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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、勝手ランキングや比較記事、○○選記事のようなセルフプロモート型のページが、なぜ今あらためて見直しの対象になっているのかを、現場で見えてきた変化とあわせてお伝えします。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
自社をよく見せる「前提」で作られた、セルフプロモート型の記事はリスクが高くなっています。Googleも厳しく見てくる動きが現れ始めています。
また、今は検索だけでなく、生成AIでの再参照や情報探索が一気に広がっています。そのため、法的な見られ方、そして読者の信頼まで含めて、短期的な露出より長く残るデジタルタトゥーを警戒すべきです。
自作自演的なランキング記事が少しでも話題になれば、あるいはそう言った業者に対する風当たりが強くなれば、そこに依頼しているあなたも、未来に続く営業負債を抱えてしまうかも知れません。
要点
- ランキング形式そのものが問題なのではなく、独自性や一次情報のないセルフプロモート型の作り方が危うくなっています。
- 一時的に見つかりやすくなったとしても、見抜かれた瞬間に信頼を失いやすく、その印象は後から消しにくいです。
- これからは、どこかに載ることよりも、第三者に正当に選ばれる状態をつくることの方が、はるかに企業の資産になります。
「勝手ランキング記事」とは?
もともと比較記事やランキング記事には、読者に選択肢を渡す役割がありました。それ自体は悪いことではありません。実際、丁寧に比較し、評価軸を明示し、経験をもとに書かれた記事は、読み手にとってとても役に立つものです。
ところがその中には、最初から自社を押し上げるために作られたページがあります。
おすすめ、比較、○○選といった形を取りながら、実際には読者の判断を助けるより、自社への導線づくりが主目的になっているものです。
見た目は情報提供でも、中身はPRの延長になっている。そういうページが、ここしばらく目立つようになってきました。多くの場合それは自作自演か、そう言った業者によるコンテンツ作成サービスによる記事です。
営業提案として広がっている
現場で見ていても、この手の提案は増えています。
社のクライアントに寄せられる営業をチェックしていますが、生成AIに強いという話が出回ってから一気に増えています。
後えば、特定の地域や業種について「おすすめを教えて」と生成AIに聞かれたとき、先に一覧ページを作っておけば引用されやすい、という営業文句ですね。
自社を1位に入れる、自社を10選の中に入れる、掲載されていること自体を実績のように見せる。そうした見せ方を成果として売っている提案です。
読み手の判断材料を増やしているのではなく、最初から誘導先が決まっているなら、それは比較記事の形を借りた販促に近くなります。
その違和感は、いままで以上に見抜かれやすくなっていますが、あくまで対話型AIに引用されるために作っている、コンテンツ自体を見せないようにするという点で巧妙です。
検索での評価が変わり始めている
その前提で見ておきたいのが、2025年12月のコアアップデート以降の変化です。Googleの公式記録でも、2025年12月11日から29日までコアアップデートが行われたことが確認できます。Google Search Status Dashboard
その後、2026年2月4日に公開された Google may be cracking down on self-promotional ‘best of’ listicles では、自社を上位に置くベスト記事を多く抱えたサイトで、可視性が大きく下がった事例が紹介されていました。
もちろん、これだけで世の中のすべてを断定はできません。ただ、少なくとも「こうした作り方は今後も安全資産になる」とは言いにくくなっています。
実際に見られたらマイナスだがGoogleのAImodeなどで好意的に露出できるなら差し引きプラスだという考え方が通用しなくなる可能性が高いからです。
ランキング形式そのものが悪いわけではない
念のためお伝えしたいのは、Googleが比較記事やランキング記事そのものを否定しているわけではない、ということです。
Googleの Google Search’s reviews system でも、比較やランキング形式のレビュー自体は対象に含まれています。
問題になるのは、今回話題にしたような実際に見たり使ったりした経験、独自の調査、一次情報、明確な評価軸がないまま、自社を持ち上げるために作られた薄いページです。EEAT的な文脈でもあります。
Googleは Creating Helpful, Reliable, People-First Content でも、検索順位を動かすためではなく、人の役に立つ内容を重視する姿勢を明確にしています。
ですから、守るべきなのは「ランキングという形式」ではなく、「そのページが何のために作られているか」です。そこがぶれると、長く残るページにはなりません。
見抜かれた瞬間に信頼を失う
いちばん大きいのは、順位の変化よりも先に、読者の信頼を失うことです。
私も何度も経験をしています。
例えば以前、WordPressテーマを探していて、なるほど1位はこれなのかと思って見ていたら、そのテーマを販売している会社のページだった、ということがありました。
自分で自分を1位にしているのか、と気づいた瞬間、そのページだけでなく、その会社に対する見方まで変わってしまいます。もちろん悪い方向に。
商売をしていると、法に触れないなら試してみてもよいのでは、と考えたくなる場面はあります。必死です、商売って、分かります。
ですが、今の環境では、見抜かれたときの印象の悪さが大きすぎます。
自社サイトの中でやる場合も、別ドメインのメディア風サイトを使う場合も同じです。オウンドメディア構築サービスなど。読者は思っている以上に、そこにある不自然さを見ています。
そして、その印象はその場限りで終わりません。
選ばれない理由が積み重なれば、営業にも採用にも、紹介にも静かに響いていきます。派手ではなくても、こういう傷は後からじわじわ効いてくるものです。
AI時代は、過去の見せ方まで残りやすい
もう一つ重いのは、公開した情報が後からまとめて参照されやすくなったことです。
以前よりも、過去のページ、掲載先、評判、炎上の文脈がつながって見られやすくなっています。その場しのぎの見せ方だと思って出したものが、後になって会社の姿勢そのものとして読まれてしまうことがあります。
これはAIによる情報収集がもたらしたものです。
掲載先のメディアや運営会社が問題を起こしたときも同じです。そこに載っていた企業名の一覧は、すぐに掘り返されます。
依頼した側にまで「そういう見せ方を選んだ会社なのか」という印象が返ってくるので、後からきれいに切り離せるとは考えない方がよいです。
生成AIについても、Googleではだめでも他では出るから構わない、と単純には考えにくくなっています。
Googleの AI Features and Your Website でも、AI Overviews や AI Mode のために特別な最適化が必要なわけではなく、基本のSEOと、人の役に立つ内容が前提だと案内されています。近道に見えるやり方ほど、土台が弱いまま残りやすいのです。
法律面も軽く見ない方がいい
法律面も外せません。比較広告そのものは禁止されていませんが、消費者庁の 比較広告 では、主張する内容が客観的に実証されていること、数値や事実を正確かつ適正に引用すること、比較の方法が公正であることが必要だと示されています。
比較すること自体より、どう比較するかが問われるということです。
また、消費者庁の No.1表示に関する実態調査報告書(概要) では、自社商品を選択肢の最上位に固定して誘導する例や、合理的な根拠に基づかない表示が問題になるとされています。ランキング記事は表現が違っても、見せ方を誤ればかなり近い構図になりやすいです。だからこそ、「みんなやっているから大丈夫」とは考えない方が安全です。
これから舵を切る方向
では何をするのか。遠回りに見えても、やることははっきりしています。第三者に正当に選ばれる状態をつくることです。
- 商品やサービスそのものを強くすること。 まず見直すべきなのは見せ方ではなく、中身です。紹介される理由を外側でつくるのではなく、選ばれる理由を中に積み上げていくことが土台になります。
- 正当な形でレビューを集めること。 自作自演の評価ではなく、実際のお客さまからの声を集める。その声が偏らず、無理のない形で蓄積されていく状態をつくることが大切です。
- その声を改善の循環につなげること。 集めたレビューを飾りとして使うのではなく、サービス改善の材料にする。そこで中身が良くなれば、また良い評価が返ってくる。この流れこそが、長く効いてくる企業の資産です。
どこかに載ることを目標にすると、見せ方が先に立ちます。選ばれるに足るものになることを目標にすると、結果として検索にもAIにも耐える土台が残ります。是非実践して頂ければと思います。
関連リンク
- December 2025 core update | Google Search Status Dashboard
- Google Search’s reviews system | Google Search Central
- AI Features and Your Website | Google Search Central
- No.1表示に関する実態調査報告書(概要) | 消費者庁
- 比較広告 | 消費者庁
よくある疑問
- 比較記事やランキング記事は、すべてやめるべきですか?
- いいえ。独自の調査や実体験、明確な評価基準がある比較記事まで否定しているわけではありません。避けたいのは、自社を上位に置く前提で作られたセルフプロモート型のページです。
- 自社を1位にする記事は、なぜそんなに危ないのですか?
- 見た瞬間に「自分で自分を持ち上げている」と分かると、読者の信頼を一気に失いやすいからです。順位の問題よりも、その会社の姿勢そのものが疑われることの方が重くなります。
- AIに引用されやすいなら、試す価値はあるのではないですか?
- そうした営業文句は増えていますが、長く続く施策とは考えにくいです。Googleでも人の役に立つ内容が前提とされており、近道に見えるやり方ほど後から見直しを迫られやすくなります。
- 法律面では、どこを見ておけばよいですか?
- 比較の根拠が客観的に実証されているか、引用が正確か、比較方法が公正か、この3点は必ず意識したいところです。No.1表示と同じように、根拠が曖昧なまま優位に見せるやり方は避けた方が安全です。
- では、これから何に力を入れるべきですか?
- 商品やサービスそのものを強くし、正当なレビューを集め、その声を改善につなげることです。どこかに載ることより、第三者にきちんと選ばれる状態をつくることが、これからの土台になります。
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