検索エンジン経由、いわゆるオーガニック経由でのアクセスを増やすためには「ターゲットが求めているコンテンツを作る」ことが大切です。
しかし、だからと言ってターゲットが検索しそうなキーワードを元に片っ端から作っていけばいいかというと現実的にはそうも行きません。なぜなら、
- コンテンツの質を追求すればするほど、工数がかかる
- 作成にかけたリソースが、それによるリターン、いわゆる「価値」に見合わなければ、そもそも作る意義がない
からです。趣味のサイトではなく、ビジネスを前提にした場合は「リターン」を考えることは必須です。
ではそのリターンはどう考えればいいのでしょうか。
最初に押さえるべき切り口は「質」×「持続期間」
インバウンド・マーケティングにおいて、コンテンツは大きく「集客」と「見込み客育成(リードナーチャリング)」の2つの役割を負います。
※インバウンド・マーケティングについては、
当ブログの記事か、BizCompassさんへの寄稿記事をよろしければ。
今回は「集客用コンテンツ」についてです。
「見込み客育成コンテンツ」についてはニーズがありましたら改めて書いていきます。
集客用コンテンツを考える際に、まず押さえるべき切り口は2つ。それは「質」と「持続期間」です。
- 質 = 絶対的な集客可能性(検索数など)×ニーズとの一致度
- 持続期間 = そのコンテンツの賞味期限
この2つをかけた面積が、集客コンテンツの価値とニアリーイコールだと考えると分かりやすいです。
右図をご覧ください。
コンテンツの作成を考える際には、まずはこの面積をいかに広くするかを考えます。
コンテンツの質について
コンテンツの質(q)は、「集客可能性」と「ニーズとの一致度」で捉えます。
たくさん検索されるキーワードや競合がひしめかないキーワードで上位表示をする。クリック率を上げてたくさんコンテンツに集客する。そしてそのコンテンツの直帰率やCallToActionへの誘導率を改善していく部分です。
※コンテンツの質というと、そのコンテンツ自体の品質だけを指すべきのように感じるかもしれません。
しかし、そのコンテンツがどのキーワードで上位表示できるかどうかは、結局コンテンツの中身に依るところが大きいです。
なので、私は「集客可能性」もコンテンツの品質の1つだと考えてます。
コンテンツの持続期間について
コンテンツの持続期間は、先程の「質」に比べるとあまり着目されません。
「コンテンツの種類に応じて、持続期間が違うよ」という観点で聞くことはありますが、積極的に「持続期間」を伸ばそうという観点はそこまで多くないのです。
ただ、この観点はとても大事です。なぜなら
- 定期的にコンテンツを作り続けるのは非常に大変
- コンテンツのネタは、現実的には「限りがある」
からです。
一般的な企業なら「できるだけ息の長いコンテンツ」に着目することをまずはおすすめします。
コンテンツ作成は、簡単そうでとても難しいことです。
例えば、一般企業に向いていないやり方の1つは「最新ニュースを追う」こと。
なぜなら、
- ただの紹介では価値がない(それならメディアの記事を読む)
- 意見や考えを述べるとすると、その内容に問題がないかなど承認のステップが必要になり機動力が落ちる
- 新鮮度が命なので、社内でそれなりの人員確保が必要
- 何より、せっかく作ったコンテンツが、速ければ数日で価値を失う
からです。
ニュース記事を更新し続けることは、延々と短距離走を走り続けることに似ています。人や時間をあまり割けない一般企業がこれを行うのはおすすめできません。そもそもターゲットがニュースを欲しているのかという切り口も必要ですが…
やはり「一度作ったら長い期間集客し続けてくれる」ようなコンテンツを「育てて」いくという考え方をおすすめします。
※WEBやIT関係は「最新の動向を追っていることそれ自体」が価値になるので、少し特殊だと思っています。
※ニュースは爆発力がありますので、それ狙いだと割り切れば別です。
では、どうすれば「息の長いコンテンツ」を作れるのか
これについては、「エバーグリーンコンテンツ」という考え方がおすすめです。
エバーグリーンとは「常緑樹」のことですね。常緑樹のようにずっと効果を発揮し続けるコンテンツです。海外ではよく使われていて、最近では「What is Evergreen Content and Why Should You Care? | Search Engine Journal」がSEOの観点からおすすめの記事です。
エバーグリーンコンテンツとは?
エバーグリーンコンテンツを、私の場合は「看板コンテンツ」と呼んでいたりします(看板娘みたいな)
どんなふうに考えているかというのが以下の図です。
内容を追いかけていきます(うちのサイトの場合どうなの?という方は、ご連絡くださいね)
定義
エバーグリーンコンテンツ(看板コンテンツ)の定義は
- 1年後もアクセスのあるコンテンツ(CNT)
- 他のコンテンツに導けるコンテンツ
です。1年後というのは、WEBの変化の速さも考慮しての目標です。
また、どんなに良いコンテンツであっても、それが最終的なコンバージョンに結びつかないのでは意味がありません。
そして、「他のコンテンツへ導ける」ということを条件にしています。なぜなら、集客用コンテンツとしては、次の目標(≒CallToAction)は「次のコンテンツに興味を持ってもらう」ことが一般的だからです。
条件
条件、あるいはポイントとしては以下の4つです。
- ターゲットの役に立つかどうか(ニーズに合っているか)
- 普遍的かどうか(将来も価値を生み続けるかどうか。例えば「今流行の〜」などは、時間の経過とともに急速に価値を失います)
- サイトの趣旨にそっている(コンバージョン)
- 中立・押し付けがましくない(特定の思想に沿った内容は、良し悪しに関わらずターゲットを限定するので)
が大事です。
※特に4番をいかにうまくやれるかは営利企業にとっては大切なポイント。
この4つを押さえて頂くと、よいのです。
補足:TIPS
これは先程のSearchEnginelandの記事を読んで付け加えたものです。
- エバーグリーンコンテンツは、サイトの中で埋もれさせていはいけない
- 定期的に内容をメンテナンスすことは「必要条件」
- 他のフォーマットでの焼き直しも効果的
サイトの中で埋もれさせていはいけないというのは、以前にコンテンツ戦略サイトで書いた記事の中にある「コーナーストーンコンテンツ」がご参考になるのではと思います。海外のブログは大概「コーナーストーンコンテンツ」があります。
→ 24時間で6,312件のリストを獲得した、コンテンツマーケ手法とは | コンテンツマーケティング情報
また、コンテンツは「定期的なメンテナンスが必要」です。できるだけ時代の流れに流されないようなものを書いても、やはり修正を要する箇所は出てきます。コンテンツはメンテナンスが必須だと考えるべきです。
また、HTMLの記事で効果が高かったものは「PDF」「インフォグラフィック」「テンプレート化」「動画」など他のフォーマットにすることも効果的です。
まとめ
コンテンツの重要性が声高に叫ばれていますが、なかなか流れはそちらには向きません。その大きな理由はやはり「コンテンツを作ること」の大変さではないかと感じています。
実際、大変です。コンテンツ作成のお手伝いもさせていただいていますが、社外の人間が作るのはもっと大変です。取材や業界調査など…本当は、自社で作れるのが一番効率がいいです(個人的に今一番やりたいのはそこのサポートです)
しかし、一歩踏み出すことはいつかは必要です。また、他社が手をこまねいている今が先行者利益を得る最後のチャンスです。
そのためにまずは今回のような「資産となる」「息の長いコンテンツ」を作ることに着手してみてはいかがでしょうか。
また、すでに着手されている方も
「今作っているものは営業資産となるか?それとも、ただの単発の営業費用でしかないのか?」
という観点で見なおしてみてはいかがでしょうか。
また、コンテンツ作成で最初に押さえるべきポイントは、別サイトのコーナーストーンコンテンツを御覧ください。
→ コンテンツマーケティングとは?その基礎とは何か | コンテンツマーケティング情報
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