第221回:Web活用の時間がないなら、先に業務を減らす仕組みを作る

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

ホームページを活用したいけれど、取り組む時間がない。中小企業の方から、こうした相談をいただくことがあります。反響を一件でも増やしたい気持ちは分かりますが、その時は、先に業務を効率化して時間を作ることをご提案する場合があります。

お客様との接点を中途半端に始めて、途中で止まったり、対応が雑になったりすると、営業や会社の印象にマイナスになってしまうからです。継続して取り組める状態を作ることも、Web活用の準備なんですね。

効率化を「減らす・短くする・忘れてよくする」で考える

業務効率化といっても、漠然としていて、何から始めたらよいか分からないと思います。私は、三つに分けて考えてもらうとよいと思っています。

一つ目は、業務自体を減らすことです。ずっと同じ手順でやってきた仕事でも、見直すと、そもそも不要なものや、別の仕事と一緒にできるものがあるかもしれません。昔からのマニュアルにあるから、という理由で続けていないかを見るわけです。

二つ目は、一つひとつの業務を短くすることです。工程の順序を変えたり、ツールを使ったりして、かかる時間を減らします。三つ目が、業務を忘れていてもよい状態にすること。これは、仕事そのものをなくすこととは少し違います。

作業の数と時間だけでなく、「覚えていなければ」という負担まで減らすのが、効率化の大事な部分です。その前提として、一日に自分や周りの人が何をしているかを見えるようにしておく必要があります。紙でもカレンダーでも、やりやすい方法で記録してみてください。

タスク管理は、安心して忘れられるところまで進める

タスク管理やカレンダーを使う目的は、忘れないことだけではありません。「これを忘れないようにしよう」と、頭の一部を使い続けなくてよくすることでもあります。

必要な時に知らせてもらえるから、それまでは目の前の仕事へ集中できる。知らせが来たら、必要な情報を見て動ける。そういう状態に持っていきたいんですね。

例えば、お問い合わせをした方に、以前どんな対応をしたかを知りたいとします。記録がなければ、覚えている人を探す必要があります。誰が対応したかも分からなければ、そこから調べなければいけません。自分でメモを取っていても、そのメモがどこにあるかは覚えておかなければいけない。

必要な情報が、必要な時に取り出せる仕組みになって初めて、覚える負担を外へ出せます。CRMなどを使う場合も、単に情報を入れたというところで止めず、そこまで考えておきたいです。

細かい確認や割り込みが続くと、あっという間に一日が終わってしまいます。同じ仕事へ集中できる時間を作るためにも、いつでも気にしていなければいけない状態を減らすことが重要です。

新旧の二重管理で、かえって仕事を増やしていないか

新しいツールを入れたのに、楽になった気がしない。その場合は、組織として忘れてよい状態になっているかを見てみてください。

会社に言われたから新しいカレンダーへ入れる。でも、心配なので自分の手帳にも書き、付箋も貼る。これでは、入力の手間だけが増えてしまいます。管理する側も、現場でそうした二重の作業になっていないかを確認した方がよいと思います。

新しい仕組みに入っているはずの情報が、実際にそろっている状態まで続ける必要があります。共有したはずのファイルが見つからない、あの人のパソコンにしかない、ということが続けば、安心して任せられません。

営業資料や写真を探すことに時間を使っているなら、ファイルの置き場を整える。何度も同じことを確認しているなら、文字の情報を蓄積して、皆が取り出せるようにする。特定の人だけが知っている状態を減らすことにもつながります。

やり取りの量に合う場所を作る

社内のやり取りも、ツールを入れればそれでよいわけではありません。いろいろな案件が同時に進んでいるのに、一つの場所ですべて話すと、話題が入り交じって追いにくくなります。未読が何十件もたまると、見る気持ちも重くなりますよね。

そういう場合は、案件や話題を分けて進められる形が合います。一方、まだやり取り自体が少なく、まず意見を出し合いたい段階なら、細かく分けるとかえって何も書かれなくなることもあります。雑談の延長で仕事の話ができるような、一つのグループがよい場合もあるわけです。

今の社内で、どんなやり取りを増やし、何を追いやすくしたいのかに合わせて選んでください。コミュニケーションの場所、情報を蓄積する場所、業務を管理する場所という観点で、必要なものを考えるとよいと思います。

作った時間を、Webに取り組む予定へ入れる

時間を作れたら、何曜日の何時から何時はWebのことに取り組む、と決めてしまう方法があります。社内の声を聞く時間も、会社の予定として定期的に押さえておくと、急に皆へ頼むより収まりやすくなります。

ホームページを作る段階なら、社内調整ややり取りを日々進める時間も必要です。外部から改善を提案しても、現場が動けず毎月同じ状態なら、支援する側も次へ進めません。

担当者の頑張りで無理に時間を埋めるより、継続して動ける余裕を、先に仕事の仕組みとして作りましょう。効率化は、Web運営のためだけでなく、一人ひとりの負担を減らし、自社の業務を理解することにもつながります。そこから、お客様との接点を安心して育てていく方がよいと思います。

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