第185回:2019年版中小企業白書をツールとして使うと視点と環境が変わる(後編)

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • 事業承継は「その時が来たら考える」では遅く、かなり早い段階から育成と準備を始める必要がある。
  • 白書に並ぶ事例は、読むだけで終わらせず、自社の次の一手を想像する材料として使うと意味が出る。
  • 人口減少、デジタル化、グローバル化への対応は、今の延長ではなく自己変革として考えなければならない。
  • 防災減災も、事業を未来へつなぐための前提条件である。

事業承継を「その時考える」では遅い

後編でまず重く見えてくるのは、事業承継の準備不足です。承継は制度や補助金の話として語られがちですが、実際にはそれ以前に、次の人が本当に会社を動かせる状態まで育っているかが大きな分かれ目になります。

継がせる人を育てる時間が必要

親族内承継でも、従業員への承継でも、引退が視野に入ってから慌てて準備しても厳しいものがあります。本来はもっと早い段階から、次の候補に同行させ、現場と経営の両方を体験させながら育てていくべきです。現場の知識を覚えつつ、経営まで同時に学ぶのは、想像以上に負荷が大きいからです。

準備不足が現場を壊す

急な承継は、従業員の離脱や無理な投資、資金繰りの悪化につながることがあります。まだその時期ではないと思っている会社でも、五年後、十年後を見据えて候補者を育てるのか、それとも第三者承継も含めて空気を作っていくのかは、今から考えておいた方が安全です。

事例を次の一手の材料に変える

白書の承継や自己変革の章には、かなり多くの事例が載っています。ここは受験勉強のように全部読む必要はありませんが、自社に近い業種や状況のものを拾っていくと、次の動きのイメージを作る助けになります。

自社に近いケースだけを拾う

後継者になったばかりの人、これから継ぐ可能性がある人、あるいはどこかを引き受けて成長したい人にとって、事例はかなり実際の現場的です。うちなら何ができるか、何なら真似できるかを考える入口として使うと、ただの読み物で終わりません。

構造変化への対応は自己変革の課題

白書の第3部で強く扱われていたのは、人口減少、デジタル化、グローバル化という大きな環境変化です。これは流行の話ではなく、今のままでは立ち行かなくなる可能性が高いという前提で読んだ方がよい内容です。

人口減少を前提に地域と市場を見る

働く人もお客さまも減っていく地域では、今いる場所でどう勝つかだけでなく、事業の置き方そのものを見直す必要が出てきます。十年後に周囲がどうなっているかを想像しながら、自社がその中で何を残し、何を変えるのかを考える。白書の人口データは、その前提を作るための材料になります。

デジタル化は顧客接点の変化として捉える

スマートフォンの普及が進み、高齢層にも広がっている以上、お客さまが情報に触れる場所は確実に変わっています。ホームページを持っているかどうかだけでなく、実際に活用できているか、どこで顧客とつながれているかまで見ないと意味がありません。自社のお客さまが今どんな環境にいるのかを、マクロな数字から想像することが重要です。

三年後、五年後の能力を考える

グローバル化も含めて外の環境が変わる中では、自社に必要なスキルセットや組織力も変わっていきます。将来こうなりたいから今これをやる、という順番で考えないと、目先のWeb施策も単発で終わります。過去、今、未来の三つをつないで考える視点が欠かせません。

防災減災も継続の条件

もう一つ外せないのが、防災減災です。どんなによい商品や人材があっても、自然災害で止まってしまえば事業は続きません。日本で商売をする以上、事業継続の備えは経営の周辺ではなく本体の話として考える必要があります。

備えを後回しにしない

被災した地域はもちろん、これから危険度が高まる可能性がある地域も含めて、自社がどう事業を継続するのかを確認しておくことは大切です。未来につなぐという意味では、承継も自己変革も防災も同じ地続きにあります。

まとめ:白書を未来の準備に変える

後編で見えてくるのは、白書を読む目的は現状確認だけではなく、未来の準備にあるということです。事業承継は早くから育てる。事例は次の一手を考える材料にする。人口減少やデジタル化の流れの中で必要な能力を考える。そして防災減災まで含めて事業を続ける前提を整える。そうした視点で白書を使うと、年に一度の資料が、これからの経営を組み替えるきっかけになります。

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