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今回の内容について
今回はお客さまからご質問頂いた内容について。Wordpressはもはや世界で最も使われているCMS(コンテンツマネジメントサービス)です。
言葉は難しいですが、端的には、ネット上に置いたホームページ作成サービスとして使う方が多いでしょう。 それは中小・小規模事業者は使えるものなのか?
それともいわゆるヒトモノカネがないと難しいのか?
これは、全く違う切り口で考える必要があります。 その答えをお伝えしています。
詳しくは、この動画か、iTunes/Googleの音声ポッドキャストをお聞き下さい。
YouTubeで動画形式で配信しています
YouTubeにて動画にて配信しています。内容自体は同じです。お好きな方をご覧下さい。
エピソード詳細
目次
今回は、最近ご質問いただいた中からテーマを取り上げます。
自分のことを「中小企業なんですけども」っていう方は多くはないですが、そんなに人や物、お金がない会社の方に、「最近よくWordPressというのを聞くけど、そういうものでサイトを作った方がいいんですか、それとも普通に今まで通りのやり方で作った方がいいんですか?」といった質問をされることがあります。
Web開発関係の方やWordPress に慣れている人にとっては、「え、まだそういう考え方なの?」というふうに思われるかもしれないんですけれども、まあまだそんなものですね。
Web業界の常識は、一般の中小企業や小規模事業者の感覚とは、かなりズレているので、要注意です。
今回は、このテーマでお伝えしていきます。
いくら便利なツールでも、使わない方がいいケースもある?
WordPress 自体はすごく便利なものです。
CMS、コンテンツマネジメントシステムという、オンライン上でホームページを作れるシステムは WordPress 以外にもいっぱいあります。ですが、圧倒的にシェアは WordPress が1位なので、ここではまとめてWordPress と言いますね。
WordPress は自体は、使いこなせれば非常に便利です。便利ですし、コストダウンにもつながりますし、ビジネスのスピードアップにも貢献することが多いですね。
なので、基本的にうちでも、特に何らかのご注文がなければ、WordPress で制作しています。例えば既に違うシステムが入っているとか、どうしてもサーバのからみで使えないとか、そういうことがなければ、ですね。
でも、いろんなことを考えていく中で、こういう企業はWordPress で作らないほうがいいよな、というケースも、まああるなと思っています。
じゃあどういう企業がWordPress を使うべきで、どういう企業が WordPress を使わない方がいいのか、ということですね。
別にWordPress を使わなきゃいけないという決まりは全く無いですし、実際ちゃんとしていれば、使うことでのデメリットなんて全くないんです。
それでも、ホームページ作りました、「じゃ、後はほっといてもなんとかなるよね」と思うような会社はWordPress を使わない方がいいです。それは、WordPress のメリットの部分を潰していますし、WordPress のデメリットの部分が、ものすごく残ってしまうからなんですね。
WordPress のデメリットとは?
先に「WordPress のデメリットってなんだ?」というところからお伝えします。
WordPressは、レンタルサーバーなどのサーバーにインストールします。従来のホームページ制作ソフトのように、手元で作って、FTPでアップして、というものとは違います。
ネット上に、作るソフトがあって、そこで編集ができます。追加や削除ができるんですね。
当然、そこに入るためには、IDやパスワードが必要です。
誰でも触れるようになってしまっていたら、皆さんのホームページはいじり放題になってしまうので、IDやパスワードでログインを行って、この会社の人だよっていうことがわかるようにしていくわけですね。
そういう「ネット上にある仕組み」なので、きちんとメンテナンスをしておかないと、最悪、クラッキングされて、ネット上で動く悪質なソフトウエアやプログラムを埋め込まれてしまったりします。
それによって、一番悪い形だと、そういう感染してしまったパソコン同士がネットワークをつくって、より悪いことをするパソコンを増やしていく、botネットみたいなものを作るものに加担してしまうこともあります。あるいは、迷惑メールを送る踏み台にされてしまうこともあります。
そのように、他の人に迷惑をかけてしまう。また、それを設置しているレンタルサーバ会社に非常に迷惑がかかります。さらにはそのレンタルサーバを使っているユーザーにも迷惑がかかることになってしまうんですね。
最低でもアップデートは素早く確実に(自動更新推奨)
アップデートは管理画面から簡単にできるのですが、定期的に行わないと簡単にクラッキングされやすいです。IDとパスワードが緩いものだったりすると、あっさりとクラッキングされます。当社で扱った案件だけでも、過去に2桁以上ありました。
・現在進行形でマルウェアを垂れ流してしまっているケース
・GoogleでマズいHPと認められて検索結果に載らず、集客できなくなってしまったケース
・サーバー会社でそれを検知してアカウントを凍結させられたケース
等があります。
放置しておくと非常に迷惑がかかるので、セキュリティなどあまり手をかけたくないと思っている方は従来の方法で作ったほうが良いと思います。
つまりは、Dreamweaver等のソフトで作る(もしくは作ってもらって)アップロードする方法です。この場合は、サーバー自体がクラッキングされなければセキュリティー的な問題はまず起きません。
メインサイトではなくサブサイトで取りあえず作っておきたいという場合は、体制の前に自分たちでメンテナンスをする気持ちがあるかどうか。もしくはメンテナンスをする企業を利用してお金を払うような気持ちがあるかどうか。
自社で更新する前提がある場合
逆に自分たちで管理画面に定期的に入ってメンテナンスをする、コンテンツの追加修正をする、アクセス解析を見るという気持ちがある、もしくは覚えようという気持ちがある場合は、ワードプレスがお勧めです。なぜかというと、まずソフトで作るのに比べて、圧倒的に技術を必要としません。
ワープロのような操作感と言われていますが、本当にそうです。従来であれば面倒だったサイドバーをいじるような操作も、ワードプレスであれば簡単にできるような仕組みが始めから備わっています。結構自由自在にできる方が多いです。
また書店に行けばワードプレス関連の本はたくさんあります。自分に合う本を選んで見ながら習得するのはスムーズでしょう。セキュリティーに関しては、ワードプレス側もクラッキングされやすい脆弱性が出てくればアップデートをしてくれるので、それを定期的にやります。
プラグインを利用していれば、そのアップデートもしていきます。またIDとパスワードももちろん強固なものにします。そこまでやれば、まずクラッキングされることはありません
やっていくモチベーションがあれば
多少のことは覚えてやっていくモチベーションがあれば、自分たちで動かすまでのハードルが低いワードプレス、ムーバブルタイプ、ヴィックスは結構使えます。ムーバブルタイプは商用なので少し高めで仕組みが違い、プラグインはワードプレスに比べてだいぶ少ないですがアリです。
活用の敷居が低くなります。例えば隣町に行くのに歩くと遠いけれど自転車なら速いのにな、でも自転車の練習をするのが大変だな、という時に、すごく簡単に乗れる自転車が発明された!というような感じです。ただしメンテナンスをしておかないと途中で壊れるというイメージです。
正直モチベーション次第です。私も関わっていてコンサル期間が終了してしばらくしてから話を伺うと、全然ワードプレスのアップデートをしていないということがありました。それはやらないほうが良いですし、きちんとしたパートナーを付けたほうが良いです。
当社でも自分でできるという会社さんには、そのほうが意識が高まるのもあって自分でやってもらっています。しかしやるべきことは分かるけれど回せないということであれば、当社でオプションとしてセキュリティー関連の対応までするケースもあります
くり返しになりますが、絶対に放置だけはいけません。自社だけでなく他者への損害賠償レベルの問題に発展する可能性もはらんでいるので要注意です。それをきちんとクリアすれば、ワードプレスは非常に便利です。
ワードプレスは何が便利?
ここからはワードプレスの利便性についてです。昔ながらのHP作成方法も、昔にくらべて楽にはなってきました。ライブラリ、ジェイクエイリー、フレームワークが出てきています。アニメーションやインターフェースの部分の仕組みを簡単に入れられるようにはなりました。ただ最近だとGoogleのアンプという高速化させる技術があります。その代わり技術的に考えるべき点や修正すべき点はあって、実装させるのは結構大変ですが。
それがワードプレスであれば、プラグインを投げる、あるいはプラグインを入れたくないケースでも、ワードプレス自体の内部ファイルをいじることで、結構簡単に一気にサイト全体を対応させることができます。SSL対応も必要なサイトであれば、全てに入れられます。500ページや1,000ページだと大変だったりするのですが、ワードプレスならプラグインを入れて、テーマファイルをさらったり、データベースをさらったりすれば良いので一瞬です。
いろいろなことが楽にできます。問い合わせフォームは簡単に無限に増やせます。SEOは昔はタグをここに入れて、タイトルタグは一つで・・・といろいろと考えなくてはいけなかったのが、今はSEO用のプラグインを入れるだけで自動的にある程度やってくれます。
自動的ではない部分についても、自分たちでここに入れればよいということが分かりやすいですし、プレビュー機能も付いています。動画やGoogleマップも簡単に入れられます。HTMLが分からなくてもいろいろなことができるのが、ワードプレスの良い点です。
ビジネス的動きを加速させられるツールなので、絶対にうまく使っていくほうが良いです。ただしその気がなく、ただオンライン上にHPが欲しいというだけであれば使わないほうが良いということになります。
その他の注意点:サーバーの向き不向き/制作会社の選び方
また別の観点の注意点として、便利なぶんパワーを食うのでサーバーの向き不向きがあります。今HPの速度はめちゃくちゃ重要だと言われています。Googleではランキング要因には入れていないと言っていますが、Googleサーチコンソール等対話するツールの中では「速度」という項目があります。また、やはり速度が速くないとユーザーさんは離脱してしまうので、できるだけ速くHPが出てくるほうが良いわけです。
従来型のHPではあまり問題にはなりませんでした。なぜかというと、ほとんどプログラムが走っていなかったからです。HTMLを読み込んで、それをそのままCSSと一緒にポンと出すというやり方なので、だいたい速いのです。ワードプレスもムーバブルタイプも、レンタルサーバーの特にデータベース、PHP等プログラムの動作速度が非常に重要になってきます。
基本的に何も考えていないサーバーに取りあえず突っ込んだりすると、だいたい遅いです。毎回アクセスされる度にデータベースにデータを取りに行き、それをPHP等いろいろなプログラムを経由してページが出てくる、という複雑なプロセスが裏にあります。
そのあたりを理解した上でサーバーを構成して作っているところであれば、ワードプレスを入れてもそこまで遅くはなりません。しかしサーバーによっては結構遅いところがあります。そういうところに入れると、作り手として便利にはなるけれどお客様的には悪印象になってしまいます。ですからワードプレスが高速に動くサーバーを使うほうが良いです。
探せばいろいろとありますし、お試し期間で導入して実験するのも良いでしょう。
中小企業・小規模事業者が全部自社で作るということはないと思うので、どこにお願いするかという問題もあります。その際に注意すべきは、ワードプレスの便利なところを100%生かして作ってくれるところと、使ってはいるけれどワードプレスを使う意味がないような作り方をするところがあるということです。その中間もあります。
ワードプレス自体はとても便利な機能がたくさん入っているので、それを100%使えるようにした上で作っていくのが理想です。基本的にきちんとした制作会社さんはそういう作り方をしているはずですが、そうでないところがあるのも確かです。
例えばワードプレスでページを作るというと固定ページ、投稿と用途によって使い分けていくのが基本です。そこに+αでカスタム投稿タイプがあります。例えば、その固定ページが使えなくなっていたりします。投稿という機能を使えばブログのように使えるとたいていの本に書いてありますが、投稿に書いても全然それが見られないというケースがあります。
それは元々のワードプレス自体を独特の作り方をしてしまって、お客様側でいじれないような作り方をしてしまう会社が時々あります。そうではなくきちんとワードプレスの機能を生かした上で付加価値を付けて作ってくれる会社を選ぶべきです。
ワードプレスは簡単に作れるようになったので、敷居が下がりました。それは皆さんがいじる敷居も下がりましたが、制作側の敷居も下がってしまったのです。だから技術はそこまで分からないけれど、なんとなくうまくできちゃったというケースが残念ながらあるのです。きちんと皆さんのやりたいことをまとめておいて、書面でそれができるか確認をしましょう。または紹介してもらうのが良いです。
まとめ
中小企業・小規模事業者がワードプレスを使うべきかどうかというと、やる気があってきちんと関わるのであれば絶対に使うほうがお勧めです。そうではく放置するサイトを作る、あるいは関わる余地がないという場合は、パートナーを用意した上で運営するなら良いです。そうでない場合は、使わないほうが良いです。
もしくはヴィックス等クラウドで、運営会社が勝手にメンテナンスしてくれるようなものを使ったほうが良いです。ただしアクティブに使うと相当加速できる素晴らしいツールなので、うまく使いましょう。
中小企業・小規模事業者はビジネススピードを速める余地がたくさんあるので、とてもマッチすると思います。大企業はいろいろなチェック項目があったりして進みが遅くなることが多いので、なかなかそういう良さを引き出せません。
今普通のHPを使っていてなかなか更新できない、1回に数万円かかってしまう、1週間かかると言われる、だから放っておいているという場合には、今のうちに少し頑張ってワードプレスに乗り換えるのがお勧めです。自分たちで更新する方法をサポートしてもらいながら覚えて、自分たちの中で転がしていって、時々第三者の専門家の意見をもらう、パートナーに助言をもらうというかたちでビジネスに役立てると良いでしょう。
生きたHP、つまり裏で人が動いていると分かるようなHPはお客様によく伝わるので、そういうところのほうが反応が上がります。それは別にブログを毎日更新するというようなことではありません。お客様の質問がきちんとFAQに反映されるということがあると自然と良いものになっていきます。これは自分たちで回せるようにならないと、なかなか難しいです。そういう考え方を持っていただくと良いのではないでしょうか。