第563回:SEOの最新情報、本当に毎日追う必要ある? 効率的な情報収集スパン

第563回:SEOの最新情報、本当に毎日追う必要ある? 効率的な情報収集スパン

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は「ニュースをどれぐらいチェックしたらいいのか」を、特にSEO(検索エンジン最適化)周りの話として整理します。

この記事で得られること(要点)

SEOニュースの追い方に過剰な危機感を持たなくていい理由と、現実的なチェック頻度の目安、そして“追うべき例外”を整理して持ち帰れます。

結論から言うと、SEOの最新情報は追いすぎないほうがいいと私は思っています。頻度としては、月に2〜3回でも十分で、1週間に1回でも多いと感じることがあります。

例外として押さえるなら、アルゴリズムアップデートに絡む大きな変動ぐらいです。ただ、それも「最速で知ったからといって、すぐ何か対策できる時代ではない」という前提で、冷静に扱うのがいいと考えています。

まず前提:ニュースを追う“圧”が強すぎる

検索エンジン界隈、つまりSEOは昔から「最新情報を押さえていないと正しい判断が出来ない」と言われがちな領域でした。

広告やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)など他のマーケ領域もありますが、デジタル全体として「最新情報を追わなきゃいけない」という風潮が強かったと思います。

その結果として、お客様からも「日々情報を追っていかなければいけないんですかね」という危機感の相談をよく受けます。ただ、ここは最初に安心していただきたいところで、私は今、そこまで“追う価値”が高いとは感じていません。

結論:チェック頻度は「少なくていい」

私の感覚では、SEOニュースのチェックは月に2〜3回で十分です。週1回でも多いと感じることがあり、集中的に最新情報収集をしても、得られるものがかなり少ないと思っています。

私はSEO専業というより、企業さんのWebマーケティングやデジタル関連のよろず相談を支援する立場です。その前提でも、SEO情報のチェック頻度は意識的に減らしていて、減らしても大して影響がないと感じています。

目安の整理(私の推奨)

対象 チェック頻度の目安 見方
SEO関連ニュース全般 月に2〜3回(多くても隔週) 見出し中心で十分。興味が湧いたものだけ読む。
アルゴリズムアップデート(大きな変動) 発生時に把握(ただし過剰反応しない) 日程や“ざっくりした傾向”だけ押さえる。
施策の方針(何をやるか) 四半期ごとに見直し(理想は月1で軽く軌道修正) パートナーと相談し、次の期間の方針を決めて進める。

昔は「追う価値」があったが、今は事情が違う

10年〜15年ぐらい前、たとえばペンギンアップデートやパンダアップデートといった名前が出始めた頃は、追う価値が確かにありました。Googleのアルゴリズムがまだ未成熟で、Google側の発信や、特許情報などのヒントから、考察の余地があった時代です。

私自身も2003年〜2004年くらいから、Webマーケティング全般として実質ほとんどSEOのブログを書いてきたので、当時の空気感はわかっているつもりです。ちゃんと追いかけることで、他者に先駆けて「裏技」とまでは言わなくても、いわゆるSEOハック的なものを仕掛けられることがありました。

また「これはまずい」という兆しを早くキャッチして、先回りして改善することにも意味がありました。ただ、今それがどれくらい通用するかというと、私はほとんどないと思っています。

追う価値が落ちた理由1:考察できる“余地”が減った

今のGoogle周りの話は、極論すると「品質の高いコンテンツを作り、オリジナルの内容を入れて、ユーザーのニーズに合う形で、信頼性を担保していきましょう」という抽象度の高い話が中心になりがちです。

ここに対して、昔のように細かな“解釈の余地”を広げるのは難しくなりました。

さらに、AI(人工知能)駆動が進んだことで、Googleの中の人たちであっても、アルゴリズム全体を頭の中で完全に説明できるような状況ではなくなっていると思います。

「なんでそうなるの?」と聞かれても「なんでだろうな」となってしまう領域が増えてきた、という感覚です。

考察をするなら、大きなデータを取り、そのデータを元に論旨を組み上げるような、カロリーの高い情報が必要になります。ただ、そんなものを毎日出せるわけがありません。

追う価値が落ちた理由2:ニュースが「ワイドショー化」している

ニュースの“ネタ”が薄くなる一方で、メディア側はトラフィックを集めなければいけません。その結果として、私は少しずつワイドショー化していると感じます。

たとえばGoogleの中の人のちょっとした発言が、すぐ記事になります。

昔ならトップストーリーに上がらなかったような細い話までニュースになり、「知っても知らなくてもどうでもいい」と言い切れてしまうものが増えている印象です。

背景には、AIの出現で非常に大きな変化が起き、うまく乗れている人とそうでない人の間に分断が生まれやすい、という空気もあると思います。

私は「勝ち組・負け組」という言い方はあまり良くないと思いますが、そういう温度差があると、記事や反応が必要以上に煽りっぽくなり、情報が中立になりにくい側面があります。

具体例:Search Engine Roundtableの月次まとめを見ても、薄い話題が中心

海外の有名どころとしてSearch Engine Roundtable(サーチエンジンラウンドテーブル)があります。ここが月次で「先月こんなことがありました」というまとめ(Webmaster Report)を出しているのですが、最近それを読んでも「正直、ネタのない1ヶ月だったな」と感じることが増えています。

扱われているカテゴリとしては、Googleのアップデート、GoogleのAI、SEOのさまざまな話題、マップ、Search Console(サーチコンソール)やツール系などに分かれています。ただ、見出しの内容はたとえば次のような粒度が多い、というのが正直なところです。

  • コアアップデートがあった/終わった、という進捗の話
  • 変動(ボラティリティ)が続いている、という話
  • HCU(Helpful Content Update:ヘルプフル コンテンツ アップデート)で落ちた一部が戻った、という話
  • AIモードのテストや展開地域の拡大など、細かな変更の話
  • 「インデックスされていないのは信頼の問題かもしれない」など、タイトルになりやすい断片

この粒度なら、毎日追う必要はなく、2週間に1回〜月に数回、見出しをざっと眺めて気になったものだけ読むくらいで十分だと私は思います。

ニュースを追うより優先したいこと:AI活用と、やるべきことの定式化

ニュースを毎日追っても、できることが増えないなら、その時間の使い方を変えたほうがいいと思います。

たとえばAIを使って、今やっている作業をどう効率化するか、ひとりでできる仕事の幅をどう広げるか、省力化の余地がどこにあるか、こういったほうに時間を割くほうが“得”だと感じます。

また、テクニカルな部分でやらなきゃいけないことは今もたくさんあります。

ただ、それは最新情報を追って初めてできる類のものというより、かなり定式化してきています。だからこそ、ニュースで消耗しない進め方のほうが現実的です。

「最新情報を押さえてないとまずい」は、セールストークとして警戒する

「今一番新しいのはこれです」「最新情報を押さえてないとまずいですよ」という話は、気をつけたほうがいいと思います。

その瞬間は方向性として正しく見えることがあっても、すぐ変わる可能性がありますし、そもそも最新であること自体が成果に直結しにくい状況です。

究極的には、サービスや製品を磨き、それをどうやったら知ってもらえるかを考えることに戻ります。

お客さんがどういう状態で、どんな情報を求めているかを把握したうえで、どう届くのかを試行錯誤し、積み重ねが花開くのを待つような施策になりやすい。裏技は、やっぱりないというのが私の実感です。

SEO業界の空気感:中立な情報が集まりにくい

AIモードやAIオーバービューの流れで、直接的なダメージを受けた人が増えています。その結果、X(旧Twitter)などでは、Googleが何かするたびに短絡的な反応が返ってくる状況も見えます。

中立的で正面からの情報ほど、残念ながら受けにくく、抽象的になりがちで埋もれやすい。だからこそ、派手な話題が浮かび上がり、さらにワイドショー化が進む、という循環が起きているようにも感じます。

Googleの「中の人」ニュースの扱い方(ダニー・サリバン氏の例)

Danny Sullivan(ダニー・サリバン)氏の話があります。

Search Liaisonという役割・アカウントは、SEO関連の情報を伝える“仲介”のような位置づけで知られていました。

これに関連して、体制変更の結果として、発信の窓口が整理されるような動きがあり、それに対して過剰に反応する空気もありました。

ただ、フラットに見れば、Google内部の体制変更の一環として捉えるのが自然だと私は思います。

もともとGoogleは、Matt Cutts(マット・カッツ)氏の頃から、個人がオープンにコミュニケーションを取る文化がありました。

今も、John Mueller氏やGary Illyes氏などが、場に出て回答するような動きはあります。ただ、その“ちょっとした言動”がすぐニュースになり、推測や憶測を含んだ盛り上がりでしかニュースにならないことが、この業界の歪な状況を示しているように思います。

まとめ:SEOニュースは「隔週〜月数回」で十分

SEOの最新情報は、今は大してコストパフォーマンスが良くない、と私は考えています。

だから、月に1〜2回〜2〜3回くらい、まとめ系の見出しをざっと見て、気になったものだけ読むくらいで十分です。

例外はアルゴリズムアップデートですが、それも最速で知ってもすぐ対策できる時代ではありません。

時間とコストをかけすぎず、やるべきこと(製品・サービスの磨き込み、届け方の工夫、必要な改善の積み上げ)に寄せていくほうが、結果として前に進みやすいと思います。

なお、SEO業界自体が今後どうビジネスを転換していくのか、という話は別の機会に回します。単純に「古いSEOからAIの時代に移行しよう」というだけでは片付かない、という感触があるからです。

関連リンク

FAQ

SEOニュースは毎日チェックしたほうがいいですか?

私は、毎日チェックする必要はほとんどないと思っています。月に2〜3回、まとめを見て、気になったものだけ読むくらいで十分です。

コアアップデートはどれくらい気にすべきですか?

例外として把握はしておくと安心です。ただ、最速で知ってもすぐに打てる対策があるわけではないので、日程感と大きな傾向を押さえる程度でよいと考えています。

ニュースを追っても“やること”が増えないのはなぜですか?

今は「品質の高いコンテンツを作る」「信頼性を担保する」といった抽象度の高い話が中心で、昔ほど考察してテクニックに落とし込める余地が少ないからです。

SEOニュースがワイドショー化している、とはどういうことですか?

Googleの中の人の小さな発言がすぐ記事になり、推測を含んで盛り上がるような話が増えている、という意味です。知っても知らなくても影響が小さい話題が増えたと感じています。

ニュースを追う時間があるなら、何を優先するとよいですか?

私は、AIでの効率化や省力化、そして製品・サービスを磨いて「どう知ってもらうか」を考えることに時間を割くほうがいいと思います。施策の方針は四半期ごとに見直し、必要なら月1で軽く軌道修正する進め方が現実的です。

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