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事例:24時間で「6,312人」の見込み客を集めた手法とは?

24時間で6,312件のリストを集めた方法サイト運営の目的の1つとして「見込み客にアプローチできる手段を得る」があります。

購買フローを一歩進める役割です。

リアルの営業で言えば、電話をしてアポイントを取る、ないし担当の人に電話を回してもらう、などに当たります。

上の手段としてネットで一般的なのは「メールアドレスの獲得」。 興味のある、ある程度”濃い”メールアドレスを集めることができれば、それは大きな一歩ですよね。

そのメールアドレスを「1日で6,312件」集めた事例がCoppyBloggerで紹介されていました。 果たして、どんなことを行ったのでしょうか?

コンテンツを使った事例として、ヒントになることがたくさんあります。


元記事はこちらです。
▼How to Get 6,312 Subscribers to Your Business Blog in One Day | Copyblogger

背景と経緯

実際にローンチ後わずか24時間で6,312件のアドレスを集めたのは「The Rapid eLearning Blog」というサイト。

これは、eラーニングのソフトなどを売っている「Articulate Rapid eLearning」という会社が立ち上げたサイトです。

The-Rapid-eLearning-Blog

このサイトで、24時間で6,312件のメールアドレス獲得、約1週間で8,500件だと、CEOが述べています。 まさに、超スタートダッシュですね。 一気に裾野まで取り尽くした感じです。

このようなスタートダッシュ、既存顧客にメールやPressReleaseを流して来訪を促すだけのような手段では到底実現できません。

具体的な戦術

見込み客候補に受け入れられやすいポジショニング

  • Articulate社が売っているFlashベースとPowerPointベースのEラーニングコース作成ツールは、簡単に素早くeラーニングの教材が作れるので「ラピッドeラーニング」として知られていた。
  • このブログでは、商品の宣伝ではなく「ラピッドeラーニングで教材を作る時に便利な情報」を伝えるコンテンツを提供するものとした。
  • それをスムーズに伝えるため、eラーニング教材作成歴15年のTomKuhlmannというキャラクターを作り、その人間を筆者とする体裁を取った。第3者的なイメージにするために

商品を売るのではなく、結果的にその商品を選んでしまうような、価値観の転換を図ったコンテンツを出していったということですね。 確かに、実際に記事の見出しを見てみると

  • eラーニングコースにつけるジャーナル(ノートのようなもの)の作り方
  • eラーニングコースで使える画像を作るための5つの無料ソフト
  • この無料PowerPoint素材とチュートリアルを見逃すな

など、魅力的なタイトルが並んでいます。 eラーニング教材を作る気がなくても、読みたくなってしまいます(というか読みました) しかも中身もかなり充実しています。

例えばこちら。

▼cto Create a Learning Journal to Go with Your E-Learning Courses » The Rapid eLearning Blog

これにより、

  • なんとなく、eラーニングの教材を作ってみたいなーと思っていた人が
  • これを見ていて、結構自分でもいいものつくれるんじゃないかな(恐らく背景には、とは言え教材づくりなんて難しくて自分には無理だよな…という悩み)
  • しばらく読んでみよう、売り込まれるわけでもないし

といった心理状況が発生したのではないかと思われます。 初期でどれくらい記事を出したのか、そして平均ページビューや滞在時間がどれくらいだったのかわかりません。 しかし、かなりいい数字だったでしょう。

人々が受け入れやすい形で、質の高いコンテンツを提供できたこと、 このブログにそういう立ち位置を設定したこと。 これがポイントだったのです。

「コーナーストーンコンテンツ」を作る

コーナーストーンコンテンツ」これは大事な言葉です。 言い換えると「礎(いしずえ)となるような重要なコンテンツ」です。

具体的にはこの2つ。

Rapid E-Learning 101」と「5 Myths About Rapid E-Learning.」です。 どちらも、全7回、全5回の続き物コンテンツ。これをサイトのローンチ前に準備しました。 これが重要です。 具体的にはこれです。

初めてこのサイトに来た人、この2つのコンテンツシリーズを見て、

「このサイトにはこんな質の高いコンテンツが、きちんと整理されて、しかもすぐに読み切れないほどたくさんある」

と、直感的に感じたんだと思うんですね。 その結果として、

  1. 信頼感好奇心、それ以外のコンテンツや今後の追加コンテンツへの期待などが一気に高まった
  2. どうやら売り込みもなさそうだし、更新情報も早く知りたいな
  3. ここのメールマガジンを購読してもいいかな

という結論に至ったのです(恐らくこの流れは頭の中では一瞬ですが…)

コーナーストーンコンテンツはWordpressのテーマやプラグイン(YOASTとか)にもその機能がつくくらい、一般的になりました。日本だと上手く合う言葉がないので、コーナーストーンコンテンツと呼ばれることが多いですね。キラーコンテンツとはまた違いますので。

購読するといいことがあるよ

さらにここで後押しするのが、サイドバーにある目立つアイコン。

無料のeBookの存在です。 題名は「 Insider’s Guide to Becoming a Rapid E-Learning Pro」。

ラピッドeラーニング提供者のプロになるための秘密のガイドブック、といったところでしょうか。 この内容を読むと、eラーニングの教材を作ることがビジネス的にとても意味があるというメッセージがこもっています。

また、特に企業内での教育担当者にとっては、自分がやっていることの意義が分かるという点で非常に価値のあるものという感想が多いようです。また、そのようなターゲットを狙ったものでもあります。

そのため、このeBookの中にはラピッドeラーニングを取り入れた時の投資対効果の話や、勉強する人にもどんなメリットがあるかという情報が入っているようです。

これはいわゆる「稟議向けコンテンツ」です(私が勝手にそう呼んでるだけですが…)。

余談ですが、B2Bなら、稟議向きコンテンツはかなり効果があります。 ライバルと横並びならあるほど効果があります。 最後にどこで決まるか?みな同じなら…担当者の手間がかからない所です?

購読者にはプレゼントを。 そしてそのプレゼントにも「購読者の価値観を変えるための仕掛けを」 B2Bなら、担当者の立場に立ったコンテンツも必要。

E-mailで既存見込み客・顧客にアプローチ

これは一般的なやり方です。ただ、HTMLメールでかなりグラフィカルに、ガイドブックのダウンロード案内を送った、という内容です。

ブログの趣旨から言って一貫していますね。ちなみに、このメールを送った後にレンタルサーバが一時的にクラッシュしたとのことだったので、この会社の場合すでにある程度の素地があると思います。

さすがにそうでないと6,000件行かないです。

#それかサーバ会社が本当にあれだったか…

ハウスリストに送っているわけなので、購読者を増やすという意図ではなく、ガイドブックという魅力的なものを使ってサイトに誘導し、ハウスリスト内の見込み客をフォローしていこう、育てていこうという趣旨です。

ランディングページで狙うアクションは1つ

恐らく以下のページとほぼ同じだと推測されます。
https://www.articulate.com/rapid-elearning/free-ebook/ 

  • ガイドブックのダウンロードを促すランディングページ
  • 何を得られるかを、箇条書きで8つにまとめて記載
  • スパムは絶対ないです!という表示
  • 簡潔な入力フォーム(E-mailだけ)

がポイントですね。 アクションを絞って、後はそこに至るまでの障壁を少しでも取り除きます。

フォームの入力フォームが増えれば増えるほど、CVRは落ちていきます。 必要ない項目は落とすと言うより、本当に必要なものだけを残す、位の感覚がおすすめです。

これは必須項目であろうと任意であろうと同じです。 ユーザはパッと見の印象で決めてしまうので、 何が必須か任意かまできちんと見てくれません、私の経験上。

その結果ノイズが多ければその後絞り込むように改良していく方がいいです。

更新情報の送り方

送信にはFeedburner’s email serviceを利用。

これは更新情報を自動的に送ってくれるもので、HTMLでもプレーンでも上手く見えるようにしてくれるそうです。※ちょっと使ったことが無いので分からないです。

※2019/09/13追記:フィードバーナーかなり前にサービス終わってます。ブログの更新通知自体が、パーソナライズと、似たようなブログがたくさんできたことで、利用されなくなってきているかなと思います。今は覚えてもらって指名検索増やす方向が良いですね。

ブログをスタート!

スタートアップが成功しても、これからはその評判を落とさないための「運営」が待っています。 もともとの目的やポジショニングを忘れずに、運営していけばいいとのことです。

※ちなみに手元にリストなどが全くない場合は?新規事業の場合は?

この事例のように元々ある程度の裾野があればいいのですが、もちろんない場合もあるはず。

そういう時は、SNSや、その分野のコミュニティサイトに当たるしかないと述べられています。

もともとそういう状況だということは分かると思うので、予め、どこに情報を流すかを決め 、そこのユーザにとってうれしいこと、受け入れられやすい形にして、今までのステップを踏んでいくのがいい、とのことです。

Facebookに流すのと5chに流すのでは、全然違いますよね。そんなイメージです。

まとめ

これが、公開されている情報の全てです。 そのまま実践できるわけではありませんが、通底する考え方や手法は様々なことに応用できます。 ぜひ、これをベースにあなたのビジネスに通じるフローを作ってみてはいかがでしょうか。

  1. 爆発させたいなら、ローンチ前の準備が大事
  2. 見込み客候補に受け入れられやすい提供の仕方を考える
  3. 「コーナーストーンコンテンツ」を作る
  4. オファーづくりはターゲットの気持ちをよく考えて
  5. ランディングページで狙うアクションは1つ
  6. 運営のことを忘れずに

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