読んでもらおう、見てもらおうと思ってコンテンツを作成したけれど、全然反応がない… ということはコンテンツを活用しようとしたことがある方なら、みなさん一度は経験があるものです。
見てもらうだけではなく、次の「アクション」を起こしてもらわないとビジネス的には意味がないですよね。
そこが最も難しい部分でもあります。人を動かさないといけないからです。
そこで今回は、こういったコンテンツだと人を動かしやすいよという「モチベーティングコンテンツ」を8パターンご紹介します。
前提:集客とアクション誘導は一貫性がないといけない
アクション誘導ですが、これはなんでもいいというわけではありません。
集客するときの打ち出しや、相手が持っているイメージからはずれると、お客さんの頭の中に「?」がついてしまって反応が低迷しがちですよね。
マーケティングにおいて最も大切な物の1つに「一貫性(Consistently)」があります。
一貫性が無い場合とは例えば
「PPC広告文やあるいはOrganic検索(通常検索)のスニペットでは、高品質をウリにしていたのに、いざページを見てみたらガチャガチャしたデザインで、点滅する文字が「無料お試し!」を強調していた」
といったパターン。
イメージを持って頂くためにちょっと誇張してみましたが、実際少なくない話。 集客の際のメッセージングの軸と、次に推奨するアクションの希求軸が違うんですね。
こうすると、お客さまの頭の中にはてなマークがついてしまうので、反応がかなり悪くなりがちです。
何をお伝えしたかったかというと、
これから、8つの要素をご紹介しますが自社のマーケティングに沿わない物を無理に使う必要は無い
ということです。
- 使いやすい物を使うことをオススメ致します。
- どれか1つだけを使わなければいけないという物でもありません
- 複数を組み合わせてもいいと思います。
- 包括的と言うよりヒント集です。
その前提でご覧頂ければと思います。
項目はこちらの記事を参照しました。8つのポイントのみ参照しています。 内容はオリジナルです。
▼8 Attributes of Content That Inspire Action | Moz
アクションを起こさせるための8つコンテンツポイント
こういった話をする際に「モチベーティングコンテンツ」という言葉を使っています。
相手を動かす(motivate)するためのコンテンツといった意味です。 具体的には以下です。
- ひとこと言いたくなるコンテンツ
- あ、こういうの欲しかったんだコンテンツ
- 新しい切りくちコンテンツ
- ストレートに相手が欲しい物コンテンツ
- タイムリーなコンテンツ
- 卓越した技術や知見を見せつけるコンテンツ
- こうやればできるよコンテンツ
- 物語コンテンツ
では、一つ一つご紹介してきます。
1.「ひとこと言いたくなるコンテンツ」(Provocative)
もともとのタイトルは「Provocative Content(挑発的なコンテンツ)」です。 挑発というと恐ろしいイメージがありますが、これは「相手が意見を言いたくなるようなトピックするにすること」くらいに捉えるのが日米間の感覚の差を考えるとちょうどいいかなと思います。
日本にはあまりディスカッションやディベートの習慣がないので。 当たり障り無く、万人が受け流すようなコンテンツは信頼性を得るためには意味があるかもしれませんが、人々の心を動かすのは難しいです。
これは炎上マーケティングとは異なります。 炎上マーケティングはどちらかというと「感情的非難」「感情的な話題性」に偏った物だと私は考えてます。
しかしこの「刺激的・挑発的」というのは、あくまでディスカッションを誘発するコンテンツ」です
SNSなどで情報発信・情報収集が好きな人をターゲットにする場合は、こういった興味喚起型のやりかたは、話題になっていいのではないかなと思います。経営者層の方だと一家言持っている方も多いですから。 AKBなども、このあたりをうまくやっているなと思います。
2.「あ、こういうの欲しかったんだコンテンツ」(Visionary)
これは、今まで「情報は断片的に出ていたんだけれども、きちんとまとまっているものがない」という状態だったコンテンツを出すということ。 そしてその上で大切なのは
「あぁこういうの、そういえば欲しかったんだよ、うん、そうそう」 とピンとくるギリギリのラインを狙う
ことです。 新製品と同じで「全く誰も知らず、そして誰もよく分からない」ものは受け入れられません。 そうではなくて「なんとなくみんな”あったらいいな”と思っていた物」なら、これは売れます。 ラインに近づけば近づくほど、人々が「なるほど」と思ってくれるので、SNSなどでシェアされやすくなります。
3.「新しい切りくちコンテンツ」(Differentiated)
これは、今までいろいろと語られていた内容を、全く新しい切り口で提示する物。既に話題になっているものなので、人が集まりやすいかつ、言及や紹介がされやすいです。
一番単純なのは、今ある情報の見せ方を変えること。グラフ化するのだったり今ならインフォグラフィックが最もキャッチーです。
そこから商売に結びつけられるかという観点を考えなければ、流行っている物をひたすらビジュアル化するというのは、あまり考えることもなく訥々とできますので、いいかもしれません。
そういった見せ方を変えるという方法で無くとも「○○○の視点からなんとかを捉え直してみる」「○○の現場から見た何とかという問題」というように立ち位置を変えるのもいいのです。
4.「ストレートに相手が欲しい物コンテンツ」(relevant)
これは、ターゲットとする人々が「こういうものがあったら純粋に喜ぶんじゃないか」というコンテンツです。あくまでターゲットユーザが喜びそうなものにしないといけません。 コンテンツの段階では自社の商品の宣伝などのセールス要素は、なくてもよいです。 ただ、それを通じて
- 自社(ないし自社サイト)に対する認知度のアップ
- そのトピックスに関する専門性のアピール
を狙い、その後のマーケティングロジックに繋げていくことが大切です。ロジックの中の1つのパーツですね。また、以下の様なことも狙えるのなら狙っておくといいかもしれません。これは細かいTIPSです。
- 文中からさりげなく自社サービスなどにリンクしておく、ないしさりげなく話題に載せることによる興味喚起
- 印刷されることがありうるなら、隅っこに電話番号とキャッチコピーなどをのせ、とっさの時に連絡してもらえるよう
などを狙うのがよいです。購買させるためのコンテンツではなく、見込み客獲得・育成のためのコンテンツです。
※話はズレますが、冷蔵庫に貼るマグネット方の広告を考えた人はすごいなと思います。 B2Cはいかに嫌がられない形で接触頻度を上げていくかがカギですよね。その観点で、あれは素晴らしいですね。
5.「タイムリーなコンテンツ」
これはいわゆる「ニュース」です。そしてその裏にある心理として「いまホットな話題に自分も加わりたい」「その話題について関心があることを示したい」という欲求があります。
ターゲットとしている層がチェックしているカテゴリーについての記事を書きます。 ターゲット層は自分がその話題に加わっているアンテナが立っていることを示すために、読んでくれたり、”いいね!”してくれたりRTしてくれたりプラスワンしてくれたりと、アクションを起こしてくれます。
そしてそれが他の人の目に止まり、同じことが繰り返さされていきます。 実際「いいね!」やRTなどをした人のうちどれくらいの人がコンテンツをしっかり読んでいるかというと、感覚値として10%くらいではないかと思います。
SBMはもっと低いかなと思います。なのでその数だけを追い求めるのはよくないですが、リーチできる母集団を増やすという意味ではとても重要です。
ニュース系はアクセスが比較的集めやすいですが、固定客にしづらいです。また、労力がかかります。ニュースを軸としたコンテンツ戦略を考える場合は、後ろのしくみをきちんと整えてから行わないと、労多くして功少なしになりがちなので、要注意ですね。
6.「卓越した技術や知見を見せつけるコンテンツ」
言い換えると「凄いと思わせる」こと。 これは、かなり「卓越」していないと逆に悪い印象を与えるます。ニュースなどと比べると相当敷居が高いコンテンツです。
なぜなら権威・専門性についても、キャズム的なものが存在するからです。
「オーソリティキャズム」です。 人が他者を「認める」時そこには心理的な閾値があります。 閾値の下(だと感じる)コンテンツを見ると、逆に反感が生まれます。この程度で専門化ぶって…と。 しかし閾値を越えた瞬間に、一気に受け入れられるんですね。この狭間を飛び越えなくてはいけません。
そしてこのキャズムは基本的にはかなり大きいです。 築きあげてしまえば相当の参入障壁かつ強みになります。特に頭脳が商品の方、プロフェッショナル職・コンサル系職・教育研修職などの方は、1年くらいのスパンを見てコンテンツで信頼構築をすると、何に対してもプラスになりますのでお勧め致します。 言い換えるとブランディングですね。
7.「こうやればできるよコンテンツ」
いわゆるハウツーであったり手順書のようなコンテンツです。IT系に多いですね。DIYや生活の知恵系でも多いです。 ビジネスとしては使いどころが限定されますが、基本的にキャッチーなコンテンツなので、できないか考える価値は十分あります。 ここまでの6つのコンテンツと組み合わせるのが自然です。
8.「物語コンテンツ」
物語を一緒に追体験してもらうことで、相手の気持ちを引き出すやり方です。
Content with a strong narrative takes the reader on an exciting journey full of surprises and leads to a call-to-action of value for the brand. It’s cohesive, easy to understand, and inspires action related to the story. 強力な物語性を持つコンテンツは、驚きでいっぱいのワクワクする旅へと読者を連れ出す。そしてブランドのために行動を起こす。それは一貫性があり、分かりやすく、そしてその物語に関連した行動を引き起こす。
このコンテンツが優れているのは「判断基準・価値基準を伝えやすい」ということです。物事の判断基準を文章で伝えるのは
- 長くなる
- 分かりづらくなる
- 売り込みくさくなる
事が多いですが、物語性を持ったコンテンツにすることで、スッと体の中に入り込ませることができます。こういう言い方をすると洗脳のようなニュアンスに感じる方もいるかもしれません。 これは以下のように捉えて頂くといいかなと思います。
「人間が物事にマルバツをつけるとき、人間は目の前のその物事だけではなく裏にある背景や理由をセットにして判断している」というユーザー心理に沿っている。 物語というテンプレートは、それらを伝えるのに向いている。
潜在的に相手が求めている情報を一緒に出すと、相手はうれしいです。安いなら安い理由が知りたいですし、なぜ安い物ばかり扱っているかも知りたいですよね。なので「訳あり品」「B級品」というものが生まれました。
まとめ
8つのポイントをご紹介してきました。 繰り返しになりますが、
- 使いやすい物を使うことをオススメ致します。
- どれか1つだけを使わなければ行けないという物でもありません。複数を組み合わせてもいいと思います。
- 全てのコンテンツがこの中のどれかに分類される、分類されるべきというものではありません。
- 包括的と言うよりヒント集です。
コンテンツによるマーケティングがますます大切になり、すでに軸足をそちらに移した方も少なくないかと思います。 人を引きつける、アクションを起こさせるコンテンツのヒントとしてこの記事が役に立てば幸いです。
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いざコンテンツを作り始める前に押さえておきたいポイント。すぐに作り始めるのではなく、まずこのノウハウを押さえておくと。