テレワークの有用性について、いろいろな切り口で語られておりますね。
使えるのかそうでないのかと聞かれれば、これからの企業が選択肢として持てるかどうかが、採用にしても生産性にしても直結するレベルで「有用」「必須」だと思っています
私も会社を作る前、企業に勤めていたころから、様々な形でリモートワークしていました。
今のようにツールやサービスはほとんどなかったので、一番プリミティブな物としては、Windowsにバーチャルデスクトップで接続して、やりとりは、電話か内部でのメッセンジャーでした。
対面や実際に会うことがプラスなのは「脳を一つにする」時だ
自分の会社を作ってからも、外注の方やパートナーとは、基本的に全てリモートです。
コンサルでも制作のお客様でも基本ははZOOMなどを使ったビデオ会議やオンラインチャット(SlackやChatworkなど)です。移動の手間を他の費用や別の作業に充てられますし、記録を残すのも楽です。
対面って、ブレストやワークショップなどの全体の脳を1つにするようなものには最適なのです。
お互いの反射速度が速ければ速いほど良いからです。人の脳がCPUなら、CPU間のバス速度でしょうか。
ミーティングのやり方や内容は会社によりけりです。ほとんどがミーティング前に決まっているような場合は良いかもしれません。
しかしその場でいろいろな意見交換をして、相手の顔色や空気感を読み、時には隣の人と話したりしながらいろいろなアイデアを出すような場合は、リモートにしてしまうと違和感が強いでしょう。
逆に、それ以外のやりとりでは対面のメリットは少ないと感じています。
また、対面での進行しかできないと、これから何かあった際に危ないように思います。地方人材も活用しづらいですし。
さておき、だからといってとにかく入れれば良いかというと、上手くいかなければ意味がありません。
そこで、テレワークをうまく機能させるための、世の中であまり注目されていないポイントをご紹介していきたいと追います。
「これから導入してみたい」「何となくうまくいかない原因を知りたい」という方へのヒントになればと思います。
コミュニケーションがスムーズなら、大概の問題はクリアできる
テレワーク成功のキモはコミュニケーションがうまくいくかどうかです。スムーズであれば、何事も上手くいきます。
そしてそうすると「じゃあ、どういう風にやればうまくいくの?」という疑問がわくと思います。
ただこれは、投げっぱなしに感じられるかもしれませんが「まずやってみた方が良い」です。
現状少なからずあると感じるのは
「自分たちに合ったやりかたを探し続けて見つからず、ようやくたどり着いたと思ったやりかたが、あまり上手くいかず、疲れてしまう」
パターンです。
情報を簡単に手に入れられる時代だからこその悩みと言えます。
こうしたらうまくいくんじゃないか?を企業ごとに探った方が早いです。
なんでもネットやベンダーに答えがあると考えるのは、やめた方が良いです。ないケースはたくさんあります。
どんなやり方であっても基礎として重要なのは「機材」です
大事なのに二の次にされているな、と感じるのが機材です。音声会議やビデオ会議はコミュニケーションにおいて重要なツールです。
また、いざとなれば外部の営業や集客にも使えるでしょう(Webinarですとか)
そこで大事にしたいのが、カメラとマイクです。
カメラはそれほど苦労しない
カメラはだいぶ飽和した感じはあり、必要な性能にはなってきているかと思います。基本的には「解像度が高い(フルハイビジョン以上)」かつ「よく使う範囲の人数に合わせた画角」「ソフトで見え方の調整が可能」な物をお勧めします。
とは言え、あまり高くはない一般的なWEBカメラでも、フルハイビジョンでの撮影や、大人数向けの広角撮影ができたりします。
私はロジクールの製品の品質を気に入って使っていますが、1万円前後でも良いものがたくさんあります。ソフトでズームや明るさ調整もできるので、色々な環境に対応できます。
もちろん、ビデオ会議専用設計されているより高価な商品であればよりよいでしょう。
厄介なのはマイク
しかしマイクのほうは厄介です。
スマホ付属のイヤホンマイクなど、そもそも品質がイマイチなものを使うのは、やはりお勧めできません。耳から入る情報は、本能的な好き嫌いを誘発しやすいのでなおさらです。
同様にカメラに付いているマイクや、単体で5,000~6,000円程度のマイクでも、イマイチです。カメラづけは前述のビデオ会議用のような高価な物に付いている物はよいですが、1万円以下のカメラに付いている物はお勧めできません。
音質も大事ですし、できれば指向性がある方が良いです。マイクには回り全部の音を拾う「全指向性」と、一部の方向の音だけ拾う「単一指向性」があります。単一指向性がよいです。
みんなで1つの全方向性マイクを使うのではなく、1人1人自分の話す方向の音を拾える方が良いです。
音声が良くなると、会議が本当に楽になります。ストレスも減ります。ここに気を使うことを強くお勧めします。安い1500円とかのヘッドセットマイクとか、絶対やめた方が良いです。
将来は音声のVRでは
話は少し飛びますが、将来的にはきっと、それぞれの人のマイクの位置を空間に配置できるようになると思うんですよ、音声のVR的な。そこにアバターもいるかもしれませんが。
テレワークが今後もっとスムーズになっていくとしたら、隣にいる人に話しかけるような状態が再現できるようにならなくてはいけないでしょう。
回線の問題もありますが、今ビデオ会議中で誰かの発言中にかぶさってしまった時に、割り込んだ感じで流れが止まってしまうことがあります。
そうではなく、リアルで人が数人で会議している時は、いわゆるサラウンドシステムのような物を使って、四方八方から声が飛んできて、それによって誰が発言しているのかを判別できるようにしないといけないと思うんです。
こういう物が一般化していくと、大きく感覚が変わってくると思うんですね。
本当にオフィスの一部代替をさせるなら必要な物
テレワークは、遠くにいても常にスムーズにつながっている状態にしないと、本当の意味でオフィスで仕事をすることの代替にはならないのだと思います。
言い換えると、それができてしまえばオフィスは要らなくなるのではないでしょうか。個別の席がVRの世界のようになっても良いでしょう。
横に大きめのモニターがあり、横を向くとチームや個人のモニターに簡単に切り替えてすぐに相談ができるとか、物を見せ合うことができるとか。
またテレワークだとプライバシーのため一時的に切る機能は必要でしょうが、それくらいリアルの世界と同じレベルのナチュラルさ、なめらかさで繋がれるようにならないと、ブレイクポイントは越えないような気がします。
当社でも、お客様とのミーティングでzoomを使います。1対1では気になりませんが、1対3以上になると、順番に喋る感じになってしまいます。まだその辺りは発展途上ですね。
今はまだ技術的に追いついていない部分があることを前提に考えてみて
これからテレワークを導入してみようと考えている方は、矛盾するようですが期待値を上げすぎない方が良いです。
まだまだ回線やマイクの問題があって、対面で今行っているようなコミュニケーションが再現できるとは考えないほうが良いでしょう。大概、途中でやめてしまうのは、期待値が高いからです。
一方で、まだまだテクノロジー面で追いついていない部分、リアルでのコミュニケーションに対してまだまだギャップが大きいがあると思います。
あまり早急にテレワークを大きく入れるぞと意気込むよりは、少しずつ導入していただけると良いのではないでしょうか。
数年で大きく発展するのは目に見えています。
その時、今まで不便だったところが便利になった!こういう使い方ができる!と考えられるように、今のうちから使っておくことをお勧めします。
全くやっていないと、そのタイミングになった時に、いいように業者に言いくるめられて高価なサービスや機材を購入する羽目になるかもしれません。ニーズが爆発するときには、そういうケースがどうしても増えます。
前もってテスト的に、遠隔人材や在宅人材を使うためになどから、初めて見てはいかがでしょうか。何事もトライアンドエラーですね!
中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから