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パーソナライゼーションの成否は「ほど良い距離感」を取れるかで決まる

B2Bウェブマーケティング

今やマーケティングにおいては、様々な場所でパーソナライゼーション(パーソナリゼーション)が行われています。

相手のデモグラフィック(人口統計学的属性、例えば年齢や性別、居住地など)の情報を得て、それに基いて、見せる情報を自動的に出し分ける。

あるいは、ホームページ内の行動・サイト内検索行動・閲覧コンテンツや問い合わせ内容など、過去の行動をもとに、興味がありそうな情報を、想定される相手の段階に合わせて見せるようにする。そういった機能付きのツールもたくさんありますね。

身近なツールで言えばGoogle検索は、検索エンジンとして「よく見るサイトを上位に出す」「特に地域キーワードを入れなくても、特定の検索クエリなら、周辺地域の情報を出す」といったパーソナリゼーション・ローカリゼーションを行っています。

また、Amazonが分かりやすいかもしれませんが、ECサイトを中心に、購買行動や回遊行動を元にして、サイト内はもちろん外部のサイトに出す広告の内容を変えるようなことも行われています。レコメンデーションもその1つです。

人間、自分が興味がある物以外は見たくないのが普通です。

なので、パーソナライゼーション技術は、画一的な情報を出すしか無かった時代に比べて良い結果に繋がっているケースが多いです。

ただ、パーソナライゼーションは一歩間違えると悪感情を抱かせ、販売に対してマイナスの影響を与えてしまうリスクも秘めています

なぜなら、法律的な部分だけではなく、心情的な部分も含めて、根本的には個人情報的なものを基に行われている(と感じられる)からです。

また、モバイルデバイスに寄るネットの閲覧が増加していることが、この傾向に拍車をかけています。

では一体どういうことに気をつければ良いのでしょうか

これについて、ユーザーテストサービスを提供しているUserTesting社が「4 Risky Personalization Tactics That Can Make or Break Your CX (カスタマー・エクスペリエンスを破壊する4つの危険なパーソナライゼーションのやり方)」という記事を公開しています。

この内容が興味深かったので、掻い摘んで「パーソナライゼーションで気をつけるべき点をお伝えできればと思います

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相手との距離感に気をつける 〜 名前の差込みを安易に使ってはいけない

名前の差込の何が問題か?

名前の差込自体はメールの開封率などに大きくプラスとなることは様々な調査で分かっています。

しかし、やり方次第でもあります。

これは私も少なからず感じることですが、名前の差込み、オフライン媒体なら良いのですがE-mailなどで使われるとかなり違和感があります。

特に

  • フルネームで呼ばれる
  • 下の名前だけで呼ばれる(海外系ツールや、海外の日本ローカライズ系に多い)
  • アルファベットネームで呼ばれる
  • 何回も呼ばれる

このあたりは、違和感が強く「いかにも名前の差込を行っているな」という印象が強くなってしまいます。

元記事でも

When you hear your name too much, it starts to sound insincere. You’ve probably met those folks who insert your name into every sentence in a conversation. At best, it’s uncomfortable, and at worst, it feels manipulative and suspicious.
(あなたの名前をあまりに多く耳にすると「心がこもっていない」「偽善的」な印象を与えてしまいます。あなたは恐らく、全ての文章に名前を入れると良いという伝承を信じているのですが、良く見てもそれは不快であり、最悪それはいかにも「操ろうとしている」「怪しい」と感じさせてしまいます)

と述べられています。

では差込はどうしたらよいか?

これは、まず「名前を入れると反応が上がる」という盲信を捨てて、

そこに名前が差し込まれたら一体どういう印象を受けるのか、という観点で見直すことが最も効果的です。

そこに自分の名前があって、それが送られてきたらどう思うか?贔屓目に見ずに、素直に考えてみることをおすすめします。

メールなら、どれだけ開封率が上がっても、メールなどの中身を見てもらった時に、嫌悪感が先立ってしまっては成約にたどり着きません。だったら、開封率が低くても、名前を入れないほうが良いかもしれません。

Know-HowだけではなくKnow-Whyを考えるという観点が大事です。また、システム側でも差込の内容をチェクできるとよいですね。

また、見込み客の段階に合わせて頻度を調整することも効果的です。

  • 最初の数回は名前を使わず
  • 徐々に距離感を縮める中で名前を使い初めて行く、そして頻度を適切に上げていく

開封率などを見ないと、判断が難しいですが、徐々に相手との距離を縮めていくという考え方は、今のマーケティングでは非常に重要です。

懐にいきなり入り込みすぎるアプローチは、比較検討が基本の今の時代にはそぐわないでしょう。

それが可能なのは、その場で様々な感覚をフル活用して相手との距離を狭められる「オフライン営業」だけです。

(なので、リード獲得型サイトでは、ウェブだけで完結させるのを狙うことをうちでは、あまりおすすめしていません。最後はオフラインで締めましょう、ということをおすすめしています)

「次回は属性に寄るパーソナライゼーションのやり過ぎ」について

今回はUserTesting社の「4 Risky Personalization Tactics That Can Make or Break Your CX (カスタマー・エクスペリエンスを破壊する4つの危険なパーソナライゼーションのやり方)」という記事から、前半部分である、差込の部分についてでした。

次回は、残り半分の、パーソナライゼーションによって、どこまで相手に合わせるべきか、また、気をつけるべきポイントについて書きたいと思います。

この記事がお役に立てば幸いです。

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