今は昔に比べて、把握するのが難しかったような情報が、例えば初心者向けの漫画形式になったり、会話形式になるなどして、読みやすく提供されることが増えました。Webの世界はコンテンツを公開するコストがとても低いので、なおさらです。
量もそうでしょう。例えば10の情報があったとします。昔は時間の中で、そのなかの2しか吸収できなかったけれど、今は分かりやすく加工された結果、6吸収できるようになったとします。
その流れ自体はとてもありがたいことです。なぜなら、今までは触れてみようという気がしなかった情報が、敷居を下げてもらえることで、触れられる可能性が広がったということだからです。
しかし、なぜそうなったのかを知っておくことは重要です。相手にコントロールされないために。
そして、それ以外にも気をつけたいポイントもあります。
今回はそのような「咀嚼しやすい情報洪水時代」の泳ぎ方を、特に専任担当者のいない中小企業の方々に、Web活用に置いて大事なポイントとして、お伝えできれば幸いです。
情報はなんのために発信されるのか?
あまねく情報は「人を動かす」ために出される
まず、提供されている情報は「人を動かすため」に、意図を持って出されていると考えることをおすすめします。
個人の日記的なブログなどは例外ですが、誰かに見てもらおうと考えた時、そこには何かしらの欲求が乗っているのが当然です。個人であれば承認欲求や、つながりの欲求など…。
ビジネスであれば、これはほぼ100%なんらかの自分たちの利益に関するものです。
情報発信にはコストがかかりますので、何かしら情報発信者に世の中が好ましい行動を取ってほしいからやっているわけですよね。
ただ、それは当然のことで「けしからん」ことではない
ただ、勘違いしていただきたくないのは、それは決して悪いことではない、ということ。
お金が絡むと、何かと悪い方向に考えがちですが、「自分にとって必要なものが分かり、適切にそれを手に入れることができる」なら、それは素晴らしいことです。それをサポートしてくれる情報もしかりです。
経済活動も、シンプルに言えば需要と供給のマッチングですから、お金が絡んだからと行って「えげつない」という見方をするのはどうかと思います。
分かりやすい情報が増えてきた背景
なぜそうなったか?それは情報が巷にあふれているため、自分たちの情報に少しでも付加価値をつけないといけないからです。
付加価値は2種類に分けられます。それは
- 触れないと理解されない付加価値
- 触れてもらいやすくするための付加価値
です。
情報が溢れている今、課題は触れてもらえるかどうかにあります。中身が良いか悪いかは次のステップ。「読んでもらえたら、良さがわかるのにな」と嘆いても仕方がありません。
なので、2番に属する付加価値として有用な「分かりやすさ」の研究や、それに対するマーケティング予算の投資がどんどん増えています。
昔に比べたら、図表や画像・動画などを使って分かりやすいコンテンツがとても増えましたよね。だいたい予算的には2倍以上になっています。撮影まですると3倍以上でしょうか。
その結果が今です。
「吸収しやすい情報」イコール「自分にマッチした情報」ではない
ただここで、気をつけていただきたいことがあります。
それは「吸収しやすい情報」イコール「自分にマッチした情報」ではないということ。
言い換えると「スッと吸収できた」イコール「今自分が欲していたものだった」と考えるのは危険です。
情報の中身と、それをどう見せるかということは、別の話だからです。どんなに分かりやすく伝わるコンテンツになっていたとしても、それがあなたがやるべきことかどうかというのは、別問題だからです。
なぜ「分かりやすかったから」という理由で人は決定をしてしまうのか?
しかし往々にして「分かりやすかったから」という理由で人は選択を行ってしまいがちです。なぜそうなってしまうのか?
それは恐らく
- 必要なものには、気づかずとも自分のアンテナが反応するはずだと思っている
- そもそも吸収できた情報の中からしか選べないから
- 自分でわかっていないと関係者を動かせないから
などでしょう。
これは2番3番のように、やむをえないものもあります。
本来目指すべき方向性は?
しかし、なら目指すべきは「自分で自分たちに必要な情報と、とるべき行動を決められる環境づくり」です。決して「闇雲に情報を拾えるようにする」ことではないはずです。
世の中の情報全てについていくことはできませんし、全部精査する必要もありません。大事なのは、今世の中にある情報はきちんと自分にとって要るもの・要らないものと仕分けできる審美眼を育てることです。そして恐らくほとんどのものは、要らないものです。
「何でもやりたい病」にも注意
また、たくさんの情報を吸収できるようになったら、たくさんのことをしたくなってしまって我慢ができない、というのも気をつけなくてはなりません。
特に、経営層や上の立場の方々がこの「何でもやりたい病」にかかってしまうと、ネットで拾ってきた良さそうなものを下に落とすようになり、現場では本来やるべきことが全然進んでいないというケースがよくあります。
「気になる情報が増えた=やるべきことが増えた」ではありません。
情報次第で行動は変わってくるので、取り入れる情報の取捨選択は非常に大事です。行動が変わると習慣が変わり、最終的には性格や企業文化も変わってしまいます。
特に経営者や幹部の方はそのあたりに非常に気をつけておかないと、会社が壊れてしまいかねません。
問題意識ファーストで情報に立ち向かいましょう
情報を取りに行くなら、事前に問題意識を作ってからがお薦めです。
例えば、今動いている現場の商売を見つめて、どういう人になぜ売れているのか、どういう価値観で買ってくれるのか、競合にお客様を奪われないのはなぜか(もしくは奪われるのはなぜなのか)
などということについて、マーケティングとセールスの観点で捉え直した上で、ネットでなにかそれを解決できる方法はないかな?と問題意識ファーストで取り組むことをおすすめします。
いきなりWEBと冠に付いた情報に触れてしまうと近視眼的になってしまいがちと感じます。よくわからない世界ですので…。
なので、きちんとステップを踏んで参りましょう。そうすると、見えてくるものは全く変わってくると思います。
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