第561回:他社の真似は無駄ではない&毎日30秒のWeb活用スモールステップ

第561回:他社の真似は無駄ではない&毎日30秒のWeb活用スモールステップ

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

Web活用やデジタル施策で「何から始めればいいか分からない」と感じていませんか。私が700社以上の中小企業を支援してきた経験から申し上げると、動けない理由の多くは、手法や情報の不足ではなく、考え方のズレにあります。「自分たちに合った手法が見つかれば動ける」「他社と同じことをしても意味がない」「最高の効率でなければ損」。この3つの思い込みが、第一歩を重くしています。

他社が続けている施策には、続けるだけの価値があります。特別な秘策などなくても、地道に積み上げた会社が成果を出しているのが現場の実態です。そして、最初の一歩はとても小さなもので構いません。毎朝30秒、自社のホームページを眺める。それだけで見えてくるものがあります。このページでは、なぜ動けないのかという構造と、今日からできるスモールアクションについてお話しします。

Web活用の第一歩を阻む3つの思い込み

ご相談をお受けしていると、Web活用やデジタル施策の第一歩を踏み出せずにいる方が少なくありません。新しい施策を始めたいと頭では分かっていても、踏ん切りがつかない。周囲を巻き込めない。そうした声を何度も伺ってきました。

こうしたケースで見受けられるパターンは、大きく3つに分かれます。1つ目は、「自分たちにぴったり合った手法さえ見つかれば動けるはずだ」と考えているケース。2つ目は、「他社がすでにやっていることを後追いしても追いつけない。何か独自の手法を見つけなければ意味がない」と感じているケース。そして3つ目は、「最も効率のよいやり方を選ばないと、効率が悪い分だけ損をする」と捉えてしまうケースです。

3つ目は2つ目の派生とも言えますが、共通しているのは、ある種の完璧主義が足かせになっているという点でしょう。最高の答えが見つかるまで動かない、という姿勢では、いつまでも前に進めません。実際に成果を上げている会社と比べると、このあたりに明らかな差が生まれています。

他社がやっていることを真似する価値

成功企業の現場で行われていること

「競合がやっていることを自分たちもやったところで、追いつけるわけがない」。そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。何か特別なノウハウや、大量のデータ分析から導かれた秘策を実行し続けているからこそ、あの会社は成果を出しているのだ、と。

けれども、私が実際にコンサルティングの現場で中に入ってみると、景色はまるで違います。成果を上げている会社がやっていることは、決して特別なものではありません。違いがあるとすれば、「もっといいやり方を探す暇があるなら、まず手を動かして何かを変えよう」という風土があるかどうか。組織としてそう動けるかどうか、その一点に尽きます。

トラフィックを集め、反響を得ている会社の多くは、コツコツとマイナスにならない施策を積み上げ、そこから得た知見をもとに少しずつ最適化を重ねてきただけなのです。資金が潤沢な大企業に限った話でもありません。1年、2年という短い期間であっても、やれることをやり、改善のサイクルを回し続けたかどうか。ここが分かれ道になっています。

守破離の考え方で始める

武道や芸道に「守破離(しゅはり)」という言葉があります。最初はお手本のやり方をそのまま写し取り、やがてそれを壊して自分なりの形にしていくという、学びの段階を示した考え方です。Web活用でもこれはそのまま当てはまります。

たとえば、「このコンテンツを書こう」と思ったとき、他社もすでに似たようなコンテンツを出していることに気づくかもしれません。けれど、ないよりあったほうがずっといい。そして、専門の会社と協力しながらコンテンツを作っていく過程で身につく知見は、大きな財産になります。他社と同じことをやるというのは、ある意味で「一定以上の成果が見込める安全な選択肢」です。まずはそこから始めて、走りながら自分たちのものにしていく。その順番でまったく問題ありません。

何もやらないことはゼロではなくマイナス

もうひとつ、ぜひ心に留めていただきたいことがあります。何もしないという選択は、現状維持のゼロではなく、マイナスです。競争の中で皆さんが動かない1日は、すでに取り組んでいる会社が1日分を積み上げていく1日でもあります。距離はどんどん開いていきます。

効率が多少悪くても、他社がやっていることの後追いでも構いません。後から振り返ったときに「あまり効率的ではなかったですね」と指摘されることがあったとしても、やったことで得られる経験や視座は、やらなかった場合には絶対に手に入らないものです。そこにこそ、先に進むための価値があります。

「自分たちに合った魔法の手法」は存在しない

もうひとつのよくある思い込みについてもお話しさせてください。「自分たちにフィットする手法に出会えたら動けるのに」という声を耳にすることがあります。けれど、そのような魔法のような手法が自然と見つかることは、まずありません。

特にSNSやネット経由で営業をかけてくる会社が、皆さんの状況にぴたりと合った独自のやり方を提案してくれる可能性は、限りなくゼロに近いでしょう。なぜなら、ほとんどの施策は基本的にやることが同じだからです。違いが出るのは、それをどれだけ精度高く、PDCAを素早く回しながら、そのときどきの状況に合わせて実行し続けられるかという点だけなのです。手法の問題ではなく、継続と改善の問題だと言い換えてもいいかもしれません。

手法自体は、自社の商品やサービスがどういうもので、どこが喜ばれているかを把握していれば、専門の会社に「これをもとにやり方を提案してください」と頼めば提示してもらえます。けれど、そもそも自分たちの商売がなぜ選ばれているのか、何が求められているのかに対して関心や理解が薄いと、「今すごくいい手段があるんですよ」という営業トークに乗ってしまいがちです。即効性のある施策で一気に売上が伸びるということは今の時代ほぼありませんから、多くの場合、成果が出ないままコストだけがかさむ結果になってしまいます。

最初の一歩としてのスモールアクション

ボトルネックはWebサイトにある

ここまでの話だけでは、「じゃあ明日から何をすればいいの?」という疑問が残りますよね。そこで、私が普段お客さまにもお勧めしている、最初の一歩としてのスモールアクションをいくつかご紹介します。

Webマーケティング全体を見渡したとき、多くの場合ボトルネックになっているのはWebサイト(ホームページ)の部分です。SEO(検索エンジン最適化)でアクセスを増やしたい、広告で集客したい、SNSで拡散されたい。そうした集客や露出に目が向きがちですが、仮にそれがうまくいったとしても、受け皿であるWebサイトが整っていなければ、せっかく訪れた人は何のアクションも起こさずに離れてしまいます。

逆に、Webサイトがある程度しっかり作り込まれていれば、少ないアクセスからでも一定の反響を得ることができます。件数は最初こそ少ないかもしれませんが、投資に対する成果が高い状態をまず作れるわけです。ですから、何かひとつ始めようと思ったら、まずWebサイトをどうすればもっとよくできるかを考えることをお勧めします。

毎朝30秒、自社サイトを見る習慣

ここでひとつ質問です。皆さんは、自社のホームページを普段見ていますか。

お客さまがパソコンで見ているのか、スマートフォンで見ているのか。もし分からなければ、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを確認してみてください。デバイスごとのアクセス比率が分かります。半々であれば両方を、BtoBの商材でPCが8割ならまずはPC版を見てみましょう。

やっていただきたいのは、毎朝30秒でいいので、自社のホームページをお客さまの目線で眺めることです。他社と比べてここをこうしたらいいのに、自分がお客さんだったらここにこういう情報があったら嬉しいのに。そうした気づきをメールやメッセージで誰かに共有したり、簡単な投稿フォームを1つ用意して匿名でも書き込めるようにしたりする。これを日課にするだけで、意識の向け方が変わってきます。

オフラインで考えてみると分かりやすいかもしれません。チラシやダイレクトメールで「ぜひお越しください」と案内しているのに、自分たちの店舗でどんな接客をしていて、誰が対応していて、何時から何時まで開いているのかを把握していなかったら、おかしいですよね。ホームページのことをよく知らないまま放置しているというのは、それと同じ状態です。

月次の情報共有ミーティング

日々の気づきがたまってきたら、次のステップとして月に1〜2回、1時間程度の情報共有の場を設けてみてください。負担にならない範囲で構いません。日頃それぞれが感じていた改善のアイデアを持ち寄って、「自分はこう見ていたけれど、あなたはどう思う?」と付き合わせるだけで大丈夫です。

ここで大事なのは、責任の追及や結論を出すことではありません。自分が当然だと思っていたことが、他の人の目線では違って見えることに気づくこと。多面的な視点を得ることで、改善のヒントはぐんと増えます。

気づきを言語化して蓄積する

日々のレビューや月次の共有で出てきたアイデアは、簡単なチェックリストやメモとして必ず残しておいてください。「ここを変えたい」「こういうことをもっと知りたい」といった内容を、言葉にして蓄積していくことが大切です。

なぜ記録するかというと、まず言語化することでもやもやした感覚がはっきりした課題に変わるからです。そして記録があれば、次にチェックリストを見返したとき、前回どこまで考えていたかをすぐに思い出せます。さらに、後からコンサルタントや制作会社など外部の専門家が関わることになったとき、その蓄積を見せてもらえると、こちらとしても非常に多くの気づきが得られるのです。毎日の30秒レビューを月次の振り返りに落とし込み、それをきちんと言葉にして残しておく。このサイクルを回していただけると、見えてくる世界が大きく変わってきます。

やったことを検証する前提を忘れない

ひとつだけ注意点を添えておきます。「やる」だけでは、まだ十分ではありません。やったことに対して、それが意味を持っていたかどうかを振り返ることが欠かせません。

ありがちなのが、外注先に依頼して週に1本ずつ記事を投稿してもらっているけれど、その記事に成果があるのかどうかは分からない、というケースです。これは「やっている」とは言い切れません。身内同士で「これ、意味があるのかな」と率直に話し合うだけでもいいですし、理想を言えばアクセス数やお問い合わせの変化などのデータで確認するのがベストです。検証という前提があってこそ、積み上げたものがその先の改善につながっていきます。

まとめ ── まず動くことで見える世界がある

お伝えしたかったことを整理します。他社がやっていることをやっても追いつけない、ということはありません。むしろ何もやらないことで、日に日に差を広げられているという現実に目を向けていただきたいのです。最初から最高の効率を求めて動かないままでいるよりも、多少ぎこちなくても手を動かし始めたほうが、ずっと先に進めます。

まずは今日、スマートフォンでもパソコンでもいいので、自社のホームページを30秒だけ眺めてみてください。「思っていたのと違うな」「最近まったく見ていなかったな」「そもそもURLが思い出せない」。もしそう感じたなら、そこが出発点です。そしてその気づきを月次で共有し、記録として残していく。このサイクルが、Web活用の確かな土台になります。

もうひとつお願いしたいのは、決裁権をお持ちの方が率先して動いていただくことです。現場の担当者に丸投げしてしまうと、会社全体を動かす権限がないのに成果だけ求められる、という構造になりかねません。そうした声を私も内々でお聞きすることがあります。会社全体としてサポートする体制を整えたうえで、小さな一歩を踏み出していただければと思います。

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よくある質問(FAQ)

Q. 他社と同じ施策を後からやっても成果は出るのでしょうか?
A. 出ます。成果を上げている会社の多くは、特別なことをしているわけではなく、基本的な施策をコツコツ積み上げています。同じ施策を後から始めても、それ自体に一定以上の価値がありますし、やりながら得られる経験や知見が次の改善につながります。まったく手をつけないよりも、後追いであっても動いたほうが確実に前に進めます。
Q. Web活用を始めたいのですが、何から手をつければいいですか?
A. まずは自社のホームページを毎朝30秒だけ眺めることから始めてみてください。お客さまの目線で見て、気になった点や改善したい点をメモに残します。小さな習慣ですが、続けることで自然とWebサイトへの関心が高まり、具体的な改善アイデアが出てくるようになります。
Q. 集客(SEOや広告)とWebサイトの改善、どちらを先にやるべきですか?
A. Webサイトの改善が先です。集客施策でどれだけアクセスを増やしても、受け皿であるWebサイトが整っていなければ反響にはつながりません。まずWebサイトを、訪問者が問い合わせや購入といったアクションを起こしやすい状態に整えることで、少ないアクセスからでも成果を得やすくなります。
Q. 外注で記事を増やしていますが、成果が分かりません。どうすればよいですか?
A. 「投稿しているだけ」の状態では、成果につなげるのは難しいです。記事を公開したら、アクセス数の変化や問い合わせの増減など、なんらかの形で振り返りを行ってください。定量的なデータが理想ですが、まずは社内で「この記事は役に立っているだろうか」と話し合うだけでも意味があります。検証があってこそ、よい循環が生まれます。
Q. 社内にWeb担当者がいない場合でも、自分たちだけで始められますか?
A. 始められます。毎朝30秒のサイトレビューや、月に1回の気づき共有ミーティングは、専門知識がなくても取り組めます。大切なのは、気づいたことを言葉にして蓄積していくことです。そうした記録は、後から外部の専門家に相談するときにも大いに役立ちます。まずはできる範囲で手を動かし始めることが、何より大切です。

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