第563回:SEOの最新情報、本当に毎日追う必要ある? 効率的な情報収集スパン

Podcastの概要

Google検索のAI化が進み、SEOの世界では「考察の余地」が少なくなりました。結果、最新情報として流れてくるのは、すぐに行動に繋がらない細かい話が中心です。この配信では、Web担当者が情報過多の状況から抜け出し、より生産的な業務に時間を使うための考え方を提案します。情報収集の代わりに注力すべきこと、パートナーとの付き合い方などを扱います。

Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問

Q1. SEOに関する最新情報は、どのくらいの頻度でチェックすれば良いのでしょうか。
A1. 結論から言うと、月に2、3回程度で十分です。毎日や毎週チェックしても、得られるものに対して時間的なコストパフォーマンスが合わない状況になっています。
Q2. なぜ最近のSEOニュースは、頻繁に追いかける価値が低くなったのですか。
A2. GoogleのアルゴリズムがAI駆動になり、人間が考察できる余地が少なくなったためです。結果として、メディアで報じられる情報も、本質的ではない些細な内容や、関係者の発言を切り取ったワイドショー的なものが増えています。
Q3. 最新情報を追わないと、何か大きなリスクや機会損失はありませんか。
A3. 10年ほど前はそうした側面もありましたが、今はほとんどありません。重要なアルゴリズムアップデートがあっても、すぐに有効な対策が打てるわけではないため、速報性を追うメリットは非常に少ないです。
Q4. では、情報収集の代わりに、何に時間を使うべきなのでしょうか。
A4. 自社の製品やサービスそのものを磨き、顧客にどうすれば届けられるかを考える時間に使うべきです。また、AIなどを活用して日々の業務をいかに効率化、省力化できるかを考え、実践することも重要です。
Q5. Googleのコアアルゴリズムアップデートの情報は、どのように扱えば良いですか。
A5. 「いつ始まり、いつ終わったのか」そして「全体的にどのような傾向があったのか」という概要を、後からまとめて把握する程度で問題ありません。速報を知っても具体的なアクションは取れないため、一喜一憂せず、冷静に状況を見ることが大切です。

トランスクリプション・内容の要点

こんにちは、ラウンドナップウェブコンサルティングの中山です。このポッドキャストでは、会社のウェブ活用に役立つ情報をビジネス目線でお届けしています。

Web担当者の方や経営者の方から「SEOのニュースはどれくらいの頻度でチェックすればいいですか」というご質問をよくいただきます。最新情報を追わないと損をするのではないか、という危機感をお持ちの方も多いようです。

今回は、この「SEOの情報収集」について、私の考えをお話しします。

結論:SEOの情報収集は「月に2、3回」で十分

まず結論からお伝えすると、SEO関連の最新情報を追いかける頻度は、月に2、3回程度で十分だと考えています。1週間に1回でも多いくらいかもしれません。なぜなら、最新情報を必死に集めても、得られるものがコストに見合わない、つまり「コストパフォーマンスが非常に悪い」状況になっているからです。

私自身も企業のWebマーケティング全般をお手伝いする中で様々な情報を収集していますが、SEOに関する情報収集の頻度は年々減っています。それでも業務に支障はほとんどありません。なぜ、そのように言えるのでしょうか。

理由1:考察の余地がなくなり、追いかける価値のある情報が減った

10年ほど前、まだGoogleのアルゴリズムが未成熟だった時代は、最新情報を追いかけることに大きな価値がありました。特許情報などからアルゴリズムの動きを推測し、他社に先駆けて「SEOハック」的な手法を見つけ出すことも可能でした。当時は、情報を知っていることが直接的なアドバンテージになったのです。

しかし、今は状況が全く異なります。Googleが発信するメッセージは、「品質の高いオリジナルなコンテンツを、ユーザーのニーズに合わせて信頼性を担保しながら作りましょう」といった、非常に抽象度の高いものばかりです。ここから具体的なテクニックを考察するのは、ほぼ不可能です。

アルゴリズムがAI駆動になり、Googleの内部の人でさえその全てを把握できない、という状況がそれを加速させています。結果として、我々が追いかけるべき、中身の濃い情報そのものがなくなってきているのです。

理由2:SEOニュースの「ワイドショー化」が進んでいる

考察できるネタが減ったことで、SEO関連のメディアも情報発信に苦心しています。トラフィックを集めるために、Google関係者の些細な発言を大きく取り上げたり、分断を煽るような記事が増えたりと、いわゆる「ワイドショー化」の傾向が見られます。

例えば、先日Googleの広報担当者が交代し、情報発信用のX(Twitter)アカウントが統合されるという発表がありました。これは組織の体制変更に過ぎないのですが、一部では「Googleは対話を軽視し始めた」といった過剰な反応が見られました。

このような、知っていても知らなくても施策に何ら影響のない、ゴシップのような情報がニュースとして増えています。こうした情報に時間を使うのは、非常にもったいないと言えるでしょう。

海外の有名メディアですら、ニュースは細かい内容ばかり

試しに、海外の有名SEO情報サイト「SearchEngineLandTable」の月次レポートを見てみましょう。7月のレポートで紹介されている内容は、以下のようなものです。

  • コアアルゴリズムアップデートが始まり、終了したという報告
  • アップデート後もランキングの変動が続いているという報告
  • Googleにインデックスされていないサイトは、信頼性が低い可能性があるという指摘
  • GoogleのAI機能がインドや英国に拡大したというニュース

いかがでしょうか。ほとんどが事後報告や、すぐには具体的なアクションに繋げられない情報ばかりだとお分かりいただけると思います。これらを毎日追いかける必要性は、ほとんどありません。

では、情報収集の代わりに何をすべきか

では、情報収集に割いていた時間を、何に使うべきなのでしょうか。

  1. 自社の製品・サービスを磨き、顧客と向き合う
    究極的には、これしかありません。良い製品、良いサービスを作り、それをどうすればお客様に知ってもらえるかを考える。そのためのコンテンツ作りやサイト改善に時間を使うことが、最も本質的です。
  2. AIなどを活用した業務の効率化
    日々の業務の中に、AIで効率化できる部分はないか探してみましょう。情報収集に時間をかけるよりも、業務の生産性を上げる方がよほど有益です。

アルゴリズムアップデートの情報をいち早く知ったとしても、今の時代、すぐに対応できることは何もありません。分析に時間がかかり、有効な対策が出てくるのはずっと後です。ですから、速報性にこだわる意味はないのです。

まとめ:情報に振り回されず、本質的な活動に集中しましょう

Web担当者の方は、SEOの最新情報を追えていないことに不安を感じる必要は全くありません。情報収集は月に数回、まとめサイトの見出しを眺める程度で十分です。

「最新のSEOでは…」といったセールストークにも注意が必要です。その手法が有効なのは一瞬かもしれません。大切なのは、小手先のテクニックではなく、顧客と向き合い、自社の強みをWebサイトでどう表現していくかという、地に足の着いた活動です。裏技は、もう存在しないのです。

情報収集のプレッシャーから解放され、ぜひ本質的なマーケティング活動に時間を使っていただければと思います。

詳細はPodcastをお聞き下さい。

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