「リンクベイト(LinkBait)」という言葉をご存じでしょうか。
2007年頃から北米など英語圏のWEBマーケティングで流行った手法です。今でも生きています。それだけ効果のある物だからです。
Google insight for Searchを見ると2007年から急上昇し、ちょっと落ち着いたもののまだ検索数がたくさんあります。
実際、リンクベイトは強力です。意識するだけで集客力は変わってきます。
しかし、結論から言ってしまえば「リンクベイトコンテンツ以外のコンテンツも無いと、最終コンバージョンを得ることは難しい」です。
なぜなら、
「コンバージョンまでの間のステップが抜けており、どんどん間で脱落していってしまうから」
です。
しかし、意識しているしていないにかかわらず「リンクベイト的なコンテンツでの集客」をしていれば何とかなると考えている方が、少なくないように感じます。
また、「コンテンツを使ったマーケティングって、要するにリンクベイトコンテンツで集客することでしょ?」と言われることもあり、ちょっとそれは違うのではないかなと思います。 そこで今回は「リンクベイトコンテンツ以外にも別の種類のコンテンツを用意して、コンテンツを使って成約まで持っていく流れをきちんと作る」その事の大切さをお伝えできればと思います。
1.前提…そもそもリンクベイトとはいったい何?
そもそもリンクベイトとはいったいなんでしょうか。Wikiediaからその定義を転載します。
Link bait is any content or feature, within a website, designed specifically to gain attention or encourage others to link to the website.(リンクベイトは、ホームページにあるコンテンツで、特に人々がそのサイトにリンクしたくなるように考えて作られたコンテンツのことである)
Matt Cutts defines link bait as anything “interesting enough to catch people’s attention.”[1] Link bait can be an extremely powerful form of marketing as it is viral in nature.(GoogleのMattCuttsは、リンクベイトを「人々の注意を惹くために十分面白い物」と定義している。実際口コミに載りやすい強力なマーケティングのやり方となっている)
── Link bait – Wikipedia, the free encyclopedia : https://en.wikipedia.org/wiki/Link_bait
(MattCutts氏まででてくるとは思っていませんでしたが)基本的にはこのように
- 人々の注意を集めることを最も重要視したコンテンツ
- リンクしたくなる、あるいは口コミしたくなるようなコンテンツ
などを指すと考えるのが、ちょうど良いかなと思います。
1.1.こういった見出しは、リンクベイトコンテンツの名残
このリンクベイトコンテンツの代表例が
- ○○○○○を○○○○○○○する10コの法則
- 今だけ!○○○○○なら○○○○を見逃してはいけない理由
- 完全版「○○○○○○○を簡単にこなす、押さえるべき3つのポイント」
などのタイトルでPUBLISHされる記事です。
ソーシャルブックマーク系でよくたくさんのブックマークを集めている記事ですね。未だに沢山あります。
「○個のTIPS」や「完全版」などの言葉で、人々の注意を引きつけ、ひとまず記事をサッと見て押さえておこうという人々を連れてきます。
リンクベイトコンテンツの詳しい特徴については割愛しますが、とにかくこういった「あなたのサイトに、たくさんの人を連れてきてくれる可能性が高いコンテンツ」かつ「人間心理を巧みに突いた物」のことだと考えてみて下さい。
※これはもちろん日本だけのことでは無く海外でも同じです。 ※あえてリンクベイトうんぬんと言うまでもなく、昔から使われてきたやり方だとは思いますがそこは今回省略します
2.押さえるべきは「リンクベイト」は集客用だということ
リンクベイトコンテンツは、確かに反応が良いのでどうしても乱発しがちです。
しかし、忘れてはいけないことがあります。それは
リンクベイトコンテンツは、集客はできても、それ以降の見込み客育成はできない
ということです。
できないというか、それを目的としたコンテンツではないので、できるわけが無いんですね。
2.1.コンテンツマーケティングで大切なことの1つは「見込み客をコンテンツで育成する」ことが必須
こちらのインバウンドマーケティング記事のインフォグラフィックをご覧下さい。
このインフォグラフィックはインバウンドマーケティングの全体像を表現した物です。
Mozのものです。
この中に、見込み客育成のファネル(じょうご)があると思います。TOFU、MOFU、BOFUというところですね。
BOFUまで行ってさらに下に行くと「セールスインタラクション」となり、実際にセールスマンと会うステージに行きます。
…
ここで大切なのが、TOFU・MOFU・BOFUと呼ばれる一連の見込み客育成の段階でも、コンテンツを使っていくことが今後とても大切だと言うことです。
2.2.繰り返しになりますがリンクベイトは「集客」しかできない
先ほどの繰り返しになりますが、リンクベイトはこの図で言うと水色の部分、漏斗(ファネル)に入れるための存在です。
リンクベイトコンテンツで、人々の注意を惹いて、そのままメルマガや資料請求、あるいはRSS登録などをさせて、見込み客にし、そして見込み客育成の段階に入れていくわけです。
…
リンクベイトコンテンツは、決して見込み客育成の所では使えません。
厳密に言えば、見込み客育成でも使えるようなコンテンツを作ったとしても、それは集客用としてはそれほど成果をあげられないでしょう。あげられませんでした実際。
なぜなら、潜在客と見込み客では、ニーズが違うからです。
その点については以下の表もぜひご覧下さい。買い手のニーズに合わせてコンテンツの種類そして内容は考えなくてはなりません。
3.マーケティングロジックを作るときに必要なコンテンツ
そのため、マーケティングのロジックを作るとなると、少なくとも以下のコンテンツが必要になります。
- 集客のための「リンクベイト的コンテンツ」
- 薄い見込み客をフォローするための「興味を持ってもらいつつ、信頼を勝ち取るコンテンツ」
- 少し育ってきた見込み客をフォローするための、相手が欲しがる情報の先出しコンテンツ」
- かなり育った見込み客をセールスマンの前に連れて行くコンテンツ、しくみ
- 一度買ったお客さん(初回客)を、顧客化するために送るコンテンツ
などです。
従いまして、
- リンクベイトコンテンツだけを作り続けている人は、本当にそれが売り上げに繋がっているのかをチェックすることをお勧め致します。
- それによって、集客はできているけれど最終コンバージョンレートが低すぎる、というような状態なら、恐らくコンテンツが不足しています。
- 王道ですが、お客さんの気持ちになって、どんなコンテンツが欲しいかを考え、作り、それを順番に見てもらえるようなサイト内の再設計と導線作りをすることをお勧めします
終わりに
リンクベイトは使いどころを考えないと、作っても作っても売上に繋がらないという切ない状態になりがちです。ニュースサイトなど趣味の物で有ればいいですが、企業サイトとしてはその状況は致命的です。
もちろん、リンクベイトによってアクセスが触れれば、偶然にも申し込む人は増えるはず。
しかしもしそうなら、コンテンツを揃えれば本当はもっともっと増えるのかもしれません。
「お客さんのステージに合わせて、最適なコンテンツを送り、それによって見込み客フォローを行う」
これが、とても重要な流れです。 ぜひこの観点で見直してみてはいかがでしょうか。