンテンツ(お客様の声、成功事例)
まとめ
一時期海外で極めてシンプルなデザインが流行ったこともあり、あのような形がいいのかと考えてしまいがちですが、一概には言えません。
一足飛びにマインドフローを駆け上がろうとさせようとする、あるいは一気に最終段階まで持って行こう、という流れにしても、お客さんはその流れに乗ってくれません。
あくまで、きちんと順番を踏んでいくこと、お客さんの意思決定プロセスに寄り添うことが大事なのです。
その観点で元記事は、非常に貴重な調査記事でした。
▼Why Burying Sign Up Buttons Helps Get More Sign Ups by ZURB
さらにこれは、流入元も考えるとなおよしですが、そこは改めて記事に出来ればと思います。