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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。この書き起こしでは、Web制作会社や広告代理店、IT(Information Technology)系の会社など「専門家」と仕事をするときに、成果を最大化する付き合い方を整理します。結論は、結果そのもの以上に、納得するまで対話しきるプロセスに価値が残るということです。
このPodcastの内容
読み終えると、次の点がクリアになります。
- 専門家に気後れせず、建設的に対話するための基本姿勢
- 無料相談の場で「良いパートナーかどうか」を見極める観点
- Webサイト制作や戦略づくりを、会社の資産に変える考え方
専門家との付き合い方で起きがちな両極端
専門家と話す場面では、態度が大きく2つに振れがちです。ひとつは「相手は詳しいから」と言われたことを受け止め、こちらは消化に回る姿勢です。もうひとつは、こちらの領域に踏み込まれるように感じて壁を作り、ぶつかり合いに近い形になってしまう姿勢です。
| よくある態度 | 起きやすいこと |
|---|---|
| 専門家に任せきり | 理解が浅いまま進み、社内にノウハウが残りにくい |
| 壁を作って対立 | 議論が目的化し、関係性が悪化しやすい |
私がお勧めするのは、その中間にある姿勢です。大前提として、お互いがお互いを尊重することは欠かせません。そのうえで、こちらも「自分たちは自分たちの商売のプロだ」という意識を持ち、納得いくまで対話を尽くしてほしいと思っています。
価値が残るのは「成果物」よりも、そこへ至るプロセス
プロジェクトには、成果物が決まっています。Web制作なら新しいサイトを公開して運用を始めることですし、コンテンツ制作ならコンテンツの納品が成果物になります。コンサルティングでも、戦略を立てて実行できたかどうかが成果として扱われます。
ただ、会社の血となり肉となり、ノウハウとして残りやすいのは、考えていく途中のプロセスです。そこにどれだけ試行錯誤があり、テストがあり、学びがあったかが、個人にも組織にも効いてきます。数字や期限が大事なのは当然としても、プロセスが薄いまま進むと、最終的に「納得できないまま終わった」という状態になりやすいと感じています。
だからこそ、分からないことが分かるまで話すことを大切にしてください。場合によってはスケジュールが少し遅れても、議論を尽くしてから進めた方が、結果的にまとまりやすく、関係性も良くなります。中途半端になし崩しで進むと、最後まで噛み合わないまま終わってしまいがちです。
専門家と建設的にやり取りするための基本姿勢
ポイントはシンプルで、「喧嘩」ではなく「すり合わせ」です。尊重を前提にしつつ、こちらがプロとして納得いくまで質問し、前提を揃え、判断材料を増やしていきます。専門家側も、きちんとした相手であれば、その姿勢を歓迎するはずです。
進め方としては、次のようなコミュニケーションが役に立ちます。
- 分からない用語・判断の根拠は、その場で言語化してもらう
- 「私はこう思うが、なぜ違うのか」を丁寧に突き合わせる
- 現場で起きていること(顧客の声、社内の制約)を率直に共有する
- ゴールの仮説が違う前提で、ぶつけ合って化学反応を起こす
どちらかが「真実」を握っているとは限りません。仮説をぶつけることで、より良い形にたどり着くことが多いです。そのプロセスこそが、同じ費用でも得られるものを何倍にも変えていきます。
無料相談は「パートナー選びの試金石」になる
パートナー選びでは、無料相談などの最初の接点がとても大事です。メールでも電話でもビデオ会議でも、短い時間の中で「この人(この会社)は、対話を受け止めてくれるか」が見えます濃密なやり取りができる相手を選ぶのが良いと思います。
見極めの観点は、例えば次のようなものです。
- その場で整理しながら返せるか(毎回すべて持ち帰りにならないか)
- こちらから情報を引き出す質問ができるか
- 納得できるレベルまで、説明の粒度を合わせてくれるか
- こちらの違和感や反論を、前向きに受け止めてくれるか
もし「思っているようなレベルの答えが返ってこない」と早い段階で感じたなら、そのプロジェクトはうまくいかない可能性が高いです。判断はなるべく早い方が良いので、問い合わせ段階から遠慮せずに突っ込んでみてください。
初回相談の担当者は「実務担当者」を指名する
もうひとつ強くお勧めしたいのが、初回の相談相手です。受注のために、最初だけ「初期の説得(クロージング)」に長けた人が出てきて、実際のプロジェクトでは別の担当者になる、というケースは起きがちです。そうすると、相談時は納得したのに、走り出すと「思っていたのと違う」となりやすくなります。
問い合わせ時点で、「実際にプロジェクトを進める方と対話したい」と条件として伝えるのが安全です。そこで良い手応えがあれば、そのまま進行もうまくいきやすいと思います。
Webサイト制作は「事業の棚卸し」になる
Webサイト制作や、行動計画としてのWeb戦略を作ることは、結局のところ自社の事業を棚卸しする作業です。戦略を立てるフレームワークとして3C(Customer/Company/Competitor)や4P(Product/Price/Place/Promotion)などがありますが、考える中身は「なぜ選ばれているのか」「なぜ品質を高く保てているのか」「なぜ競合が真似できないのか」といった問いに向き合うことです。
こういう問いに腰を据えて向き合う機会は、意外と多くありません。だからこそ、サイト制作は「会社の写し身」を作る過程として、気づきが増えやすい仕事だと感じています。実際、私の支援でも最初にWebサイト制作とセットで始まるケースが3〜4割ほどありますが、一緒に考えながら進めることで「気づきがたくさんあった」という声をよくいただきます。
こちらも業界理解の勉強はして臨みますが、現場にあるナレッジは会社ごとに違います。だからこそ、ぶっちゃけて質問してもらう方がありがたいですし、その方が得られる情報も、その後に活用できるものも増えていきます。
新人がWeb担当になったときの体制づくり
相談を受ける中で、「入ったばかりで自社のことも分からない。自分はプロだと思えない」というケースもあります。この場合、考え方は2つあります。ひとつは、事業のことが分かる人、あるいは周りを動かせる権限がある人と一緒に進めることです。
入ったばかりの担当者に任せきりでうまく回ることは多くありません。能力の問題というより、周りを巻き込むのが難しいからです。もうひとつは、担当者を孤立させず、周りがサポートして「みんなの代表としての我が社のプロ」として動けるようにすることです。
なお、規模の小さい組織でも、経営者が常に前面に出るべきだとは私は考えていません。経営者には経営者の仕事があり、そこに時間を使う方が合理的な場面が多いからです。一人で始めた直後など、状況によっては成り立つこともありますが、基本は適切に人をアサインして進めるのが現実的です。
余談:遠方支援と技術への期待
余談ですが、遠方のお客さまの場合、現場に行って初めて「こういう状況だったのか」と分かることがあります。ビデオ会議が当たり前になっただけでも本当に助かっていますが、やはり画面越しでは見えない情報もあります。移動が増えると月額費用にも跳ね返ってしまうので、その点は悩ましいところです。
VR(Virtual Reality)などを使って、お客さまの目線で空間を見ながら会話できるようになったら、もっと解像度高くアウトプットできるのにな、と期待しています。例えばファミレスにある猫型の配膳ロボットみたいに、遠隔で動かせる仕組みが一般化したら面白いですよね。技術の発展を待っている、というのが正直なところです。
まとめ
専門家と仕事をするときは、気後れせず「自分たちは自分たちの商売のプロだ」という意識で、分かるまで対話を尽くしてください。プロセスを豊かにできる相手を選び、その姿勢を最初の相談からぶつけることが、結果以上の価値を会社に残します。これは私のスタンスであり絶対的な真理だとは思いませんが、そうだと感じたなら、ぜひ自信を持って実践してみてください。
関連リンク
- 日本政策金融公庫:創業の手引き(3C分析でポジショニングを検討する)
- J-Net21:マンガでわかる「マーケティングの4P」
- 日本バーチャルリアリティ学会:バーチャルリアリティとは
- MIT News:Edgar Scheinの追悼記事
FAQ
- 専門家に「言われた通りにする」だけだと、何が起きやすいですか?
- 成果物はできても、判断の背景や考え方が社内に残りにくくなります。次に同じ判断が必要になったとき、また外部に頼り切りになりがちです。
- 「納得するまで話す」とは、具体的に何をすればいいですか?
- 分からない用語や判断の根拠をその場で言語化してもらい、自分の見立てとの違いを丁寧にすり合わせます。喧嘩ではなく、尊重を前提にした確認と合意形成です。
- 無料相談で、良いパートナーかどうかを見極めるコツはありますか?
- その場で整理して返せるか、質問でこちらの情報を引き出せるか、説明の粒度を合わせてくれるかを見ます。短時間でも濃密なやり取りができる相手が安心です。
- 初回相談の担当者と実務担当者が違うと、なぜ問題になりやすいですか?
- 相談時に納得しても、進行で「思っていたのと違う」が起きやすくなるからです。問い合わせの段階で、実際に進める担当者との対話を条件にするのが安全です。
- Web担当が入ったばかりでも、プロジェクトを回すにはどうすればいいですか?
- 事業が分かる人や周りを動かせる人と組むか、周りがサポートして担当者を孤立させない体制を作ります。担当者個人の能力だけで解決しようとしないのがポイントです。
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