第243回:Webマーケティングの目標はどう決める?目指す姿から逆算する考え方

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

Webマーケティングの目標を考えるとき、今できていることに少しずつ足していく方法があります。費用を減らす、サービスを増やす、売り方を工夫する。こうした取り組みは必要ですが、それだけでは、会社としてどこへ向かうのかが見えにくくなることがあります。

私がお勧めしたいのは、先に目指す姿を考え、そこから今やることを決める方法です。目標の数字だけでなく、その数字を達成した会社が、誰に何を提供しているのかまで考えていきましょう。

今できることを足す前に、数年後の姿を描く

目の前にある課題を一つずつ解決していくと、確かに前には進みます。ただ、その積み重ねで出来上がった事業を振り返ると、「どうしてこの形になったんだろう」と、自分たちでも説明しづらくなることがあります。

その場でできることを選び続けた結果、特定の人の力に頼った構成になっているかもしれません。その人がいなくなると、何のためにやっているのか、どう続ければよいのかが分からなくなってしまう。そういう不安定さも出てきます。

そこで、三年後、五年後にどんな会社になっていたいかを先に考え、そこから今の仕事を見直すことをお勧めしています。現在地から少し先を見るだけでなく、行き先から現在地を見るんですね。

こうした考え方をトップダウンと言うことがありますが、上司が一方的に命令するという意味ではありません。目指す状態を先に置き、そこへ行くための方法を考えるという意味です。

売上の大きさと一緒に、誰へ何を届けるかを決める

では、売上を大きく掲げればよいのかというと、それだけでも足りません。どんなお客さんに、どんな価値を届けて、その売上を作るのか。進む方向が必要です。

お客さんは、既に他社の商品やサービスを使っているかもしれません。そこで特に不便を感じていないのであれば、似たものを出しても、わざわざ自社へ変える理由がありませんよね。

今のサービスでは満たされていない部分があるのか。もっと早く、もっと使いやすくできるのか。あるいは、まだ十分に対応されていないお客さんがいるのか。自社が選ばれる理由を考える必要があります。

目標は「どのくらい大きくなるか」と「どの方向へ進むか」を一緒に決めると、仕事につながりやすくなります。数字だけを渡されても、現場は何を変えればよいか分かりません。誰に何を届ける会社になるのかが分かれば、今あるサービスや発信の仕方も見直せます。

今の延長では届かない目標も、一度考えてみる

私たちはどうしても、今の人数や予算、今までのやり方を前提に考えがちです。そうすると、目標も「これならできそう」という範囲に収まりやすくなります。

少し発想を広げるために、今の三倍、五倍の規模になっているとしたら、何が変わっているだろうかと考えてみてください。今と同じことを少し速くやるだけでは届かないのであれば、お客さん、提供するもの、仕事の進め方を違う角度から見る必要が出てきます。

これは、その数字をそのまま社員のノルマにしてくださいという話ではありません。実現できる根拠もないまま大きな数字を掲げればよい、ということでもありません。

今の制約の中だけで考えないために、先に目標の幅を広げてみるということです。大きく考えたことで、今まで候補にも入っていなかった道が見えるかもしれません。そのうえで、会社として目指す方向や実行方法を検討していきます。

行き先が決まったら、今やることを選ぶ

走る距離を伸ばしたいときも、「できるだけ遠くまで走ろう」より、「今は五キロだから、十キロを走れるようになりたい」のほうが、練習を考えやすいですよね。どこまで行きたいのかがあるから、今との間に何が必要かが見えてきます。

Webの取り組みも同じです。目指すお客さんや提供価値が決まれば、どんな情報をサイトに載せるのか、どこを強く伝えるのか、どの仕事に時間を使うのかを選びやすくなります。

良さそうな施策を見つけたときにも、目指す姿に近づくために必要かどうかを、取り組む基準にすることができます。できることを全部やろうとするより、限られた時間や人をどこへ使うかがはっきりします。

もちろん、行き先を決めたからといって、最初に考えた道順に縛られる必要はありません。動いてみて分かったことを踏まえながら、方法は変えてよいんです。

目標の方向を、現場が納得できるところまで共有する

経営者の頭の中にだけ目指す姿があっても、それだけでは会社は動きません。なぜそのお客さんに向かうのか、なぜその価値を提供したいのか。働く方が理解し、納得できるように伝えることも、上に立つ方の大事な仕事です。

そのためには、お客さんのことを自分たちでも知る必要があります。自分がその商品やサービスを使う側になってみることも、その一つです。使って初めて、便利さや不満に気づくことはありますよね。会社の中だけで考えていると見えないことがあります。

そうした理解を共有しながら、目標を置いていきましょう。実際に進める中で、お客さんのニーズを取り違えていたと分かることもあれば、競合の状況が変わることもあります。そのときは方向自体を見直す必要があります。

目標を決めるのは、会社が同じ方向へ進むためであって、最初の案を守り続けるためではありません。先に目指す姿を持ち、そのために今何をするかを考え、分かったことに応じて見直す。この進め方を、自社のWebマーケティングでも取り入れていただければと思います。

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