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Google「My Ad Center」導入の意味。興味のない物事をシャットダウンする世界への加速

みなさんこんにちは、ラウンドナップWebコンサルティングの中山です。なんででしょうね、秋は時間が過ぎるのが早いです。連休が多いからでしょうか。

さて、この季節は夕方になると、山の稜線から上に綺麗な夕焼けのグラデーションが見えます。関東平野は西を見れば山地なので、少し高台に行けば透明水彩のような色の変化が見られます。

そんなグラデーションに彩られた世界ですが、おそらくWebの世界は細かく区切られる方向に向かっていくようです。それが今週のトピックスです。

情報が溢れる中で、偶然の出会いを楽しむというよりは、自分が顕在的に興味を持っているものだけが目に入る世界になっていきそうです。 売り手としては、それを前提として、特に最初の顧客接点を設計しなければならなくなっていく可能性が高いです。

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Googleが広告表示をユーザーが調整できる機能を導入

Googleの最大の収益源は、検索エンジンではなく(そもそも儲かりませんが)広告です。なのでGoogleは自然検索の部分を大事にしつつ、とはいえ新しいテクノロジーの導入やカスタマーサポートなどは広告を優先していました。

そのGoogleが今回導入したのが「My Ad Center」です。これは、記事の文言を引用すると

「「Google検索」「Discover」「YouTube」など同社サービスに表示される広告について、(中略)新機能「My Ad Center(マイ アド センター)」の段階的な提供を開始した。これにより、例えば減量、ギャンブル、出会い系など、興味のない広告カテゴリー全体をブロックできるようになる。」

です。

引用元;減量の広告にうんざり?グーグル、広告表示を調整できる「My Ad Center」提供開始
https://japan.cnet.com/article/35194946/

これによって何が変わるのか

つまりは、ユーザー側で明示的に「自分はこういう広告は見ない、除外する」ということです。カテゴリーがどのような粒度になるのかなど詳細はわかりません。

しかし、今までのように「この広告は興味がない」と個別にNGを指定したのと異なり、明示的にカテゴリーごとばっさり拒否(増減だけかもしれない)できることになります。

これは、プライバシーの問題や追跡系広告が嫌がられている流れなので、Googleとしても苦肉の策のように思います。

おそらくGoogleは「実はこれってこういう人にも響くんじゃない?」というケースがたくさんあると考え、AIで強化学習を行っていくことで、売り手と買い手をよりマッチングさせられる世界を目指していたのではと、私は思うからです。

しかし、このようにバッサリやることは、そのような意識していなかった、潜在的なつながりを断ち切ることになります。

広告に関して、人間が自分で顕在的に意識している領域の情報以外をシャットアウトするということです。

これは一見「鬱陶しいものを減らせる」というところだけ考えがちですが、それは思わぬ出会いを突き放すことでもあると思うんですよね。

「嫌な広告が出ること」と「いろいろな広告がでる」のは別の話なのだが

この話題は、見たくもない嫌な広告(詐欺的なコンプレックス広告や、人を選ぶゲームや漫画の広告など)が繰り返し出る現状への反発として話題になりがちですが、それ以上のインパクトがあると思います。

広告だろうとそれで出会うこと知ること、セレンディピティがそこにはあると思うのですが。私は自分の顕在意識をそれほど評価していないですし…意識していないところにこそ自分があると思うので。

しかし、世界の大勢は「見たいものをコンロールできるべき」という流れです。ゾーニングや法律の話は別ですよ。

というわけで、それぞれの人が「私が見たいものはこれ」という枠組みを持った状態になるでしょう。そこに対して、広告なり打っていかなければなりません。

こういう人にも実はひっかるんじゃない?がやりづらくなる

例えば肝臓を労わるサプリがあったとして、ストレートに肝臓に悩みがある人を狙うだけではなく、よく野球観戦に行く人(ビールをよく飲む)を狙ったらいいんじゃないか?といったことが、やりづらくなるのではと思います。

もしその人が、健康食品の興味がなくて表示しないように設定していたら、実はニーズにハマるかもしれないのに、リーチできません。 上手い人ほどこういうところを考えて結果を出していけるものです。

広告運用データが大きければGoogleの機械学習に任せればいいですが、少額予算の場合そうもいかないので、発想の有無が命でした。 しかしこのやりかたも、壁に阻まれるケースが増えそうです。

どのように変わっていくかはまだ読めないが、敏感になっておくべき

これがどれくらい使われるのか、どのくらいの精度になるのかはまだわかりません。アドブロック騒ぎの時のように「そもそも広告経由では買わない人しか、アドブロックは使わないから影響は薄い」になるかもしれません。

日本にいつ導入されるかもまだ不鮮明です。 ただ、もし今後何かおかしな変化が起きてきたら、この辺りが関わっている可能性を疑った方が良いのではないでしょうか。また、これが当たり前の世界になったら、どういう広告配信に切り替えるのかも考えておいた方が良いと思います。

ど直球バトルになるのでしょうか?…予算があるところに勝ちづらくなりますね。 売上の中で広告経由の比率が高い方は、My Ad Centerの動きには要チェックですね。 Googleがやったら、いずれSNS広告も追随すると思います。

超可視化社会の中で、人は自らサイロに籠る

この流れで改めて思うのは、超可視化社会の中で人は全てに対してオープンでは耐えられないということです。自分のエリアを規定しないと不安。自分の居場所が欲しくなる。

グローバリズムから、封建主義的ローカル的なものへの回帰かもしれません。

想像ですが、人の脳はこんなに広い範囲を見渡せる時代に合わせた設計になってないんでしょう。

自分はこういうものだという規定を自分自身で完結させるのは精神力が必要です。そうではなく、既存の枠組みに入ったり、大樹によって立つ(サロンなどがまさにそうでしょう)傾向が、どんどん強くなると思っています。

広告に限らず、SEOにしてもそもそもWebマーケティングにしても、そういう前提でやり方を考えていく必要があるのだなと、改めて感じたニュースでした。

ぜひ全文もご覧ください。

減量の広告にうんざり?グーグル、広告表示を調整できる「My Ad Center」提供開始 – CNET Japan
https://japan.cnet.com/article/35194946/

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