企業のソーシャルメディア担当・外部パートナーを選ぶ際に判断基準とすべき点は何でしょうか。
新しく社内から選ぶ場合でも求人する場合でも悩ましいポイントです。
- 会社のFacebookページや
Google+ページ運営、TwitterやFacebook広告の管理運用テクニック、InstagramやTikTokなどの経験が第一なのか。 - それともユーザー(ファン・参加者)とのコメントなどのコミュニケーションを通じたサービス・商品・会社のブランド構築が上手いことが第一なのか。
- それとも投稿する記事を作るためのWebマーケティング・コンテンツ作成・情報収集などの知識が第一なのか…。
難しいポイントです。
業務自体も本気でやろうと思うと結構な時間とリソースが必要ですので人選は重要です。
また、しっかりと運用すると、自社を応援してくれる人とのチャネルを作ることができるので、いずれはどんな会社も手を付けるべきメディアです。
そこで今回は、ソーシャルメディア投稿支援サービス大手のBuffer社ブログから「ソーシャルメディアマネージャが持っているべき根本的なポイント」に関する記事をご紹介します。
この記事が適任者を選ぶ際の1つのご参考になれば幸いです。
前提として
- まず企業が得るべきは「ソーシャルメディア全体を任せられる人材」です。そういう意味でのマネージャーです。
- 全体最適が重要なメディアなので、特定の部分だけ得意な人物を使ってもうまくいきません。
- その場合はその得意分野を軸にして全体を見渡せるスキルセットを持つように育てていく必要があります。
ということが私の実感としてあります。
その上でこの先をご覧頂ければ幸いです。
元記事はこちらです。ご紹介する部分以外にもいろいろとノウハウが有りますのでぜひ御覧ください。
→ How to Hire a Social Media Manager: The 12 Essential Habits
ソーシャルメディア担当者が行う業務のイメージ
まずそもそも、ソーシャルメディア担当はどんな業務を行うべきなのか。それについても記事中で触れられています。
具体的にご紹介すると
- コンテンツを公開するスケジュールを管理する
- 投稿をスケジューリング設定する
- コンテンツを作成する(キュレーションなど)
- お客さんや業務上のパートナーとやりとりをする
- 業界他社に対してコンテンツ公開したことを知らせる
- できたコネクションをフォローし育てていく
- 自社の評判や言及のされ方についてモニタリングする
- 解析ツールの結果を基に次のアクションを決める
- テストや実験を繰り返して改善していく
です。
端的に言えば「コンテンツ作成と公開」「解析と改善案の策定・実施」「ソーシャルモニタリングとフォローアップ」かなと思います。
目的としては、認知度アップ・ブランディング・商売を間接的に助けてくれるファンづくりと活用、でしょうか。
私の感覚としては
- 「すでにリレーションがある人に対してのフォローアップ」
- 「コンテンツを活用して、これから切り込みたい層にソーシャルグラフを活用して、じわじわ浸透していく」
ところをまず行うことをお勧めします。ソーシャルが力を発揮させやすいポイントだからです。
逆に「物を売る」「誰も助けてくれない層に突撃する」のは難易度がかなり高いです。おすすめできません。自然検索や検索連動型広告などから攻めたほうがいいと思います。
こういうスキルや考え方を持った人を担当者に選ぶ
本題です。いったい企業のソーシャルメディア担当を選ぶ際に判断基準とすべき点は何でしょうか。
その判断基準として「こういう習慣や考え方、スキルを持っていたほうがいい」という物をご紹介します。
もともとは12個ですが重要だなと思うものをピックアップします。項目は元記事からの引用。内容は注釈や引用表示なければ私のコメントです。
1.コンテンツを作るための元となるソースを自分で探せる
ソーシャルメディアで何かを行うにはコンテンツが不可欠です、平たく言えば「投稿」です。なぜなら、コンテンツを通じてしかメッセージを受け取れないからです。
コンテンツは自社オリジナルでもいいですし、外部ソースの記事を元にしても構いません。(元記事ではソーシャルに投稿するコンテンツのメインとしてキュレーションを念頭にあげています)
しかしどんなケースだったとしても、今のトレンド収集・論点や読み手の興味の把握・類似記事の調査などなど、情報収集は必須です。自分の頭の中だけで作ってもうまく行きません。
※キュレーションがベストかというと、メディアの投稿頻度とジャンル次第です。また、この点については賛否両論あると思いますが、ここでは本題ではないので省略します。
それ以外でも、業界の状況を把握する際など様々な部分で、情報を効率的に手に入れ消化する能力は重要です。また、それにあまりに時間を使うのではなく効率よく行えることも重要です。元記事では「1日1時間できっちり終わらせられること」を重要視しています。
2.常に頭の片隅に「コンテンツに繋げられないか」という思考を持っている
こう書くと何やら「いつも仕事のことを考えていろ」というようなイメージになりますが、そうではないと思います。
日常生活いろんなことを行っている際に「あぁこれはこういう形でコンテンツにできるな」「この目の前の人たちに響くコンテンツってこういう切り口かもしれないな」というものが自然と浮かんでくる思考。
それを苦しいものではなく、自然に行えるような人物がベストだという意味だと解釈しています。
元記事では「ideation mode」に入ろうと書かれています。
これは、ソーシャルにかかわらず重要な事だと思っています。
日常生活にはヒントがたくさんあるはずです。
それをコンテンツに自然と繋げられるような頭の状態に自分を自然と置いておけると、響くものが作り出せるのです。
3.コンテンツの骨組みパターンをいくつも持っている(スワイプファイル)
文章には、こういう形で書けば読んでもらいやすい伝わりやすいという型があります。
PREPやQUESTなどは有名です。
それも含めて自分が読みやすいな、いいなと思っているコンテンツのストック(スワイプファイル)を持っていて、それをうまく使いながらコンテンツを作っていけると、品質が安定します。チームなら共有したほうがよいですね。
実際、相手にメッセージが伝わりやすいコンテンツの方というのはある程度絞られてくるものです。
毎回毎回試行錯誤するのは時間の浪費につながるので、検証済みの自分の得意パターンを常に多数持っておくことが重要だという趣旨です。
画像も同様で、ある程度テンプレートを決めたほうがいいとのことです。
4.ソーシャルであろうと常にテストを繰り返す姿勢
SEOや広告と同様にテストを繰り返すことがソーシャルでも重要です。タイトルはこれがいいのか?時間帯はこれがいいのか?ハッシュタグの位置は?プロフィール画像は?と言った直接的なテストもあればリサーチに近いものも有ります。
ある程度ツールで判断できる部分はあります(最適な投稿時間など)
ただ、タイトルや一緒に入れる画像のデザインなど、人がテストしなければならない点も多数あります。
そこをきちんとテストして記録して最適なものに論理的にたどり着く、このことはソーシャルメディアでも必須です。
人間と人間との関り合いだからと「感性」などの言葉でぼんやりさせるのではなく、論理的に最適なものを導き出す姿勢がやはり必要ですね。
HubspotのコンテンツストラテジストBrittany Leaning氏は「全てテストすべきだ!」と述べているそうです。
@bjcorey @outsidesource @uxcelsior @sgraymackenzie That’s the best! You should test EVERYTHING. Just make sure it’s controlled. #InboundHour
— Brittany Leaning (@bleaning)
5.行ってきたことをきちんと文書にする姿勢
不確定な世界であるからこそ、行ってきたことを文書化するのが重要です。
結果の報告も重要ですが、何故それを行ってその中でどのような意思決定をして…という試行錯誤の部分がナレッジとして役に立ちます。
成功したものも失敗したものも全てナレッジになります。
文書化することで新しく入ってきた人もこれまでの流れをすぐに把握できるのでプロジェクトにスムーズに参画できます
。メールに様々な付加機能をつけるサービスを提供しているSidekickでは
We have playbooks for content creation, content promotion, social media, and various other projects, so a new hire can look at the documentation and quickly jump into the project.(私たちは全ての行動を記録している。コンテンツ作成、コンテンツのプロモーション、ソーシャルメディアはもちろん、他のプロジェクトについてもそうだ。だから新しく人が入ってもすぐにプロジェクトに入ってくることが出来る)
とは言え全てを記録するのは大変です。元記事では以下のポイントをまず押さえることを勧めています。
- コンテンツ作成はどんな流れで行ったのか?
- 見出しはどのように決めたのか?
- どのような画像を何故チョイスしたのか?
- コンテンツの定期公開のためにどんなツールを使っているのか?
- どんなレポートを提出しているのか?
- データをどのように操作してレポートにしているのか?
その他
その他には以下などがあげられています。詳細は元記事をぜひご覧ください。
- ソーシャルメディア上の声をきちんと聞こうとしているか、何が話題になっているかを察知できるか
- 生まれたリレーションを育てていくことが出来るか
- チームメンバーを組織化して、一丸となっていけるか
- 次に何をするべきかという観点で解析ツールのデータを見ることができるか
- タスクは可能なものはどんどん自動化することを考えているか
- 行動予定、コンテンツ発行カレンダーを作りそれに固執できるか
まさにド直球な内容だなと感じます。
しかし、本当に真面目にやるとするとこんなにいろんなことをしなければならないのがソーシャルです。
終わりに
手を付けないのも問題ですが、甘く見て何となくふわっと行うのも怖いです。皆さんの会社のイメージが、その適当な運用の状態でお客さんに刷り込まれてしまうからです。
一度嫌になった店にもう一度行かないように、ファーストタッチで失敗するとその後将来お客さんになるはずだった人を逃してしまうかもしれません。
それを避けるためにも、慎重に行っていかなければならないのがソーシャルです。
何もまだ手を付けていないなら、いきなり自社だけで活用に動くのではなく、経験値を持った人を内部あるいは外部から探し、また、関係者は全員しばらくはビジネスの観点で使い込む、そこから始めるのが良いのです。
ガラケーしかないという場合はレンタルでもなんでもいいのでまずはスマフォを体感するとことから始めることをおすすめします。
ソーシャルはモバイルからの利用がメインですよね。同じ環境でないとわからないことがたくさんあります。
この記事が、第一歩のご参考になれば幸いです。
中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから