今回は、ホームページ・Webサイトの改善やPDCAについて。
気づけば、Webサイト・ホームページはマーケティングにおいて欠かせない存在になりました。昔はオマケのような存在として見られていた時期もありましたが、今は買い手の多くの活動に影響する場となっています。
しかしその大事なWebサイトやホームページもうまく改善やPDCAが進まないケースが少なくありません。そこで今回は、うまく進めていくためのヒントやアイデアを共有できればと思っています。
オリジナルエピソードもお聞き下さい
Podcastのこちらの回を再構成した物です。ぜひこちらも合わせてお聞き下さい。
そもそも、Webサイトはなぜ必要か?
しかしもし、あなたのWebサイト・ホームページにメッセージ性のないコンテンツがなかったり、分かりやすい室内に(UI)なっていないければ、それは実店舗で例えれば「入ったところで説明してくれる人がいない事に気づき、探すことすらできず、壁に何か体裁を整えるかのようなパンフレットなどが貼り付けられているだけ」の状態です。
その時にお客さまはどう感じるでしょうか?「こんなものだよね」と思うでしょうか。
ホームページが一般的では無かった時代はそうかもしれませんが、今や持つ意味のある企業は大概が持っているのです。しかも先ほどのような状態ではなく「大歓迎」してくれるホームページを。
このように、人々が望む情報を、聞かれるより先に分かりやすくホームページの中にきちんと配置することは大事です。
改善計画を進めるのは簡単ではない
中小・小規模事業者の現場では「Webサイトをうまく改善していけず悩んでいる」という声が多いように思います。これについて、大きく2つのパターンがあります。
- 1つは、PDCAをを回したいのに、周りから協力や時間をもらえず、作ることができないというパターン。
- もう1つは、そこら中からいろんなことを依頼されてしまい、本来やりたいことができないというパターン。
企業規模が小さい場合は、周りから協力を得ずに、コンテンツを作ることができないというパターンが多いようです。
また、企業規模が大きく活動が幅広かったり、意思決定者や確認が必要な人が複数いる場合は、オーダーや周辺業務が多すぎて、本来やりたいことができないというパターンが多くなりがちです。
究極的には上役が、WebチームそしてWebサイト/ホームページの意義を、きちんと把握していないことが原因ではあるでしょう。
なので、うまく上を動かせる人がいると楽にはなるのですが、なかなかそうは行きませんね…。
また、この点に関してはWebに限らず企業ではあるある話かなと思います。
よくある具体的な状況と対処
まず、周りが全く手伝ってくれないパターンですが、これも本当に苦労する方が多いですよね。
例えばコンテンツ一つにしても、営業さんが普段使っている資料を集めて、その中から掲載する内容をピックアップするようなことであっても、なかなか対応してもらえないこともあります。
「あまり見せたくない」「人によって違うから」と言われたり、「きれいなものはないから、他の人に聞いて」と言われることもあるかもしれません。特に個人裁量が大きい営業チームの場合、自分の武器として資料を使っているので、外に出したくないというケースが多いです。
また、ならば直接性かと繋がらない、かつ顧客接点があるカスタマーサポートやアフターフォロー部隊に聞いてみると、こちらはこちらで壁にぶつかることがあります。
多いのは「個人情報が絡むから」でしょうか。
なので、ざっくりとした方向性を聞くことは出来ても具体性に富んだ情報に出会えることは多くはないこともあります。
また、事例を作るために、インタビューをさせてもらいたいと考えている場合には、良いお客さんを紹介してもらえず、担当者と一緒にインタビューすることができないということもあるようです。
そういう人を動かせる人を巻き込んでおくのが一番
これに魔法の言葉や呪文はないです。結局組織のパワーバランスなので、引き出せる人を巻き込むしかないのです。
逆に言えば、なぜWebチームが成果を出せないかと悩んでいる上司の方がいれば、
- それは自分が力を貸していないからではないか?
- 役員同士で連携していないからではないか?
- 現場に投げっぱなしにしているだけだからでは無いか?
と自問自答して頂くことをお勧めします。
また、そうではなくても、社内に影響力のあるインフルエンサーがいることもあります。「巻き込み担当」みたいな人です。その様な人がいる場合にはチームに巻き込めないかトライすることは有用です。
もし、これを読んでいる方がその立場にあるのであれば、あなたの参加だけでも、状況が全く変わることがあります。ぜひ。
アクセス解析ツールなどを見るより、支援してくれる人を探す方がはるかに重要です。できるだけ、影響力のある人を探すことが良いですが、重要なのは自分たちの仕事を支援してくれる仲間を増やすことですね。
ある程度嫌がられるのは覚悟…結果で返そう
残念ながら、どうやっても、営業やカスタマーサポートなどとの関係が悪化することはあります。しかしそれは覚悟して、結果で返すからと意識することが必要です。
「誰かに負担をかけたくてやっているわけではない」
の気持ちは、いずれ伝わると経験上思います。
だいたいWebに限らず組織なんてそんなことの繰り返しだと言えばその通りですから…。お手間をかけて、かけられて。
上司から言われて仕事が増えるのは、みんなが嫌がることです。しかし、リードを増やしたり、営業さんに回す案件の質を向上させることも、仕事としては必要ですよね。
どう言って欲しいかを考える、伝える
組織の中では、「どのように言われるか」が重要です。
影響力のある人が、どのように伝えるかでだいぶ変わってきます。
何か大きなメッセージを組織内のインフルエンサーに発してもらうなら、自分達で骨子は考えて、伝えた方が良いです。
例えば、営業さんがお客さんからどのような質問をされるかをアンケートで収集したいとします。それを誰か上の役職の人を通じて依頼してもらうとします。
…
その場合「ホームページに載せたいから」では伝わりません。
そうではなく例えば
「皆さんにお渡しする案件を、できるだけ確度の高い状態で、さらに質問や誤解が内容に、そういう仕事に必要な手間を減らしたいと思っています。そのために、少し大変かもしれませんが、協力してもらえますか」
というように、相手のメリットになるということをきちんと伝えることが重要です。
理解のある人を作るチャンスの1つは「Webサイト制作」
理想的には、ホームページを作る段階やリニューアルをする段階で、影響力のある人を巻き込んでおくことが望ましいです。また、プロセスを一緒に知ってもらっておくことも有益です。
例えばうちで作る場合には、作る理由や、理想的なものがどのようなものかなどを説明することに重きを置いています。デザインやコンテンツはその後の話です。
ホームページを制作する際には、営業に関係するチームが薄くでも広く関わることが理想です。プロジェクトチームのイメージです。Web担当者と位置づけられた1人が行うことはお勧めできません。
やっているアピールだけだと嫌われますが、1度現場を見てもらうと大変さや重大さに気づいてもらえることが少なくないと感じます。そのタイミングとしてホームページ制作・Web制作のタイミングはとても良いですね。
「社内顧客」への対応をどうするか
もう1つ「そこら中からいろんなことを依頼されてしまい、本来やりたいことができないというパターン。」もありました。
- パッケージが一新したから、急ぎで明日までに全部画像を差し替えて欲しい
- キャンペーンやウェブセミナーを開催するために、専用のサイトを作成すしてほしい
- 広報の観点で、外部リリースがでる今週末までに、同じ情報を公開してほしい
- 新しく実験的な事業を始めたから急いでそれっぽいサイトとコンテンツを用意して欲しい
そのようなリクエストが一気にたくさん来ることがよくあります。しかも社内の要望は優先度が高以上に指定されることがしばしば。
このように、会社内の他のチームをお客さんのように扱うことを私は「社内顧客」と呼んでいます。
企業によっては、目の前にうずたかく積まれた社内顧客の要求をただただ処理するだけで、月が終わってしまうような状況も少なからずあります。
これは想像以上に問題があります。それは、元々ホームページをより良くするための作業やPDCA用に取っておいたリソースが、社内事情のためだけに使われてしまうからです。
社内と社外の仕事について、割合を決めておく
しかし、社内ことだけをやっていてはせっかくWebだからこそできることをやっていきたいのに、全くそれが叶いません。
お世話になっている部分もありますので、空いたリソースの中でこちらに依頼を貯めていただけるように、優先順位をきちんと示してあげてください。
割合を決めておくと良いと思います。
積まれている作業を見える化すると良いと思います。
それは間接的に、人を増やしたり、外部に依頼したり、予算を増やすことにも繋がるでしょう。
伝えることが重要です。
終わりに:自分の仕事を特別視するな
最後に心構えのような物ですが、自分の仕事「Web」を特別な物と思っていると、うまくいかないように思います。
魔法の杖や銀の弾丸のように、コツコツと社内の人間関係や社内のパワーバランスなどをやっていくしかありませんが、それは他の部署も同じです。
ウェブだからといっての特別なことではありません。結局人を動かすという点では、どんな活動も変わらないんです。
ウェブマーケティングというものも、ウェブを外す時代です。やることは通常のマーケティングと変わりませんから。
ウェブコンサルタントは、マーケティング全体のコンサルティングをする必要があります。少なくともウェブ以外の部署の人とマーケティングの話がきちんと出来る必要があります。
そのため、勉強しなければいけないことがたくさんあり、一日の時間が足りないと感じる日々です。
では今回は以上です。
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中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから